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臨時記者会見:令和6年度当初予算案について(2月2日)

更新日:2024年2月2日 印刷ページ表示

■日時    令和6年2月2日(金曜日)午後2時00分~3時00分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等16人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和6年2月2日記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:1.66MB)


会見項目

■知事冒頭発言

 1.令和6年度当初予算案について

  重点施策1「県民の幸福度向上」
  重点施策2「新群馬の創造」
  重点施策3「群馬モデルの発信」
  重点施策4「財政の健全性の確保」

 2.令和6年度組織改正案

■質疑応答


知事冒頭発言

1.令和6年度当初予算案について

 それでは、令和6年度の当初予算案に関する記者会見を始めたいと思います。記者の皆さんには、昨日に引き続き、こうして今日もお集まりいただきありがとうございます。

 今年は元旦に北陸地方を巨大地震が襲いました。群馬県においても、元旦から鳥インフルエンザの対応に追われ、関係機関の協力を得ながら防疫措置に取り組んだところです。こうした異例の幕開けの中で、これまで相当の時間をかけて、令和6年度予算について真剣な議論を行ってまいりました。これまでも繰り返し申し上げていますが、私は群馬県の未来を決める予算編成を、知事の最も重要な職務だととらえています。群馬県が目指すべき大きな方向性を踏まえて、何が一番県民のためになるのか、何が一番群馬県の未来のためになるのか、県庁の各担当部局と熱のこもった議論を何度も交わしながら、予算案を練り上げました。その結果、山本県政2期目初めての当初予算としてふさわしい予算案を作ることができたと自負しています。本日はその内容について発表させていただきます。

 令和6年度の当初予算は名付けて、「幸福実感・新群馬実現予算」、副題として、「群馬モデルで未来を創る」です。

 これまで、新型コロナウイルス感染症対策を含めて、様々な自然災害のリスク、貧困等の問題から、県民の皆さんの命と健康、暮らしを守ってまいりました。こうした取り組みは、山本県政が掲げる「県民幸福度の向上」を推進する上で、言うまでもなく、最も大事なことだと考えています。

 一方で、群馬県のさらなる発展に向けて、「攻め」の姿勢も重要です。新群馬の創造に向けて、「リトリートの聖地」「クリエイティブの発信源」「レジリエンスの拠点」の取り組みは着実に実施していく必要があります。令和6年度予算は、まさしく、「攻」と「守」のバランスが取れた予算となっております。加えて、1期目にまいた種がようやく芽を出し始めて、「群馬モデル」という他県ではやっていない、世界最先端の地方行政モデルを数多く打ち出しております。こうした「群馬モデル」を発信していくことが、群馬県の未来を創る上で大変重要だと考えています。

 それでは予算の中身をご説明いたします。次のスライドをご覧ください。これが4つの重点施策に関するスライドです。令和6年度当初予算における重点施策、ご覧の4つになります。

 1つ目が「県民の幸福度向上」、2つ目が「新群馬の創造」、3つ目が「群馬モデルの発信」、4つ目が「財政の健全性の確保」です。それぞれ主な取り組みについてご説明したいと思います。記者の皆さんにはお手元に資料お配りしていますので、そちらもご覧いただきながらお聞きいただければと思います。

 

重点施策1「県民の幸福度向上」

 まず、重点施策1「県民の幸福度向上」についてです。「県民の幸福度向上」は、「誰一人取り残されない群馬」と「幸福度指標の引き上げ」の2つの柱に分けています。

 次のスライドをご覧ください。重点施策1のうち、「誰一人取り残されない群馬」に関するスライドはこれです。誰一人取り残さない社会を築いていく上で、未来を担う子どもたちへの教育が非常に重要だととらえています。そのため群馬県では、独自の特色ある教育として、非認知能力に着目した教育の実践に取り組みます。昨年11月、私がスコットランド教育庁を訪問した際に提案した共同研究など具体的な取り組みを開始いたします。また、障害のある子もない子も同じ場所でともに学ぶ「インクルーシブ教育」を進めていきたいと考えています。モデル校設置に向けた調査研究、そして保護者、学校現場、県民等への理解促進を図ってまいります。

 「こどもまんなか政策」としては、(ひとり親家庭における)養育費不払いへの対策を強化するほか、ケアリーバーと呼ばれる、児童養護施設等を退所した方々のアフターケア拠点を充実させていきます。

 次のスライドをご覧ください。女性支援では、困難な問題を抱える女性を支援するために、(保護施設退所後の)ケアにあたる心理士を派遣するなどの相談体制を強化いたします。

 多文化共生・共創としては、県立夜間学校「みらい共創中学校」を4月に開校し、群馬モデルといえるような夜間中学を目指してまいります。

 さらに、交通弱者にも配慮した未来の交通を実現するため、MaaSの社会実装を進めてまいります。「GunMaaS」を県内市町村へさらに拡大するための機能の拡充などを実施いたします。

