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第42回定例記者会見要旨(1月21日)

更新日:2022年1月21日 印刷ページ表示
  • 日時 令和4年1月21日(金曜日)午後15時00分~16時00分
  • 会場 記者会見室
  • 出席者 県:知事、副知事ほか
    記者:記者クラブ所属記者等 17人
  • 記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和4年1月21日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料(PDFファイル:618KB)

知事冒頭発言

発表項目

1.はじめに
2 直近の感染状況
3 積極的疫学調査の重点化について
4 直近の感染状況について(続き)
5 知事からのお願い
6 高齢者に対する追加接種の前倒しについて
7 アニメ「ぐんまちゃん」の一挙放送について

 質疑応答はこちらをクリック

1.はじめに

 それでは定例会見を始めさせていただきたいと思います。
 本日から、本県においても、まん延防止等重点措置の適用が始まりました。措置内容に関しては、18日火曜日の臨時会見で発表した中身から変更はありません。県民の皆さま、事業者の皆さまには、大変なご不便をおかけすることになりますが、ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 また、本日の県議会では、まん延防止等重点措置の実施に伴う補正予算について、全会一致で議決をいただいています。県議会の皆さまの後押しに対し、知事として、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 少しお時間をいただいて、本日の県議会での質疑に関する所感を述べさせていただきたいと思います。
 スライドをご覧ください。本日の臨時議会に関するスライドです。
 金井政調会長の方からは、まん延防止等重点措置については、今回が3回目の適用になるが、今までの状況も踏まえて、今後どう対応していくのかという話がありました。
 さらには、県内全域を対象とした理由、感染状況の今後の見通し等々についても、非常に簡潔にまとめて質問していただいて、いろんな意味で、県民に対して、知事として分かりやすく説明する機会をいただいたと思っています。大変感謝しています。

 あべともよ県議からは、今回の措置に伴う補正予算案では時短協力金だけで絞っているが、大丈夫かという話があったんですけれども、確かに、他にもいろいろと必要な予算があるんですけれども、これまでの補正予算で積み上げた部分もありますので、そういうこともしっかり活用させていただいて、これ以外の対策を実施したいとお答えいたしました。いずれにせよ、さらなる対策が必要になった時には、あべ県議にもご協力いただきたいというお話をさせていただきました。
 それから、もう一つあべ県議からあったのは、オミクロン株の特性を踏まえて、これから社会活動の継続と感染拡大防止のバランスをどう両立していくのかと。すでに今の段階で、かなり自宅療養も増えて、大変なことになっているんじゃないかという実に的確なご指摘をいただきました。
 これに対しては、この会見で申し上げたとおり、入院の基準、いわゆる療養の方針というものをかなり厳格に適用しながら、少し自宅療養が増えるかもしれないけれど、そういうところに対しても、しっかり県としてサポートしながら、バランスを保っていきたいと、両立を目指していきたいということをお答えさせていただきました。

 それから、共産党の酒井県議の方からは、時短要請で影響を受けるのは飲食店だけではない。代行業や酒店とか関連事業者への支援も国任せにしないで、県独自で行うべきではないかと。これももっともな質問だと思います。
 私がお答えしたのは、ご指摘のとおり、いろいろな関連事業が影響を受けるけれども、そこはやはり財源の裏付けというものが必要なので、国の政策とか、事業者の状況などを見ながら今後検討していきたいと答えさせていただきました。

 自民党、令明、共産党の方から、会派を代表して質問をいただきましたが、時間は限られていましたけれども、中身のあるやりとりができたと思っています。
 3人の県議には感謝を申し上げたいと思います。

 それでは、本日の主な会見の項目に行きたいと思います。スライドをご覧ください。
 今日は、新型コロナ直近の感染状況、高齢者に対する追加接種の前倒し、アニメ「ぐんまちゃん」について、ご報告したいと思っています。

2 直近の感染状況

 それではまず、直近の感染状況から始めたいと思います。スライドをご覧ください。新規感染者の推移です。
 本日の新規感染者は645人となりました。18日の火曜日から、4日連続で過去最多を更新する感染者が確認をされております。
 週単位で見ると、直近1週間の新規感染者2,894人ということになりまして、先週の1,039人から、約3倍に増えていることが分かっていただけると思います。ここ数日、過去最多の感染者数を毎日更新していますが、いまだピークが見通せない厳しい状況にあると考えています。
 なお、昨日の衛生環境研究所のスクリーニング検査だと、78件中73件がオミクロン株の疑いということになっています。その割合は93.6%ということですから、現在の感染急拡大がオミクロン株によるものだと言っていいと思います。

 続いて、客観的な数値について報告したいと思います。
 スライドをご覧ください。客観的な数値です。
 まず、上段の感染状況ですけれども、1日当たりの新規感染者数は、357.7人ということで、先週から比べても、大きく増加しています。
 (2)の感染経路不明の感染者、これも55.4%を上回りました。この段階に来ると、市中感染が広まっていると言っていいと思います。
 (3)の検査の陽性率も、18.3%ということで、前回値から倍以上になっていますけれども、これも基準を大きく上回っていることが分かっていただけると思います。
 (4)の今週先週比、これも非常に大事な指針だと思っていますが、1.0以上が21日間続いていると。10日間継続というのがめどですが、これも相当深刻な状況になっております。

 続いて、下段の医療提供体制についてもご報告したいと思います。
 病床稼働率46.3%ということで、18日火曜日の臨時会見の際は37.4%でした。この3日で約9ポイント上昇しています。急激な上昇ということで、これは全国的にも高い水準になっているということを分かっていただけると思います。
 先日の会見でもお伝えしましたが、病床使用率をこれ以上上昇させないための方策が必要だということで、入院基準の見直しと併せて、宿泊療養、自宅療養をさらに積極的に活用する必要があると考えています。
 とにかく、医療の逼迫を避けるために、できる限りの対応を県としては進めてまいりたいと思います。
 一方、(2)の重症病床使用率を見ていただくと、これは5.4%ということで、現時点では警戒レベル1の水準を保っています。確か昨日の時点で、今日の時点でしょうか、2人だったと記憶しています。

 続いて、感染者の年代別の状況を報告します。スライドをご覧ください。
 20代から30代が35%、20代未満の割合が30%ということで、若い世代の感染が目立つことが分かります。

