本文
令和2年度群馬県肝炎対策協議会について
令和2年度肝炎対策協議会議事録(概要)
令和2年度群馬県肝炎対策協議会は、書面により下記のとおり開催しました。
報告・協議事項
(1)第2次群馬県肝炎対策推進計画の進捗状況について
第2次群馬県肝炎対策推進計画
- 総合指標(肝及び肝内胆管がん粗死亡率(人口10万対)の15%低下)
- 成果指標1(B型肝炎ワクチンの定期予防接種率を増加)
- 成果指標2(肝炎ウイルス検査受検率を増加)
- 成果指標3(肝炎ウイルス陽性者フォローアップ事業による検査費用の助成件数を増加)
- 成果指標4(肝炎医療コーディネーターの全市町村及び全保健所への設置)
(2)令和2年度肝炎対策事業の進捗状況について
肝炎の予防と正しい知識の普及
- 普及啓発
- 肝炎医療コーディネーター養成事業
- 肝炎患者支援手帳の作成
- 肝疾患センター
肝炎ウイルス検査の受検を促進
- ウイルス性肝炎患者等の重症化予防推進事業(特定感染症検査等事業)
肝炎医療を提供する体制の確保と患者等への支援
- 肝炎治療費等助成事業
- 肝炎治療講習会の開催
- 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について
(3)令和3年度肝炎対策事業について
- 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の制度改正による要件緩和
- 重症化予防事業の周知による肝炎ウイルス陽性者の掘り起こし
委員意見及び事務局による回答
1 総合指標(肝及び肝内胆管がん粗死亡率(人口10万対)について
(委員意見)
- 日常診療の実感では、明らかにC型肝炎からの発がんは減っており、脂肪性肝炎は比率としては増加しているが、全体を増加させるほどではない。全国で減っているのに群馬県で減っていない理由を究明したい。
- 現在の指標では、肝炎ウイルスを原因とする肝がん死亡者のみを切り分けることはできないが、区別して分析できれば、取り組みの結果として参考になるかと思う。
(事務局)
今後も各成果指標を推進し、総合指標の改善を図っていくが、令和4年度の計画改定に向けて、よりよい指標についても検討してまいりたい。
2 肝炎医療コーディネーターについて
(委員意見)
- 市町村や保健所の担当者の方の受講が増加したことは一定の成果と思う。コーディネーターの現場での活動が見られるような取り組みをお願いしたい。
- 群馬県はコーディネーターの養成者数は全国的にも多い。コーディネーターへの情報提供やスキルアップの機会を強化することも重要と考える。
(事務局)
今後も幅広くコーディネーターを養成していくとともに、情報提供やスキルアップのための研修など、コーディネーターへのフォローも新たに検討してまいりたい。
3 肝炎ウイルス検診について
(委員意見)
- 自分の感染を知らない人がまだ多いと思う。早期発見・早期治療が医療費抑制にもつながる。受検率の向上のために、市町村の受検実態を把握することが必要。より一層の啓発活動をお願いしたい。
- ウイルス検査受検率の伸び悩みの原因について、率が高い県との比較、行政システムの比較などにより究明してはどうか。健康増進事業以外の検査機会の充実が、40歳検診の受検率の低下に影響していることも考えられる。
- 40歳など若い人は、任意の肝炎ウイルス検査への関心が低い。市町村ごとの取り組みにも差があると思うので、市町村間での情報共有を図り、好事例を共有してもらいたい。
(事務局)
県としても肝臓週間を中心とした啓発活動を行っているが、指標としている40歳検診の受検率はなかなか向上していない。他県や県内市町村の状況・好事例を調査の上、情報共有を図り、実効的な取り組みを考えてまいりたい。
4 陽性者の受療について
(委員意見)
- 検査の受検率も当然重要だが、陽性者を確実に受療に結びつけることも大切である。
- 陽性が判明した人は、何割程度が肝臓専門医を受診しているのか。
(事務局)
市町村と連携し、陽性者のフォローアップや、初回精密検査費用助成の案内による精密検査の勧奨を強化してまいりたい。
なお、肝炎ウイルス検査の陽性が判明した方が初めて精密検査を受ける際の費用を助成する「初回精密検査費用助成」の申請者について、どこの医療機関で精密検査を受検しているかを調査したところ、約6割が肝疾患専門医療機関を受診していた。
また、本県では、医師向けの治療講習会を開催し、肝臓専門医以外の医師がインターフェロンフリー治療を行うことができる(助成のための診断書を作成できる)制度を設けており、患者の医療アクセスの向上にも取り組んでいる。
5 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について
(委員意見)
- 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業については、制度開始当初から申請者や指定医療機関が少ない。来年度に制度改正が見込まれているので、周知徹底をお願いしたい。
- 制度改正により通院治療が助成対象になるため、対象者は増加するものと考える。対象患者の拾い上げには、医師だけでなく、医療機関の事務方への周知も大切である。
(事務局)
肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業は、令和3年4月に予定されている改正により、通院治療が対象になることから、該当者が増加することが見込まれている。医療機関や市町村など、関係機関への周知を行い、対象患者に早期に情報が届くよう努めたい。