 次のスライドをご覧ください。重点施策1のうちの「幸福度指標の引き上げ」に関するスライドです。群馬県が行っている県民幸福度アンケートによると、幸福感の判断に「健康状況」が非常に大きく影響しています。これはもう昨日の会見で発表させていただきました。こうしたことから群馬県としては、県民の健康面を支える医療提供体制の拡充に取り組んでまいります。昨年、新型コロナとの闘いには一定のピリオドを打たれましたが、いつ新たな感染症が発生するか分かりません。近いうちに、さらなる波に見舞われても不思議はないと考えています。そこで、次のパンデミックに備えて、来年度から、本格的に医療提供体制の整備とか人材育成に着手し、さらなる対応を進めてまいります。

 また、在宅医療や災害医療などの対応拠点となる「群馬メディカルセンター」整備を支援するほか、デジタルを活用した周産期医療体制の充実、それから遠隔医療の整備等に取り組んでまいります。医師確保対策についても、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思います。

 次のスライドをご覧ください。福祉施策のさらなる充実も重要です。群馬県の「子ども医療費無料化」は、高校生世代まで「自己負担なし」「窓口支払いなし」「所得制限なし」と、全国で、皆さんご存知だと思いますが、最も手厚い制度になっています。これを継続していきます。

 また、高齢者と若い世代との交流を促進し、高齢者の孤立を防ぐモデル事業にも取り組んでまいります。

 「健康寿命の延伸による幸福度向上」としては、県公式アプリの「G-WALK+」をより一層使ってもらって、県民主体の健康づくりをさらに進めたいと思います。加えて、特定健診データを分析して、効果的な施策を検討してまいります。また、高齢者向けの「ぐんまちょい得シニアパスポート」というものを、マイナンバーカードと連携させて利便性を高めていきたいと思っています。

 

重点施策2「新群馬の創造」

 続いて、重点施策2「新群馬の創造」についてご報告したいと思います。「新群馬の創造」は、群馬県が近未来構想で掲げる「リトリートの聖地」「クリエイティブの発信源」「レジリエンスの拠点」の実現に向けた施策を総称して、こういう呼び方をしています。 次のスライドをご覧ください。重点施策のうち「リトリートの聖地」に関するスライドです。群馬県には、温泉をはじめ、忙しい日常生活から離れて心と体をリセットできる豊かな自然があります。こうした魅力を最大限活用するために、「リトリートの聖地」を目標に掲げ、長期滞在型の観光を進めております。来年度もリトリートを推進するために、農畜産物やアクティビティなどの高付加価値のサービス体験を組み合わせた、群馬県ならではの旅行スタイルというものを提案してまいります。また、それに向けた各観光地の受け入れ環境整備を支援いたします。

 県立赤城公園の整備については、民間活力を活用しながら、キャンピングフィールドやランドステーションを整備し、令和7年度のオープンを目指してまいります。

 温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録は、次回の国内候補選定を目指してまいります。

 次のスライドをご覧ください。重点施策2のうち「クリエイティブの発信源」に関するスライドです。国と連携して、Gメッセ群馬にデジタル人材育成拠点「TUMOセンター」を新設いたします。また、「tsukurun」をサテライト展開することによって、デジタルクリエイティブ人材育成体制を強化してまいります。加えて、Gメッセ群馬をクリエイティブの拠点とするための基本構想の策定とか、スタジオ利用の実証、スタジオ機能強化のための改修設計などを行わせていただきます。

 映像産業とか人材を集積させるために、若手クリエーターの映像制作を支援するほか、新たに県内での映像制作費を補助し、大型作品の誘致に取り組んでまいります。

 次のスライドをご覧ください。重点施策2のうち「レジリエンスの拠点」に関するスライドです。元旦に発生した能登半島地震のように、大きな災害はいつどこで発生するか分かりません。「レジリエンスの拠点化」に向けて、民間が進める「命のコンテナプロジェクト」の取り組みや、新たな減災目標を定めるために、地震被害想定調査を12年ぶりに行いたいと思います。また、災害対応力向上のために、県庁舎内の危機管理センターの拡張整備、それから県内医療機関の機能強化を行いたいと思っています。さらに、激甚化する災害から県民の命と財産を守るため、引き続き水害対策とかですね、防災インフラの整備などに取り組んでまいります。

 公共事業の総額は、対前年比同額を確保しております。令和5年度の国の経済対策を活用した補正予算を含めた16カ月予算で見ると、前年度より約20億円増で、過去10年間で3番目に高い水準となっているということです。

 

重点施策3「群馬モデルの発信」

 続いて、重点施策3「群馬モデルの発信」について発表したいと思います。「群馬モデルの発信」は、「群馬モデルの追及」「県有施設の効果的な整備」「デジタルトランスフォーメーションとグリーンイノベーションの推進」の3つの柱に分けさせていただきました。

 次のスライドをご覧ください。重点施策3のうち「群馬モデルの追求」に関するスライドです。東京の真似でしかない「劣化東京」から脱却して、群馬県の強みを生かした独自の群馬モデルを発案・実行し、国内外に発信するという流れを、来年度はより加速させていきたいと思います。特に、胸襟を開いて、多様な人材や考え方を受け入れることで、群馬から新たなビジネスが次々と創出されるという流れを作りたいと考えています。こうした「全県リビングラボ構想」の実現に向けて、実証フィールドの発掘や発信、共創プロジェクトの創出に取り組む予算を付けました。

 それから、農業の持続的かつ安定的な発展のためには、化学肥料の使用を低減させ、有機農業を推進していくことが重要です。畜産業が盛んな群馬県の特徴を生かして、有機質肥料を普及させて、引き続き有機農業の普及、拡大を目指していきたいと思っています。