 続いて、感染者の推定感染経路です。スライドをご覧ください。
 昨日までの直近1週間の新規感染者は2,504人ということですが、感染経路不明が、実は1日当たりの感染者数が多くて、なかなか調査が追いつけないものですから、調査中の方もかなりいるんですが、これを含めると、54%ということで、最も高くなっているということを分かっていただけると思います。
 高校でのクラスターも多発しておりまして、学校の割合も8%ということで、かなり高くなっていることが分かります。

 次のスライドをご覧ください。
 11歳以下の子どもの推定感染経路について、第5波と比較してみました。
 第5波では、子どもの感染経路は8割が家庭でした。でも直近1週間で言うと、家庭内感染が4割にとどまっており、半減しております。
 つまり、従来は大人が外で感染して家庭内に広まっていたということですが、オミクロン株について言うと、今回の波でいうと、最近は子どもが外から持ち込むケースが増えているということが言えると思います。これはオミクロン株の特徴の一つだと私たちは考えています。

3 積極的疫学調査の重点化について

 なお、新規陽性者の急増によって全国的に、感染者に行動歴を聞き取る積極的疫学調査業務の負担は非常に増大しています。こうした状況、あるいは積極的疫学調査の重点化に関する国の事務連絡、こうしたことを踏まえて、本県においても、保健所による積極的疫学調査の重点化を進めることといたしました。

 次のスライドをご覧ください。積極的疫学調査に関するスライドです。
 本人への聞き取りでは、本人の症状等の調査、行動歴の調査、濃厚接触者の調査、この三つを実施しています。
 まず本人の症状等の調査については、必要な医療、療養を提供するために不可欠だということで、これはこれまでどおりの対応を継続させていただきます。
 2点目の行動歴の調査。これについては、感染源の特定を目的に行っている発症14日間前までの調査から、感染を広げないための発症2日前からの調査に、当面の間、短縮したいと思います。
 3点目の濃厚接触者の調査ですが、保健所が直接行う濃厚接触者の調査範囲を、同居の家族、高齢者施設や障害者施設の従事者・利用者等の重症化リスクの高い方々に限定して行わせていただきます。
 なお、学校や企業で感染者が出た場合には、その団体において、濃厚接触者をリスト化し、各団体で接触者への対応、感染対策をお願いするという形にさせていただきます。
 その他、感染者の友人・知人など、濃厚接触者が個人の場合には、感染者本人から連絡を取っていただくということで、接触者自身に診療検査外来を予約し、医療機関を受診いただきたいと考えています。

 新規感染者の激増による調査範囲の重点化については、ぜひ県民の皆さまにもご理解、ご協力をいただきたいと思います。これも全国的に起こっている現象で、全国各地でこういう対応に切り換えているということもご理解をいただきたいと思います。

4 直近の感染状況について(続き)

 続いて、保健所別の感染状況を報告いたします。スライドをご覧ください。

 すべての地域が赤く塗られています。県内全域に感染が広がっていることが、ひと目で分かっていただけると思います。

 続いて、感染者のワクチン接種状況です。スライドをご覧ください。
 新規感染者のうち2回接種の方は64%となりました。つまり、ブレークスルー感染が着実に増えているということです。
 2回目接種から時間が経ってきて、感染予防効果が薄れている、抗体が下がっている可能性があると考えています。
 他方で、県内の感染状況を見ても、重症化を防ぐなどワクチンの有用性は十分にあると私たちは分析をしています。健康上の理由等でワクチンが接種できない方以外は、何度も申し上げていますが、ぜひ、接種をしていただきますように、重ねて知事の方からもお願い申し上げたいと思います。

 続いて、療養者の状況についても報告いたします。スライドをご覧ください。
 現在の療養者2,854人。入院されている方が、その内260人で9%。それから、宿泊療養が644人で23%。自宅療養が1,138人で40%ということになりました。
 また、入院されている方の症状ですが、軽症の方が9割、89%。中等症の方が25人で10%。重症の方が2人ということで、1%という状況になっています。

 以上が直近の感染状況についてです。
 ご説明したとおり、感染者の増加に伴って、群馬県内では、病床の使用率が想定を超えるスピードで上昇しております。
 これは、患者の療養方針に関して、ここでも何度も申し上げましたが、群馬県では入院を基本にしてきたということが大きな背景としてあります。群馬県の入院率は9.1%です。それに対して、先行してまん延防止等重点措置を適用した広島県は2.3%、沖縄県は3.2%です。
 オミクロン株の症状に合わせて、入院率が低くなっているということが見て取れます。結果として、これは群馬県として、かなり丁寧に対応してきたという証拠でもあるんですが、結果として、他の都道府県よりも病床使用率が高い状況になってしまっているということが言えると思います。
 オミクロン株によるさらなる感染防止に備えるという意味でも、ここからは、必要な方にしっかりと医療を提供できる体制を維持していくということが重要だと考えています。
 これまで以上に、宿泊療養及び自宅療養での対応を強化させていただきたいと思います。

 先日の臨時会見でお伝えしたとおり、今(宿泊療養施設の)7棟目、8棟目の開設も急いでおります。
 また、自宅療養者に対する健康観察体制、医師による遠隔診療・往診体制の強化、こうした必要な対応は、県としてしっかり取っていきたいと考えています。
 加えて、年明け以降、県内の救急で搬送先病院を見つけるのが困難になっている事例が散見されるということが、医療現場の皆さまから報告されています。
 現時点では、感染拡大の規模に比べて重症者が少ないということは事実ですが、こうした状況を総合的に勘案すると、一般医療にも影響が出始めていると。ぎりぎりのところで踏みとどまっていると。これが今の状況だと思います。
 群馬県としては、今後も病床使用率や重症病床使用率、こうした重要な指標を冷静に分析しつつ、追加の対応が必要になった際には、迅速にこれを進めていく所存です。