 ぐんまちゃんについては、活動30周年を記念した事業を実施するほか、海外向けのプロモーションを強化してまいります。

 次のスライドをご覧ください。重点施策3のうち「県有施設の効果的な整備」に関するスライドです。群馬県では、県有施設についても、官民の知恵を結集して、予算をしっかり投入することで、質の高い、県民の誇りとなるような施設に造り上げていくという方針を貫いてまいりました。予算額を見ると巨額の投資に見えますけども、実はですね、老朽化した現行のままで維持するよりも、中長期的に財政負担は少なくなりますし、かつ、にぎわいも作れるようになります。これはまさに、ワイズスペンディングの発想で行うということを強調しておきたいと思います。

 フラワーパークについては、令和7年4月のリニューアルオープンに向けて、改修工事や開園準備を進めてまいります。また、敷島公園の新水泳場については、民間のノウハウを活用するPFI方式で設計などに着手し、県産木材を活用した特徴ある施設を作ってまいります。さらに、令和7年4月の開校に向け、沼田高校と沼田女子高校を合わせた新高校の建設を進めてまいります。

 次のスライドをご覧ください。重点施策3のうち「デジタルトランスフォーメーションとグリーンイノベーションの推進」に関するスライドです。群馬県では、デジタルの力で地域課題を解決するため、あらゆる分野でデジタルトランスフォーメーションを進めています。群馬DXハイスクール事業では、ICTを活用した文理横断型の学びを強化するために、公立高校に対して、パソコンなどの必要な環境整備を行います。群馬県が誇るtsukurunや今後設置予定のTUMOセンター等の連携を視野に、教育のDXを進めてまいります。また、マイナ保険証を活用した電子処方せんの活用・普及促進に取り組んだり、市町村のDX化を推進するなど、DXの流れを加速化させてまいります。

 グリーンイノベーションについては、脱炭素に取り組もうとする市町村と企業とのマッチングを支援するとともに、太陽光発電設備や蓄電池導入への補助を行ってまいります。

 

重点施策4「財政の健全性の確保」

 続いて、重点施策4「財政の健全性の確保」について述べたいと思います。次のスライドをご覧ください。重点施策4「財政の健全性の確保」に関するスライドです。攻めの予算を編成する中でも、知事就任以来、ここでも何度もご報告をしてますが、財政の健全化には常に留意してまいりました。「基金残高の確保」「県債発行額の抑制」「県債残高の縮減」の3つのポイントについて説明したいと思います。

 その前にまずは、今回の予算案の総額等についてご説明したいと思います。令和6年度当初予算案は、総額7,816億円となります。前年度に比べて381億円の減少となっていますが、新型コロナ対策関係予算の減少を除いて前年度と比較すると、218億円の増加となっています。これは、新たな施策にも積極的に取り組んでいるためです。こうした中でも、財政の健全性の確保については、堅調な結果が出ています。順次詳しくご説明させてください。

 まずは、基金残高の確保です。スライドをご覧ください。財政調整基金は、気象災害が頻発・激甚化する中で、大規模災害の際にも十分な対応ができるよう、一定の基金残高を確保しておく必要があることは言うまでもありません。今回、令和6年度当初予算編成後の基金残高は、令和5年度の県税の増収等によって、前年度を上回る269億円を確保することができました。これはですね、平成10年以来最高額ということになります。グラフをご覧いただくと一目瞭然ですが、かつては、見てくださいこれ、かつては全額を、ほぼ全額を取り崩して当初予算を編成しておりました。緊急事態への備えが不十分だったと言わざるをえない、そういう状況だったわけですが、令和6年度当初予算編成においては、さらに改善することができたということです。

 続いて、「県債発行額の抑制」についてです。スライドをご覧ください。県債は、県民生活に直結する社会基盤整備のための財源であり、将来の世代にも公平に負担していただく観点から発行しています。ただし、残高が増えすぎれば将来県債の償還に予算が割かれてしまうということなので、その分県民サービスに使える予算が減ってしまうことも、常に留意しておく必要があります。そのため、後年度に過度の負担をすることのないように、県債発行額については適切にコントロールしていくという必要があります。こうした中で、令和6年度の県債の新規発行額については、臨時財政対策費の大幅な減によって、475億円となりました。これは過去30年で最小、最も少ない金額になります。

 続いて、「県債残高の縮減」についてです。次のスライドをご覧ください。県債の発行抑制によって、県債残高は令和5年度決算見込みと比べて全体で438億円減少させることができました。当初予算としては3年連続で全体の県債残高が減少したということになります。これはピークであった令和3年度と比べると984億円減少したということになります。

 以上が「財政の健全性の確保」についてです。山本県政では、県有施設のあり方とか、様々な事業についての見直し作業を積み重ねてまいりました。加えて、少ない投資でできるだけ大きな効果を生む事業の工夫とか、新規事業にはできるだけ国の財源を活用するとか、いわゆるワイズスペンディングを実践してまいりました。そして、知事によるトップセールスでも、県の取り組みを政府に後押ししてもらえるように精力的に働きかけてまいりました。令和6年度当初予算編成においても、限られた人的資源と財源を有効に活用するため、引き続きワイズスペンディングの視点や費用対効果の高い事業への事業見直しとか、民間リソース等の積極的な活用、自ら稼ぐという施策、デジタル化による事務の効率化を強力に進めることによって事業の見直しを引き続き図ってまいりました。こうした取り組みの結果、皆さんご覧いただいたように県債残高を減少させながらも基金を確保することができたと、こういう流れを作ることができたと思っています。群馬県としては今後も引き続き、財政の健全性の確保に努めてまいりたいと考えています。

 

2.令和6年度組織改正案

 最後に、組織改正案についても触れたいと思います。次のスライドをご覧ください。組織改正に関するスライドです。先ほど説明した予算を推進するため、令和6年度の新組織改正では、「県民の幸福度向上」と「新群馬の創造」に向けて、群馬の強みを生かした独自の「群馬モデル」を実行するための組織体制を整備いたします。

 主なポイントは2点です。1点目は「県民の幸福度向上」です。誰一人取り残さない社会の実現に向けて、こども政策及び医療・福祉政策の体制を強化いたします。

 こども政策では、生活こども部に政策推進室を新設し、(全庁的な)こども政策(推進)の司令塔とする他、こども・子育て支援課、私学・青少年課、児童福祉課を設置いたします。5課1室から6課3室に体制を再編・拡充いたします。そして、こどもまんなか推進監のもとで、新たな少子化対策及びこども・子育て施策の(企画立案を進め、こども政策の)充実を図ってまいります。

 医療・福祉政策については、新たに福祉局を設けたいと思います。地域福祉課も設置いたします。また、医療・福祉の両分野の連携を強化するために、医療・福祉連携推進室を設置いたします。これは健康福祉部の業務が非常に広範囲となってしまっていることから、医療と福祉を分けた上で連携を確保するという考え方に基づいています。

 2点目は、「新群馬の創造」です。群馬の強みを生かした群馬モデルとして、持続可能な農業を推進するため、農政部に有機・循環型農業推進室を設置いたします。また、生産品目別に課を再編して、米麦畜産課、野菜花き課及び蚕糸特産課を設置させていただきます。

 この他、「攻め」のメディアプロモーションとして、メディアプロモーション課に、ぐんまちゃん推進室を新設いたします。

 また、クリエイティブ拠点化のさらなる推進のため、eスポーツ・クリエイティブ推進課にクリエイティブ拠点化推進室を新設いたします。

 次に、県庁を縦割りではなくフラットな組織にするための方策についてもご説明したいと思います。次のスライドをご覧ください。県庁、言い換えれば役所というのは、部長、課長、係長という階層の中で、上位役職者の意思決定をもとに組織運営がなされるピラミッド型の組織が一般的なんですよね。こうした組織はもちろん責任の所在が明確になるというようなメリットもありますが、特に山本県政ではスピード感を持った行政運営が非常に重要だと考えています。そのため今回、これも先行的にですけれども、デジタルトランスフォーメーション戦略課と業務プロセス改革課を統合する中で、フラット型の組織というものを導入したいと思います。フラット型は組織としての意思決定のスピードも早まりますし、各職員にも一定の権限や責任が割り振られて、職員の主体性を持った働き方に繋がると私たちは考えています。これまでも県庁では、課の業務内容に応じてデスクをフリーアドレス化するとか、業務環境の向上というものを図ってまいりました。引き続き職員がそれぞれの強みを存分に発揮して、組織全体としての機能が上がるような、そういうレベルアップをしっかりと図ってまいりたいと考えています。

 以上が令和6年度当初予算案と組織改正案についてです。もちろん予算の成立には、県議会での議決が不可欠となります。この予算案を審議していただく令和6年度第1回の定例県議会については、2月15日の木曜日に招集を予定しています。県としても丁寧に説明をし、県議会の議決をいただけるように、しっかりと努力をしてまいりたいと考えています。長くなりましたが、私の方からは以上です。皆さんからご質問があればお聞きしたいと思います。

 

質疑応答

●令和6年度当初予算案について

(記者)

 来年度予算、たくさんの項目を発表いただきましたけれど、その中で、特に知事が思い入れのある、これが目玉だと考える項目を二、三挙げていただけないでしょうか。

 

(知事)

 まず総務部長からお話をいただいた後に私の感想を言いたいと思います。

 

(総務部長)

 知事の思いということなんですけれども、我々受け止めている思いとすると、1つはやはり教育のところで、OECDの非認知スキルを生かした教育をどう進めていくかということですとか、あるいはインクルーシブな教育ということで、その辺のところが1つ。それともう1つは、予算が始まるときにも、最初の記者の皆さんに公開して行ったヒアリングですけれども、クリエイティブの拠点化、あるいはクリエイティブ人材育成というところがあると思いますので、大きなものとするとその2つというのが1つ目玉かなと思っております。

 

(知事)

 私の感覚を足して言っていると思うんですけれども、今回特に思い入れがあるのはデジタルクリエイティブ人材の育成。デジタルクリエイティブ産業みたいなものを、やはり群馬県の主要産業にしていくと。その第一歩をしっかり今回踏み出すということだったんですよね。デジタルクリエイティブ人材を作ろうとしてるところはありませんから、ある意味これも新しい群馬モデルとしてしっかり発信していきたいと思います。