5 知事からのお願い

 なお一昨日、政府分科会の尾身会長が今後の対策について、「人流抑制」ではなく「人数制限」がキーワードになると。今までやってきたことの踏襲ではなく、オミクロン株の特徴を踏まえた効果的でメリハリのある対策を打っていく必要があると。こういう趣旨の発言をされています。
 人流抑制に関して群馬県では、政府の基本的対処方針も参考に、不要不急の県外への移動を控えていただくようにお願いしています。
 今後、政府が専門家の意見等に基づき対処方針を変更した場合には、群馬県もこれに合わせて迅速に対応していきたいと考えています。
 また、人数制限に関してですけれども、群馬県では、5人以上の会食とか、混雑しているところなどの感染リスクが高い場所への外出については自粛をお願いしております。
 ポイントは、誰かの濃厚接触者にならない。誰かを自分の濃厚接触者にしないということだと考えています。人数が増えれば、当然、距離が取りづらくなって、こういう条件を避けにくくなるということは事実です。そうなると感染のリスクは格段に高まるということになってしまいます。

 こうした中で、県民の皆さまに改めてお願いをしたいと思います。スライドを使いたいと思います。県民の皆さまへのお願いです。
 県民の皆さまにおかれましては、県の内外にかかわらず、外出する場合には、混雑する場所へは近づかないでいただきたいと思います。
 さらに、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保などを徹底していただけるように、改めてご協力をお願いいたします。
 その上で、オミクロン株はデルタ株の2倍から3倍の感染力ですから、もはや周りの誰が感染してもおかしくない状況だということを、ぜひ念頭に置いていただいて、感染を前提にしたリスク管理というものも大事だと私たちは考えています。
 その点で言うと、各事業者の皆さまにもお願いしたいのは、事業継続計画、BCPという観点から、従業員の方々が感染したとしても、業務の停滞が起こらないような業務体制の見直し、これも県庁内でもしっかり進めているところですが、これを推進していただきたいと思います。このことを重ねてお願いをしておきたいと思います。
 さらに、県民の皆さま、お一人お一人に対してもお願いしたいと思いますが、改めて自分の行動を分析していただいて、その中でハイリスクな場面がないかどうか考えていただいて、できるだけこういう場面を避けていただくということを、知事としても、重ねてお願い申し上げておきたいと思います。
 さらに言うと、救急など一般医療に影響が出始めておりますので、この点もご理解いただき、怪我とかその他の病気にも十分気をつけていただきたいと思っています。
 例えば、持病をお持ちの方は、症状が重くなる前から早めにかかりつけ医にご相談をいただくとか、慣れない作業を行う際には怪我をしないように、十分安全に気を使っていただくとか、こうした、ご自身の命と安全を守る行動も、ぜひお願いをしたいと思います。

6 高齢者に対する追加接種の前倒しについて

 続いて、高齢者に対する追加接種の前倒しを取り上げたいと思います。
 スライドをご覧ください。高齢者に対する追加接種の前倒しに関するスライドです。
 先週14日金曜日の臨時会見でお伝えをいたしましたが、県では、高齢者も一般の方も含めて、すべての県民の方への追加接種について、6カ月間隔で接種していただくことを目指して取り組んでおります。
 このうち高齢者に関しては国の方針で、医療従事者及び高齢者施設の入所者等への追加接種にめどがつけば、3月を待たずに、6カ月間隔で前倒しが可能だということになっています。
 こうした中、全市町村の接種計画を確認しましたら、医療従事者及び高齢者施設の入所者等については、希望する対象者への接種スケジュールは概ね確定していることが分かりました。
 このため、県としては、まず県営ワクチン接種センターで、高齢者に対する追加接種を6カ月間隔で受け付けるということにいたしました。
 2回目の接種から6カ月が経過した65歳以上の方で、お手元に接種券がある方は、今後、県営センターでの追加接種が可能となります。
 ご予約は県のLINEアカウント「群馬デジタル窓口」、または電話で行ってください。すでに、受付を開始しております。
 ぜひとも県民の皆さまには、県営センターを積極的に活用していただくようにお願いしたいと思います。
 なお、各市町村接種会場での前倒しは、それぞれの接種状況に応じた判断ということになります。現状では、県下一律での前倒しにはなっておりませんので、この点はご注意いただきたいと思います。
 県では、今後も市町村としっかり連携し、接種状況を確認しながら、一般の方も含めたさらなる前倒しについて取り組んでいきたいと考えています。

7 アニメ「ぐんまちゃん」の一挙放送について

 最後に、アニメ「ぐんまちゃん」についてご報告をしたいと思います。
 ニコニコ生放送で、アニメ「ぐんまちゃん」全13話一挙放送と題して、1話から全話を一気に放送することが決定いたしました。ニコニコ生放送です。放送は、来週27日木曜日の18時から予定しています。
 アニメ「ぐんまちゃん」は、昨年12月末に全13回のテレビ放送が終了いたしました。これまでご視聴いただいた皆さまに、心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 13回の放送を通じて、ツイッターでのトレンド入りとかアニメ流行語大賞のノミネート等、様々な大きな反響をいただいたと考えています。自治体が作る初めての本格アニメということで、細部にこだわって、群馬県が自信を持って作り上げたアニメです。様々な方に楽しんでいただけたことについては、知事としても大変うれしく思っています。
 テレビ放送は終了いたしましたが、現在、各配信サービスでの配信は継続しています。今回ニコニコ生放送における一挙放送が決定したということで、こうして記者会見でご紹介をさせていただいています。
 今回の放送は、ニコニコ会員ならばどなたでも無料で視聴できます。アニメを見ながら動画にコメントが付けられますので、このニコニコ動画の仕組みを使うと、様々な方と時間を共有することもできます。
 多くの皆さんに、ぐんまちゃんの放送を振り返りながら盛り上がっていただきたいと思っています。ぜひ皆さん、ニコニコ生放送の一挙放送をご覧いただきたいと思います。
 私からは以上です。何かご質問があれば、お受けしたいと思います。

質疑応答

積極的疫学調査の重点化について

(記者)
 疫学調査に関して確認ですけれども、同居のご家族と高齢者施設・医療機関に関して今までどおり行い、学校などに関しては、各学校が独自に自分で調査をするということでいいんでしょうか。

(知事)
 その辺り、どうぞ。

(健康福祉部長)
 これまでですと、学校や企業で感染者が出た場合には、その方からある程度話を聞いた上で、保健所が濃厚接触者の特定という作業を行ってまいりましたが、これだけ感染者が多くなってきたときには、これまでと同じような対応がほとんどできなくなってしまいましたので、同居されているご家族ですとか、高齢者施設等につきましては、保健所の方で濃厚接触者の特定作業をこれからも続けていきますけれども、学校や企業につきましては、それぞれの学校や企業の方に、その辺の作業をお願いしようと思っております。

(記者)
 個別の友人とかはもう、本人の判断で・・・

(健康福祉部長)
 そうですね。ご本人から、一緒に食事をされた方とか、親しくされている方についてはご連絡いただいてというふうに思っております。

(記者)
 今までほど網羅的には難しくなるというところ、捕捉が難しいという面もあると思うんですが、そこは、保健所の負担を考えるとやむを得ないという判断だったということでしょうか。

(健康福祉部長)
 はい。そのとおりですね。

(知事)
 群馬県は、保健所にものすごく頑張っていただいていて、10回以上知事との意見交換会をやっているんですけれども、第5波で相当厳しくなったときも、とにかく追跡を諦めないということで頑張っていただいたんですが、ここまで来ると、どの自治体も同じだと思いますが、同じようにはなかなかできないので、いろいろな工夫をしながら、とにかく追跡調査を必要なところをしっかりやるという仕組みに作り替えたということです。

警戒レベルの引き上げについて

(記者)
 県独自の警戒レベルに関してなんですけれども、病床利用率が50%に迫りつつある状況だと思うんですが、引き上げに関して現時点では考えていらっしゃらないということでしょうか。

(知事)
 警戒レベルは、前回の会見でも申し上げましたけども、総合的に判断すべきものだと思っていまして、現時点で言うと、この間も言いましたが、沖縄とか山口とか広島とか、先行して、まん延防止がかかったところでも警戒度2ですから。全体の流れを見ながら、やはり判断していくべきものだろうなと思っています。

積極的疫学調査の重点化について

(記者)
 疫学調査の縮小について伺いたいんですけれども、今一日あたり600人を超える日が4日連続で続いているということで、保健所での疫学調査の現状というのは、例えば、1人の職員の方が何人も見ているとか、どのような状況なのか教えてください。

(知事)
 武藤健康福祉部長、どうぞ。

(健康福祉部長)
 感染者が数えるほど少ないようなときには、特定の感染症の係、感染症の専門ではないですけれども、保健関係の係の数人でやっておりましたが、もうそれでは全然回っていかないので、その他の仕事をされている職員を動員してやってきておりますし、今はそれでも全然足らないので、他の職場からも応援に入っております。あと、疫学調査につきましては、保健所ですべてをやるのではなくて、一部については、県庁の中から感染者に対する聞き取り調査をやっております。
 そんな形で、なるべく聞き取れるようにという形でやってまいりましたが、1日600人を超える状況ではなかなか難しくなっておりまして、聞き取る内容につきましても絞っていくような形で、とにかく一番大事なのは本人の病状でございまして、入院が必要な方については速やかに見つけてさせていただいて、入院の措置をとらせていただくということを最優先でやっているところであります。

(記者)
 感染者の経路別のデータでもまだ調査が終わっていない方もおられるということでしたが、県の今のキャパシティとしては、1日あたりこの疫学調査で何人とか、上限や目安みたいのがあるんですか。

(健康福祉部長)
 デルタ株の時とまたちょっと違うんですね。症状の重い方がいると当然なかなか本人から聞けないということもございますし、なかなか一概には決められないです。その辺のある程度定量的なものというのは、これから目安をしっかりつけていきたいなと思っております。
 あと、そういったものをしっかり分析してく中で、どういったところが自動化できるかとか、いろいろなものも出てくるので、これまでもやってこなかったわけじゃないのですが、まだ不十分なところもあったものですから、まだ具体的に、何人になったら保健所でできるかという具体的な線はちょっと申し上げられないですが、そんなことを考えております。

(記者)
 今回、個人的な関係であれば感染者の個人の判断だったり、学校や企業という組織の中で連絡するということになると思うんですけれども、連絡する基準や調査する基準に関するマニュアルなどを示されたりするご予定はあるんでしょうか。

(健康福祉部長)
 そうですね。ある程度こういったことをやってくださいみたいなものは、ホームページの中でお示しさせていただかないと迷ってしまうと思いますので、ある程度のものは作っていきたいと思っています。

(記者)
 知事に伺いたいんですけども、今回、疫学調査の対象がかなり小さくなるということで、県民にとっては、これまで、保健所であれば網羅できていたような感染者が捉えられなくなって、市民の方は、市中感染がさらに拡大するのではないかという不安を感じると思うんですけれど、その辺に対して何かコメントをいただければ。

(知事)
 先ほども申し上げましたけれども、群馬県は、疫学調査についても相当真面目にやってきて、第5波のピークのときも、他の都道府県で疫学調査を諦めたというところもあったんですけれど、我々は最後までそれはやり続けなくてはいけないということで、様々な工夫をして、例えば人事対応でここを強化したりとか、知事ももう10回以上(保健所長と)意見交換をやっていますが、現場の声も聞きながら、必要なサポートをやってきたつもりなんですけども、もう事ここに至っては、やはり同じようなやり方でというのは、保健所スタッフのキャパを考えても難しいと。
 これはもう県民の皆さまに分かっていただきたいのですが、全国的にそういう状況になっている中で、群馬県も踏ん張っていたのですが、やはり疫学調査をとにかく続けていくためには、少しやり方も絞ったり、いろんな方々の協力を得ないとできないというところは分かっていただきたいと思います。調査自体はいろいろ知恵を絞りながら、今、武藤部長が言ったような方式で続けたいと思っています。

アニメ「ぐんまちゃん」放送に対する評価について

(記者)
 ぐんまちゃんがニコニコ生放送で一挙放送されるということですが、12月末でぐんまちゃんのアニメ放送が終了したということで、ぐんまちゃんを放送したことによる経済効果だったり、もしくは視聴率だったり、そういったものを県として、何かデータとしてまとめて、施策の評価基準になるようなものを公表するご予定はありますでしょうか。

(知事)
 もちろんです。それは今ちょうどデータをまとめているところなので、それがそろったら公表して、しっかりお伝えしたいと思っています。
今まとめている段階なので。

積極的疫学調査について

(記者)
 先ほどの積極的疫学調査の対象を絞っていくというお話ですけれども、つい最近もそうですけれども、濃厚接触者が、例えばエッセンシャルワーカーに多すぎると社会全体が回らなくなるという問題が指摘されていまして、この点について、あまりやりすぎないようにするという意味も、この中に含まれているのかという点をお聞きしたいです。
 つまり、保健所の負担を軽くするという意味だけでなくて、そこのケアということも考えられたのでしょうか。