 あと教育という点で言うと、今総務部長からお話もありましたが、非認知能力については全国で初めてスコットランドと協力をしながら、この非認知能力の新しいモデルを作るという試みも始まりますので、ここら辺にもしっかり目配りをした予算を作ったということになると思います。

 それから、群馬モデルの発信ということで言うと、いよいよしっかりと中身が固まったらここで発表したいと思いますが、新しい、例えばPPAみたいな、水力発電を使った新しい群馬モデルみたいなものも打ち出してまいりますので、こういうことにもしっかり力を入れていきたいと思います。

 製造業なども大事にしながら、これから群馬県で新しい産業としてデジタルクリエイティブ産業みたいなものも、しっかり産業化していくと。同時に、群馬県をクリエイティブの発信源にするということで言うと、TUMOがいよいよスタートしますので、これtsukurunとしっかりと連携してもらうってことなんですが、同時にGメッセも改修していきますので、ここにいろいろクリエイターを呼び込んでいく、いろんな映画とかドラマもどんどん呼び込んでいく、あるいは群馬県からいろんなクリエイターが排出されるような状況を作っていくと。そういうことも、やはり重点として今回の予算をまとめました。

 それから最後に言うと、今日も強調させていただきましたが、やはり大事なことは健全な財政をしっかりと維持していくことだと思うんですよね。やはり今回の予算の最大のポイントは、未来に向けての投資はかなりやってきました。もう総務部長が言ったように、結構大型のプロジェクトもつけたんですけれども、これは宇留賀副知事から後で説明をしてもらいたいと思うんですけれど、相当大きな財政支出をしているんですけれども、ものすごくワイズスペンディングの工夫をしているので、中長期的には、むしろ財政負担を減らすような流れにできると我々は思っているような事業を積み上げてきたわけです。今回も財政調整基金を昨年よりも増やし、財政健全化というものをある程度、まだまだ半ばですけれど、道筋をつけた上で、大胆に予算を使えるところは使ったというところかなと思います。

 

(宇留賀副知事)

 今知事からお話がありましたが、少しフラワーパークのところを例にしながらワイズスペンディングの話をご紹介できればと思うんですけれども、今群馬でフラワーパークは年間2億円ぐらい(の費用で)県の方から指定管理という形で管理運営を委託しております。この2億円がリニューアル後はゼロになります。逆に収益納付という形で、収益の一定割合を群馬県にお返しいただくことになります。今まで2億円支出していたものが、むしろ収入としてプラスになるような形になります。例えば20年ぐらいで考えた場合は、40とか50(億円)という形で財政改善になります。なので今回40億円近くの初期投資はするんですけれども、実際には10年20年単位で見ると10億円単位で財政が改善していくということになります。何より、今よりも倍以上の方に来ていただけるように、群馬県の目玉になるようなそういうにぎわいにもしていくというところで、全国唯一のものになると思いますし、先ほどの劣化東京じゃない、英語で言えばBad東京にならないようなものを作りつつ、財政を再建していく、そういうようなものがワイズスペンディングとして(今回の予算案の)いろいろなところに散りばめられています。

 

(知事)

 もう1つだけ付け加えるとすると医療提供体制ですよね。やはり次のパンデミックに備えた体制を我々はここでしっかり整備していくということが大事だと思っているので、そういう分野の予算もしっかりつけました。

 

(記者)

 今フラワーパークのお話がありましたけれど、今回の予算で県立赤城公園の再整備も入りました。いわゆる赤城公園、赤城地域の整備が本格化するということだと思うんですけれど、この件に関する知事の意気込みを改めてお聞かせください。

 

(知事)

 赤城公園というか赤城山自体は、非常にポテンシャルがある観光資源だと思っているんですよね。これまで何度も県立赤城公園については、いろんなアイディアが出てきたんですけれども、ようやく今回スノーピークという素晴らしい企業に入っていただいて、本格的な開発事業が展開できるということで、これは予算を投入する価値が十分あると思います。宇留賀さんも長野県から来たんですけれど、赤城のあたりはやはり素晴らしいと言っていますし、いろんな友達に聞いてみたんですけど、赤城はもうちょっとブレイクできるんじゃないかという人も多いですし、今キャンプもすごく流行っているというそういう時流にも乗っているので、これは千載一遇のチャンスだと思っています。本当にスノーピークに本気で入ってきてもらっているので、これぜひしっかりと前橋市とも協力をしながら進めていきたいと思っています。

 

(宇留賀副知事)

 少し赤城の細かいところで補足させていただくと、この赤城山の開発についても、先ほどのフラワーパークと同じように巨額の投資はするんですけれども、基本的に財政的なリターンが得られるような仕掛けにしています。

 登山道の整備というのが全国的に課題になっていると思いますが、国が運営しているケースが多かったり、地方自治体で持っているケースも多く、そのために登山道が整備できていないというのがあると思います。

 この赤城山のところは、収益を得た分は登山道の整備に充てていく形にして、安心して登山を楽しんでいただけるという、公園をしっかりとしたビジネスとして活用することによって、自然環境の保全ですとか、登山道を整備するような形にして、そこににぎわいを作っていく、単に湖畔の周辺だけではなくて山全体にも元気を取り戻していき、自然を保護してくような、そういう仕掛けにしているので、こういったところをいろいろと工夫しております。