(健康福祉部長)
 それは特に考えておりません。
 高齢者施設や医療機関といった重症化リスクの高いところは、しっかり(調査を)やっていかなければならないので、これまでどおりやらせていただくのですが、その他については、企業さんなり団体さんといった会社の皆さまにお願いしようということです。エッセンシャルワーカーがいるところだからということは特に考慮しておりません。

(記者)
 濃厚接触者の方に、自宅待機の期間を短くするとか負担を軽くするという施策も政府から打ち出されておりましたけども、濃厚接触者の範囲を絞りたいという意図があるのかという質問なんですけれども。

(健康福祉部長)
 濃厚接触者を絞りたいという意図ではありません。

自宅療養者に対する支援について

(記者)
 自宅療養者が増えているという先ほどのご説明でしたが、知事がサポートを厚くしていきたいというお考えだということを以前聞いた時には、具体的には往診を増やしていくというようなお答えだったような記憶があるんですけれども、具体的にはどのようなサポートをするのかお聞きしたいんですが。

(健康福祉部長)
 まず、自宅療養者に対しましては、パルスオキシメーター、いわゆる血中酸素濃度の測定機器、それから食料をはじめとした日常生活に必要なものについては、健康観察センターの方から、ご自宅の方に届けさせていただきます。それがまず1つです。
 それから、1日複数回ご本人と連絡をとらせていただいて、病状等に変わりがないかどうかについて、調査いたします。
 何もなければそれでいいですが、熱が出てきたとか、その辺りの聞き取りをさせていただきまして、これは看過できないとなった時には、電話による往診、あるいはオンラインによる診察、場合によっては往診をさせていただきます。さらに、電話で確認しただけでも、かなり重たいと判断した時には、そこから外来診療の方に手配するとか、そういったかたちで、病状について、常に把握できるようなかたちにさせていただいて、必要な医療が届けられるような仕組みを作ってきましたし、それを実践していきたいと思っております。

今後の感染者数の見通しについて

(記者)
 今、感染者がかなり増えているということで、東京都が、先日「1週間後に、1日あたりの新規感染者数は1万8千人以上に上るだろう」という試算を、すでに公開されていますけれども、県としてそういうものをまとめになっていて、公表するご予定はあるのかお聞きしたいんですが。

(健康福祉部長)
 まだ県としてはできておりません。

(記者)
 今日の知事の議会の答弁の中で、すでにアメリカではピークアウトしたという報道があったとお話になっておりまして、案外早く収束するんじゃないかという見方もあるようですけれども、知事の見通しをお聞きしたいんですが。

(知事)
 アメリカ全体でいうと、ピークアウトしてきているといった報道もあるんですけれども、州によっても違うところがありますが、先行しているイギリスとか、南アフリカでもピークアウトの傾向があるということで、こういうことが日本でも起こってくればいいなと思っていますが、何度も言っているように、3回目の接種が進んでいないので、これはとても心配しています。
 もしかすると、3回目の接種が進んでいないがために、ピークアウトが遅れるんじゃないかとか、そこら辺は、県民を守らなければいけない知事としては非常に心配なので、何度も言っているように、これは政府にお願いするしかないんですけれども、ワクチンをしっかり確保して、政府が大変ということもよく分かっているし、自治体の準備もあるのかもしれませんけれども、やはり、1カ月でも早めることは、国民や県民を守るためにはとても大事だと思います。
 例えば、今いろいろとコロナ対応の方針も変わってきていて、若い人に対しても、全部検査するよりは、違うやり方で対応するといった話になってきていて、究極的には普通の風邪みたいになればと、心では思っているんですけれども、普通の風邪にするためには、やはり重症者が少ないことが条件ですよね。オミクロン株が重症化しにくいと言っても、時間が経つにつれて抗体が下がってきているわけですよね。だから、こんなに間隔が空いていると、政府も一生懸命やっていただいているかもしれませんが、リスクが高くなってしまうことをすごく心配しているので、とにかくこれからも、先ほども記者さんが言ったように、この流れが急激に止まることはないので、しばらくは増え続けるかもしれないという覚悟して準備をしなければいけないので、その中のキーワードは、もちろん感染対策もしっかりやっていきますが、やはり接種を急いで、感染したとしても重症化しないという状況を作ることだと思うんですね。
 ですから、知事としては政府にしっかり求め続けたいと思いますし、今日も申し上げましたけれども、群馬県としてはすべての県民に6カ月の間隔で接種できるように、最大限の努力をしっかりしていきたいと思います。

(健康福祉部長)
 少し補足させていただいてよろしいですか。
 先ほど、東京都が1日の感染者が1万8千人ということを想定していて、群馬県ではどうかという話をされましたが、1日に発生する人数というよりも、自宅療養をされる方がどのぐらいになるかというところをベースにして考えております。つまり、第5波の時には、千人程度の自宅利用者に対応できるようにということで体制を組んでありましたけれども、1,500人ぐらいまで対応できるようにはすでにしておりますし、さらに、自宅療養される方が1日2千人いても3千人いても対応できるようなかたちで、今シミュレーションしています。当然それだけ(人数が)いれば、送る日用品ですとか、あるいはパルスオキシメーターあるいは、往診体制や電話体制の方は大丈夫と思うのですが、それなりの人手や物資も必要になってきますので、その辺は人数を想定して、しっかりと(体制を)作っていきたいと思っております。
 具体的に、1日何人までいくかということも想定はまだしておりませんけれども、そんなかたちで十分対応できるようにしていきたいと思っています。