 

令和6年度組織改正案について

(記者)

 最後に細かい事ですが、ぐんまちゃん推進室というのは何人ぐらいの体制で発足するんですか。

 

(総務部長)

 この4月1日のスタート発足時には、8人の体制で発足する予定です。

 

●令和6年度当初予算案について

(記者)

 予算の総額の関係で、新型コロナの予算を抜くと、現行の会計制度になった2008年以降で最大規模になるということだと思います。知事は選挙直後から、選挙中もですけれど、攻めの4年間にしていきたいと仰っていましたので、それが体現されたような予算になっているのかなと受け止めているのですが、そこはいかがでしょうか。

 

(知事)

 まず総務部長から。

 

(総務部長)

 今ご質問のありましたように、確か平成20年に制度融資の会計を別会計にして以来、多分規模とすると、コロナを除いて、最大の規模の予算になっていると思います。

 

(知事)

 記者さんも、これもうすでにご存知だと思うんですけれど、(予算規模の総額が前年比で)4.6%減っていますけれども、コロナ関連の対応予算がないので、たぶん他の県も減るよね。

 

(総務部長)

 はい。

 

(知事)

 おそらく、そういう中では相当これは突っ込んだ、踏み込んだ予算だと思っています。正に攻めの予算を取り組めたんじゃないかと思っているんですよね。それで、さっきちょっと記者さんの質問のときにも言おうと思ったんですけれど、長すぎるから言わなかったんですけれど、要は、やはり今までいろんな県の事業、どこの自治体もそういう傾向あるんですけれど、県がやってなかなか収益が出ないものはもちろんあると思うんですよ、中には。いろいろ県が行う事業というのはサステイナブルにするということが基本だと思っていて、そういう点で言うと群馬県は本当にワイズスペンディングを徹底しているので、宇留賀さんが言ったように、例えばかなり大きな投資をフラワーパークにすることになりますけれども、そこは中長期的に見るとむしろ財政負担を減らすような形にしたいと思いますし、県庁のNETSUGENを作るときはいろいろ言われたんですけれど、相当国から予算を引っ張ってきて作ったんですが、稼働率は100%を超えていて、この間県議会議長が、「全然(予約が)取れないので会員を辞める」とか言っているぐらいなので、何とか思いとどまっていただきたいと思っているんですけれど、これも相当いい感じで収益が上がってきているので、ゆくゆくはこれをしっかりサステイナブルにできるようにしていきたいと思うんですよね。だから、今までの少なくとも県政にはなかった、英語で言うと「make ends meet」って言い方があるんだけど、ちゃんと帳じりを合わせたワイズスペンディングにするということがものすごく大事だと思っています。その精神のもとに、今回はかなり大型の予算を組んだと。さっき言ったように、相当大規模な事業への投資もありながら、財政調整基金は増やすと。そういう意味で言うと、かなり相当各部局と喧々諤々の議論がありましたけれど、かなり私は良い予算が組めたんじゃないかなと思います。

 

(記者)

 具体的な施策について、選挙中に掲げた政策集に書かれていたものがかなり盛り込まれていると思いますが、そこら辺を意識してやられたんでしょうか。

 

(知事)

 そうですね。そもそもだってその、この間も選挙で、おかげさまで、約8割の得票率で再選させていただいたんですけど、当然そこで公約というか、やるべき政策を掲げていますので、それを政治家としてしっかり実現してかなきゃいけないと。前回、1年前の選挙で掲げた公約というか政策を意識しながら、もちろんその考え方は予算に反映させています。

 

(記者)

 積極財政の中でも健全性を維持したということで、フラワーパークの話もされていましたけれども、健全性を維持するために苦労された点などを伺えればと思うんですが。

 

(知事)

 どうぞ。担当部から。

 

(総務部長)

 まず、県税収入がどれだけ確保できるかというのが、我々とすると一番心配なところでありました。ただ、それがおかげさまで、県民の皆さまにしっかり納めていただいてるということもありまして、県税収入が、令和4年度は過去最高になりまして、令和5年度も、それに匹敵するような額を確保できる見通しに今なっているということもありまして、歳入面で言うと、そういうところが一番苦労したというか、一番心配していたところなんでしたが、そこは何とか確保できたというのが一番かと思います。

 歳出面については、先ほど、知事や宇留賀副知事から話があったように、いろいろな事業の見直しとかワイズスペンディングということで、それはそういうことだと思いますので、歳入歳出両面から、そういうものが何とかできたということがこの基金残高に繋がっているのかなと思っています。

 

(知事)

 苦労したというか、各担当部局にはそれぞれの考え方があるので、記者さんもご存知だと思うんですけども、次々と各部局が出してくる事業について知事ヒアリングをやるわけですよね。ずっと、すべての会議に宇留賀さんと津久井さんに出てもらって、総務部長と財政課長にも全部出てもらって、何時間もやるわけですよね。担当部局が真剣勝負で上げてくるものを場合によっては削りますから、そういうところでいかに納得してもらえるかとか、いかにしっかり説得するとか、こういうところがやっぱり一番大変だったのかなと。

 本当はメディアの皆さんと県民の方々にこのプロセスを見てもらえば、なかなか全部見せるわけにいかないですが、これを見てもらえば、いかに県庁が頑張っているのか分かってもらえるのになといつも思うんですけど、例えば、担当幹部によっては、納得できないからもう1回やらせてくれとか言う人もいるので、そういう時はもう1回チャンスを与えて、また論破してみてくれみたいな形でやっているので、そういう意味で言うとですね、今日のこの予算案発表前の臨時庁議でも言ったんだけど、群馬県庁はすごく進化してきたなという感じがします。ちゃんと知事にも反論してくれる人がどんどん出てきているし、進化しているなと。よく分からないけど、他の都道府県は。群馬県庁ナンバーワン説というのを、まさに確信を持って感じた1カ月間だったかなと。とにかく、移動中まで総務部長が厳しくいろいろ協議してくるので、移動中の車もずっと会議なんでね、ひどい目に遭いましたけど、その分いい予算ができたのでよかったなと思ってます。

 

●令和6年度組織改正案について

(記者)

 組織改正の関係で、DX課を新設してフラット化するというお話ですけれども、県庁は伝統的に縦割り型の社会で、機能別の組織になっていると思いますが、フラット化することで、かなり自主的に組織が動き始めるというのを期待されていると思うんですが、一方で、スパン・オブ・コントロールじゃないですけど、DX推進監がどこまで統制できるのか、岡田推進監は優秀なのでできると思うのですけれども、そこは結構難しい課題かなと思うのですが、そこら辺はいかがでしょうか。

 

(知事)

 宇留賀さんどうぞ。

 

(宇留賀副知事)

 このフラット化のところは、いくつかまず効果があるかなと思っていて、この組織図を見ていただければと思いますが、リーダーと呼ばれる形で、実際に政策を立案したり判断したり、引っ張っていくのが、課長さんですとか、ここでは推進監、部長級になります。今の出世プロセスでいうと、50代半ばぐらいになってようやくリーダーシップをとっていくという形なのですけれども、企業の状況を見ても、20代・30代からどんどんチャンスを与えていくというところがあります。今回、DX推進監とすぐリーダーが話すというふうにしているのですけれども、(リーダーは)補佐級から主任級までというので、実際には50代から20代の方がリーダーになっていける形になり、非常に若いうちから、自分でリーダーシップを発揮するような機会が増えてくる。そういう形で職員の能力もさらに生かせると思いますし、能力アップにも繋がると思います。

 もう1つは、国家公務員で今起きている公務員離れというのがあって、40代50代になるまでずっと年功序列を待っていなくてはいけないというところがあるけれども、20代ぐらいがどんどん活躍できるようになると、行政の仕事というのは非常に面白いところがありますし、その醍醐味をより感じてもらえて、公務員人気にも繋がるかなと思っています。

 一方で、今、記者さんから指摘されているように、統制みたいなところをどうするかというのがあるんですけれども、この図には書いていませんが、DX推進監を補佐するという形で、課長級の職員や次長級の職員がマネジメントの部分、リーダーシップという新しく政策を作るところだけじゃなくて、マネジメントのところはDX推進監を補佐する体制を作っています。そこでしっかりマネジメントのケアをする一方で、リーダーシップでどんどん攻める形をやっていくというふうにしてます。

 特に、このデジタルのところでこういう新しいフラットな組織がいいかなと思うのは、年度の途中からどんどん政策課題が変わっていくところがDXにはあって、この4~5年ぐらいの間でも、もともとは県庁をDX化していこうというような話をしていたのですけれども、産業のDXが必要だということにコロナで気付いたり、今は、市町村のDXもサポートしなくてはいけないという形になってきて、業務が大きく変わってくるので、当初想定していたような課題に対応するのは、しっかり守備陣形を引いた形が非常にいいのですが、政策課題が変わるところに、柔軟に年度の途中からチームをどんどん変えていけるような組織がいいかなということで、こういう形にさせていただいています。

 

(記者)

 リーダーとそこにぶら下がるメンバーは、1つのプロジェクトチームみたいなイメージでしょうか。

 

(宇留賀副知事)

 イメージはそうです。プロジェクトチームで、複数のチームに入っている方もいるし、Aチームのリーダーをやっている方が、他のチームではメンバーという、そういうようなケースも出てくると思います。

 

(知事)

 組織の改編はそんな簡単じゃないので、宇留賀さんが今言ったんですけど、これ相当画期的な試みなんですよ。だから、今日の予算案の説明と一緒に説明したんだけど、まずはここでしっかりやってみるということで、しっかり実験してみて、いっぺんに全部こういうふうにはできないけど、まずはこういう組織を作ってやってみるということなんですよね。

 かつて、私が国会議員をやっていた頃、若手議員の頃、小寺知事がね、一気に部長をなくして理事とか作っていたんですけど、その時の人たちはみんな混乱したんだって。理事って何なんだとか言って。その後、冬のソナタがはやって、その中で韓国の会社が理事って使っていたので、すごく覚えているんだけど。理事とはまた違うコンセプトなんだけど、組織というのはそう簡単じゃないから、こういう先進的なことをしっかりとDXでやってもらって、これがうまくいけば、また横展開ができるんじゃないかなと思っています。