(記者)
 知事の説明で、自宅療養者が40%というのは1,400人ぐらいとお話されたんでしたかね。

(健康福祉部長)
 すいません、ちょっと意味が・・・

(記者)
 自宅療養者の数ですね。

(健康福祉部長)
 はい。

(記者)
 最初は千人ぐらいまでは耐えられるようにしていたが・・・

(健康福祉部長)
 それが12月ぐらいの時点で増えてきていましたので、早々から1,500人に対応できるようにしてまいりましたし、今もどんどん増やしています。

(知事)
 基本的に、感染者はこれからも増えると思います。
 1日あたり何人出るかというシミュレーションにどのくらい意味があるか分かりませんけれども、これからも増えていくと思います。
 それに対しては、先ほど申し上げたとおり、感染対策を徹底していくということに加えて、入院、療養の方針をしっかり厳格に適用して、入院する方は減らして、できるだけ自宅療養で対応するというやり方をしますけれども、しばらくは耐え抜いて、乗り切るしかないと思います。
 そのためには、いつも言っているように総力戦だと思っていまして、県庁もちろん全力を尽くしてやっていますが、加えて、今日も予算は全会一致で通していただきましたけれども、県議会の後押しもいただき、市町村とも連携し、何よりも事業者を含む県民の皆さまのご協力をいただいて、総力戦でピークアウトするまで耐え抜くしかないというふうに思います。
 いろいろな事態が想定されるんですけれども、いかなる事態になっても、その時ベストだと思われることを、しっかりと対応していきたいというふうに思います。

積極的疫学調査について

(記者)
 積極的疫学調査の関係で、念のための確認ですけれども、学校とか企業とか団体は、それぞれ各団体に調査をお願いするということだと思いますが、これまでは、保健所が特定していたので、県がある程度、濃厚接触者の方の全体数を把握していたのかなと思うんですけれども、重点化した後は、各学校とか企業から、濃厚接触者はこういう方々ですというような結果の提出を県が受けて、ある程度把握するという方向なのか、その辺はいかがでしょうか。

(健康福祉部長)
 基本的には、企業や学校の方で濃厚接触者を特定していただきまして、この濃厚接触者の方につきましては、診療検査外来のリストも出ていますので、こういったところで(検査を)受けていただきたいとか、あるいは集団で検査する会社もありますので、そういったところをご紹介させていただいて、受けていただくようなかたちになります。
 もちろんプラス(陽性)になれば、医療機関からの届け出がありますので、その辺は把握ができるような仕組みになっております。

尾身新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の発言について

(記者)
 先ほど触れられていましたけれども、政府の分科会での尾身会長の「人流抑制から人数制限へ」という発言について、全国知事会の方々とか、一部の方では、外出自粛が必要ないのかというようなことで、発言自体の真意を捉えかねるような声も出ていたり、同じ分科会の釜萢先生なんかも、そういうことをおっしゃっていたり、あやふやな部分があるかなと思うんですけれども、知事ご自身は、尾身会長の発言についてどうお考えになっていますか。

(知事)
 尾身会長は、群馬県に非常にゆかりが深い方ですよね。沼田が自分の源流だとおっしゃっていて、釜萢先生は、日本医師会の常任理事もやっておられますけれども、高崎出身で、群馬県にとっては宝のような方だと思っていますが、一言で言うと、昨日報道見てたら、尾身会長が言ったことについて、釜萢先生がこれに対してちょっと違うことを言ったみたいに報じられたんですけれども、私の立場からすると、尾身会長が言っていることも、釜萢常任理事が言っていることも、両方正しいと思います。
 まず尾身会長が言っているのは「これからの対策の重点は、人流の抑制から人数の制限に移るべきだ」と。やはり今まで、我々はオミクロン株の急拡大に見舞われていますけれども、いろいろな知見を積み重ねてきたわけですよね。だからオミクロン株の特徴を捉えた対策、メリハリのついた対策にしようというのはよく分かるし、経済は生きていますから、社会は常に動いているので、そういう立場からいくと、やはり尾身会長は、もちろん人流抑制をしなくていいとは言っていないんです。重点を人数制限に移すべきというのは、やはりオミクロン株ということで、何でもかんでもすべて極端に制限してしまうという考え方から、少しオミクロン株の特徴も踏まえた方に進化させるべきだということだと思うんですね。
 もちろん大人数の宴会は、やめてもらなければいけないのは当然だと思うんですけれども、例えば、本当に必要な、少人数のリアルの会議も全部オンラインにするように、何でもかんでもやめてしまったら、本当に縮こまって何もできなくなってしまうし、社会の動きが止まってしまうと。こういう経済の流れの現実も見た上での、尾身会長の発言というのは的確だと私は思っています。
 ただ、あの発言だけ聞いたときに、確かに知事会の平井会長(鳥取県知事)がおっしゃったように、人流は制限しなくてもいいとか、例えば、人数さえ抑えていれば、どこに行っても、どこを出歩いても大丈夫みたいなニュアンスが伝わることを恐れて、釜萢先生が「基本はやはり接触を抑えないといけないんですよ」と言うことで、上手く釘を刺したということで、お二人の言っていることは両方正しいと思います。この二人の発言のバランスの中でやっていくということだと思います。
 そもそも、この会見で過去に記者さんからも聞かれたんだけど、対策自体に矛盾があるんですよね。
 政府の方針に基づいて、いつも会見でいろいろ対策を発表してきたけれども、外出自粛ってあるじゃないですか、不要不急の外出はしないでくれと、例えば買い物も週に2回にしてくれとか、食料品を買うとか治療以外は外出しないでくれって言ったわけですよね。
 外出自粛要請をしながら、飲食店に対して営業時間短縮をお願いして、協力金をお支払いしているということが矛盾してますよね。外に出るなと言いながら、こういう対策をしていることが矛盾しています。
 他には、私はぎりぎりまで、特に「県外から来ないでくれとは言えない」とずっと申し上げてきたんですよね。「それぞれの住んでいる地域の方針に合わせてください。もちろん十分注意してください。ただ、来ないでくださいとは言えない」と言いましたけれども、その時点では、外出自粛要請は出しているので、そもそも対策自体に矛盾があって、誰もそれについての明確な回答がないので、これは、いろいろな要素の中で、各知事がバランスを持って判断していくしかないんですよね。
 ただ、そういう意味で言うと、もう1回言いますが、尾身会長の言ったことも正しいし、釜萢先生のことも言ったことも正しいと。非常に難しい話ですが、知事としても、しっかり感染対策をやっていただいて、外出の自粛をお願いしていますから、そこはもう十分に注意していただきながら、しかし尾身先生のおっしゃるように、今までと同じように、一律に全部止めるみたいなことじゃなくて、オミクロン株の特徴も踏まえた対応をしてくださいという、両方のメッセージを出さなきゃいけないと。
 それが、感染対策を徹底しつつ経済を回すということなので、難しいですけれども、もともと曖昧なんです。だから、この中でバランスよく判断していくしかないというのは私の考えです。
 とても大事なことを聞いていただいて、ありがとうございます。

5歳から11歳の方へのワクチン接種について

(記者)
 今日、弊社はもう記事にしていますけれども、厚生労働省の専門部会の方で、5歳から11歳の方のファイザーワクチンの接種が、近日中に特例承認されるようです。
 もちろん今は、高齢者を中心に接種を当然優先して、6カ月の前倒しをやっていくと思うんですけれども、5歳から11歳の世代の接種も、感染予防という意味では、小学生も含まれますから大事になってくると思います。それに対して今現在、庁内で検討していることがありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 大久保新型コロナワクチン接種推進局長から、まず説明いただきたいと思います。

(新型コロナワクチン接種推進局長)
 5歳から11歳が接種予定のファイザー製ワクチンは、大人に使われているワクチンと全く別物のワクチンということで、案内がされているところです。
 今のところ、国のアナウンスについて、接種開始に関しては3月ごろというところで、スケジュール感は特に変更はございません。
 今、市町村さんと、子どものワクチン接種について、情報を市町村さんに出しながら、市町村さんでもスケジュールを組んでいただいているところです。
 いずれにしましても、非常に丁寧な対応が必要というところは、専門家も含めて一致しているところでございますので、接種については、市町村さんの個別接種を中心に、計画の組み立てを検討していただいているという状況でございます。

(知事)
 今ワクチン局長からお話があったんですけれども、丁寧な対応が必要だと思います。
 もちろんご両親のいろいろなお考えもあるし、だから、まさに個別接種中心に考えるということで、よく国の方針も見極めながらやりたいと思います。
 今、報道ベースで見たんですが、本当にこのままになるのかというのは、過去、少し方針が変わってきたということもあるので、もちろん、流れとしてはいいのかもしれませんけれども、本当のところを見極めながら、我々としても慎重に丁寧に対応していきたいと思います。

積極的疫学調査について

(記者)
 積極的疫学調査の関係なんですけれども、聞き漏らしてしまっていたら申し訳ないですが、これはいつからになりますか。

(知事)
 疫学調査の方針切替えの適用時期ですね

(健康福祉部長)
 本日からです。

(記者)
 学校や企業の濃厚接触者調査について、今後どうするかについてはホームページ上で示す方針だというふうに先ほどおっしゃっていたんですけれども、これも公開するのはいつごろを見込んでいらっしゃいますか。

(健康福祉部長)
 なるべく速やかに、これから企業さんですとか学校さんの方で、濃厚接触者を特定していただいて、そういった方については、こういったことをしてくださいとお示しさせていただくので、やはり速やかに公表させていただきたいと思っています。

まん延防止等重点措置について

(知事)
 他によろしいでしょうか。
 先ほど、記者さんからの質問について、1つ付け加えたいことがあるんですけれども、まん延防止等重点措置の効果については、いろいろな分析があって、本当にどこまで効果があるのかという議論もあると思うんですね。
 ただ、法律の立て付け上、こういうことになっているということは、前提としてあるということと、やはり少しでも効果があるとすれば、あらゆる手段をとっていかなければいけないという点から、今回は、例えば事業者の皆さまからすれば、やっと我慢に我慢を重ねて事業が再開できたのに、またかと。私も同じように思うんですね。
 そういうお気持ちがあることも十分に理解しながらも、今の群馬県の状況をみたら、あの時(まん延防止等重点措置を)申請しないという選択肢はなかったと思います。その後の流れを見ても、あの時の分析で、もう時間の問題だと思いましたので、これはある程度先手でああいうことをやらせていただいたということですが、ここからの流れで言うと、たぶん20都県以上のところがまん延防止を申請するという流れになりつつありますので、この枠組みの中でも、我々としてできる限りの対応をしながら、いろいろな政策とあわせて感染を抑えていくしかないと思います。
 事業者の皆さまの中にも、本当に、このまん延防止等重点措置を出して、飲食店の活動だけ制限して、本当にどれだけの効果があるのかという気持ちがあることも十分分かりますし、とにかく時短要請みたいな、いわゆる経済活動を制限するような措置はもうできるだけ取るべきではないということも、十二分に分かりますが、実は、今日も自民党の県議団執行部との、特に幹部との、予算要望の聴取の会がありましたが、その中でも金井(自民党)政調会長からあったんです。政調会として、いろいろな職域団体とお話をしたり地元の人と話をして、いろいろな意見を拾う中で、大勢はコロナをまず抑えて欲しいと。経済を回すことは大事だけれども、まずコロナを抑えて欲しいと。
 県民の中も、こういう方々が大部分です。8割ぐらいの方は、まずはいろいろな手を使って、経済を回す前にコロナを抑えてくれと、こういう声があることも、しっかり知事として踏まえて判断をしなければいけないということも、ぜひ県民の皆さまに分かっていただきたいと思っています。

建設業協会との意見交換会、直滑降ストリームについて

(知事)
 今日の会見はこれで終わりたいと思うんですが、2つだけ最後に申し上げたいと思いますけれども、今週17日の月曜日から、建設業協会各支部との意見交換会をやっております。
 来月初旬までかけて、知事である私が自ら県内12カ所すべての支部を回る予定にしています。
 今回の意見交換会は、県と建設業の未来を考える場として、私の方からお願いし、設定させていただきました。
 この意見交換を通じて、知事として改めて建設業協会の方々が、県民生活維持のために本当に頑張っていただいていることを再認識いたしましたので、感想だけ述べたいと思っています。
 これは建設業界に限らず、例えば医療関係者の方々はコロナ対策の最前線で、どれだけ頑張っていただいているかと、このことはしょっちゅう強調しているんですね。
 ただ、もちろんJAもそうですし、他の団体の皆さまもそれぞれの分野で、実はものすごく県民生活に貢献をしていただいているんですが、今回は、たまたまこうして建設業協会との意見交換会をやっているので申し上げてみると、建設関連の皆さまは、台風等の災害対応はもちろんのこと、様々な場面で、県の政策に大変ご協力いただいています。県民の生活を支えるためのいろんな協力をしていただいています。
 特に、豚熱です。5回発生しましたけれども、作業条件はたいへん過酷でした。殺処分については、何度も話しましたけれども、ほとんど全庁的に動員された県職員が、現場で豚の殺処分をやると。暑いときも寒いときもありましたが、できる限りの、例えば大きな扇風機入れるとか、暖房を入れるとか、あるいは暑さをしのぐプレハブを立てたり、いろいろなことをやっていますけれども、もちろん県職員はそういう過酷な中でやっているんですが、特に、豚の埋設処分は、細かくは言いませんけれども、これはかなり過酷な作業なんですね。
 こういう中で、建設業界の皆さまが、とにかく真夏でもかけつけてもらって、この過酷な埋設をやってくれたと。
 この防疫措置の加速化は、もちろん知事として当たり前だと思っていませんし、県民の皆さまにもあまり伝わっていないと思うので、そのことは、今日会見を通じて、県民の皆さまに改めて、建設業関係の皆さまがこうやって頑張っていただいていることはお伝えしたいと思います。
 それから、今また雪がとても降っているんですけれども、除雪作業、特に利根沼田とか私の故郷の吾妻とか、特に降雪量の多い県の北部地域は、大雪が降った時は、毎日24時間体制で取り組んでもらっていて、建設業の方々は、本当に朝早くから出て、凍結防止剤の散布作業もやっています。この間の、ニューイヤー駅伝のときも4時ぐらいに起きて、道路をチェックして、凍結の状況を調べたりしているということで、県民のために、あまり目立たないところで、すごく頑張っていただいていると。これは建設業界だけじゃなくて、もちろん医療関係団体もJAも、それから商工会議所もそうなんですけれども、こういうことを県民の皆さまにはぜひ知って欲しいということで、一言付け加えさせていただきました。
 県と建設業の未来について、群馬県でまとめたものをしっかりと説明すると、厳しい財政状況の中で財政の健全化を保ちつつ、公共事業をどうやっていくか、どうやって必要なインフラ整備とか公共事業にお金を割いていくか、これはどの地域についても大問題なので、こういうものを我々としてしっかり工夫していきたいと思いますし、誰も過去の知事でやった人はいませんけれども12カ所全部回って、直接意見交換をしていきたいと思っています。

 最後に、先日の直滑降ストリームでコシノジュンコさんと対談いたしました。本当に感銘を受けたのは、とにかくものすごくお元気なんですよね。コシノジュンコさんの生年月日はご存知の方もいると思うのでいちいち言いませんけども、本当にお元気でした。
 こういう時になぜ世界的なデザイナーと対談をしたのかというのは、基本的にコロナなんです。
 去年、コシノジュンコさんがコロナ禍で出した「大丈夫」という本があって、短い言葉なんですけども、この中に、コロナ禍だからこそみんなが考えなければいけない、そういう勇気の言霊がいっぱい詰まってるんですね。主にそういう話をさせていただいたんですが、その時にコシノジュンコさんから、男性はあまり服を持ってないけど、勝負服というのが必要だと(言われました)。そういうことで、このネクタイをコシノさんからいただいたんです。
 「何が大事なのか?」と言ったら、お世辞も含めて、知事はスリムなので、何でもお似合いだと思いますが、これお世辞だと思いますけど、「知事という立場とか、そういうものに拘らない自由な発想が必要なのよ」と言われまして、このネクタイをいただきましたので、コロナ禍ではありますけれども、コロナ禍だからこそ、ちょっと元気にやっていかなくてはいけないということで、今日はコシノジュンコさんのネクタイ、普通私はこういうネクタイを着けないんですけれども、今日こういうネクタイを着けたということだけはお知らせして、今日県議会でも「今日のネクタイどうしたんですか?」と言われたので、そのことだけちょっと申し上げて、長くなりましたが、この会見を終わりたいと思います。

知事メッセージ

 最後に、知事から改めて県民の皆さまにお願いをしたいと思います。
 前回の会見でも申し上げましたが、群馬県はまさに今、オミクロン株の渦中にあります。連日、過去最多を記録するということで、今日も640人以上の新規感染者が出ました。こういう状況下においては、やはり医療提供体制を逼迫させないということがものすごく大事になってきます。
 群馬県の病床使用率が高いと思う方もいらっしゃるかもしれません。ご心配をおかけしているかと思います。群馬県は10万人当たりの人口比でいくと、感染者数はだいたい全国で20位ぐらいなんですけども、他の県に比べて病床稼働率の上昇率が高いと。これは何度も申し上げているとおり、群馬県が本当に丁寧に対応してきたからなんです。我々はできる限り、自宅療養は避けて、陽性になった方は入院していただくか、それとも我々が確保した療養施設に入っていただくか、これで振り分けようと思って最大限の努力をしてきたために、実は入院率が高かったっということで、ここまで増えてくると、さすがにかなりのペースで40%半ばぐらいまで行ってしまったので、ここからは、入院の基準を他の県並みに、少し厳しくしていかなければいけないと。
 入院の基準は少し厳格に対応しながら、自宅療養は増えてくと思いますが、自宅療養の方々にも、いろいろな問題がないように、今日も武藤健康福祉部長の方からいろいろとご回答させていただきましたが、できる限り我々としてサポートをさせていただきながら、皆さまのご理解も得ながら、これ相当バランスを取っていかないと、どの都道府県でも同じだと思うんですけど、あっという間に医療提供体制が逼迫してしまうということで、この新しい県の方針については、ぜひ県民の皆さまにご理解をいただきたいと思います。
 今日も申し上げましたが、しばらくはこの状況を耐え抜くしかありません。我々もあらゆる知恵を使って、必要な予算は、今日も全会一致で県議会で通していただきましたが、必要な予算はしっかり確保して、県民の皆さまを守るために、知事が先頭に立って最大限の努力をしてまいりますので、そのところは、いつも申し上げますが、いろいろご心配をおかけしておりますけども、ご信頼をいただきたいと思っています。
 引き続き、明日からも、オミクロン株、まだピークが来てないので増え続けるかもしれませんが、冷静に対応していきたいと思います。
 皆さんと力を合わせて、何とかこの危機を乗り越えてまいりたいと思いますし、必ずこの危機は乗り越えられると、必ずどこかでピークアウトすると思っておりますので、引き続き、県の方針へのご協力、ご理解を重ねてお願いを申し上げます。
 これをもちまして今日の会見、記者の皆さんには今日も最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。そのことを申し上げ、今日の定例会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。

(以上で終了)
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。