 それから、やっぱりフラット化というのは山本県政のキーワードでね、そんなに簡単にはいかないんだけど、日本の組織ってだいたいこうじゃないですか。記者さんのところもそうですよ、きっと。デスクがいて部長がいて。だから、県では今、まず形からだけど、もう「部長」と呼ばないで、できるだけ「さん」でいきましょうと。さすがに「一太さん」とは知事なんで言いにくいかもしれないけど、私は「宇留賀さん」「津久井さん」なので、総務部長も「津久井さん」だし、だからだんだん「部長」とかやめて「さん」付けから始めると。ただの形かと言われるかもしれませんけど、そこからなんでね。役割分担は違っても、別に人間として上下があるわけじゃないじゃないですか。できるだけ風通しの良い組織にするために、群馬県庁はできるだけもう「さん付け」にしたいなというのも、フラット化の中にそういう思いも実は込められてるということもちょっと話しておきたいと思います。

 

(記者)

 先ほど組織のフラット化というところがありました。非常に先進的だというところの話もありましたが、他の都道府県と比べてこういう組織で進めているところがあるのかというところで、ちょっと教えていただければと思うんですが。

 

(知事)

 もし情報があれば。

 

(総務部長)

 他の都道府県で、今回の群馬と同じような(事例)というのがあるかどうかというのはちょっと把握できていないです、すみません・・・担当係長は(そういった事例は)ないと(言っています)。

 

((総)総務課組織係長)

 組織の形としてはおそらくあると思うんですけれど、例えば若手がプロジェクトリーダーを務めて業務を進めているというのはおそらく初めてじゃないかなと。ただ、各都道府県によって事情が違うので、そこまで調べていないので、群馬モデルということでご承知いただければと思います。よろしくお願いします。

 

(記者)

 ないみたいな感じなんですかね。ないということで、宇留賀さんがそうおっしゃっていました。イメージとすると、例えば名刺とかも、課長とかではなくリーダーというふうに書かれるイメージでしょうか。

 

(宇留賀副知事)

 はい。

 

(記者)

 知事から(予算に対する)話をしていただきましたけれども、(予算案については)いろいろな部分に、いろいろな内容に分かれています。なので、ちょっとこのタイトルに込めた思いとか、今回の予算は昨年と比べてどうだとか、改めて知事の思いをいただければと思います。

 

(知事)

 これはもう少し過激なやつとかいろいろあったんですが、一番おとなしいというか、分かりやすいようにしました。「幸福実感」と書いてあるのは、2期目を始めるにあたって、やっぱり県民の幸福度向上という原点に返るということで、改めて、今回はその「幸福度の向上」というところに、しっかりまた焦点を当てているということです。「新群馬実現」というのは、「新群馬の創造」というのも1つの柱に掲げたんですけれど、やはり群馬県が掲げている3つの近未来構想をしっかりやっていくということで、これが入っていると。その中で、やはりどういう手法でやっているかというのはこの群馬モデルで・・・これだから4つの柱をうまく入れたという感じですね。だから、全体で今の予算(の内容)を大体カバーした最もおとなしい言い方かなと。もっとすごいやつもあったんですが、攻防一体予算とか・・・あまり激しいやつにしない方がいいかなと思って・・・

 

(記者)

 知事のコメントとして、そういう熱い思いのところをもう少し聞ければと思うんですけれども。攻守のバランスがとれた予算というような表現を冒頭されたんですけれども、去年の会見と見比べた時に、どうしてもコロナもあって、守りが強かったというようなお話をされていたと記憶しています。また、知事選では攻めていくというような話もしてました。そこを踏まえて、また予算についての思いを聞かせてください。

 

(知事)

 そうですね、コロナとの闘いが完全に収束したのかというのはともかく、きちんと一区切りがついて、今新しい世界に突入したわけですよね。この過去4年間はもう何度も記者さんの取材も受けて、その時にも申し上げましたけれども、コロナがあったので、どうしても守りの予算、守りの姿勢が強かったと。今回はだから、まさに攻めに戻って、幸福度向上というまさに最初のスローガンに立ち戻って、本当にやろうと思っていたことをどんどん実現していくという予算にしたいと思っていますので、ここから相当群馬県の考え方というのは研ぎ澄まされて、発信されることになると思うんですよ。その大きな1つが、群馬モデルとワイズスペンディングで、この2つのコンセプトで劣化東京を作らないという哲学のもとに、新しい事業をどんどん進めていって、群馬県をまさにフロントランナーにしていくと。何度も言いましたけれど、今までは周りの状況を見ながら、1歩(前に)行こうと思ったら、1歩下がるみたいな群馬県で、どんな指標も全部全国の中位で冴えない感じだったんですが、そうではなくて、新しい考えをどんどん取り入れて、そして1歩先を見て、時代の最先端をいくような群馬県にしようということで、それは記者さんに頑張っていただいて群馬テレビもそういうふうにしていただければいいと思うんですけれど、そういう思いを込めて今回の予算を作ったということです。

 

(記者)

 今、説明を伺ってて、攻守でバランスを取れたという話がありました。「攻」の方は大変よく分かったんですが、「守」の方でこういうところが大変だったみたいな話があれば教えてください。

 

(知事)

 「守」の方の一番代表的なところは、総務部長からもう少し具体的なことがあれば言ってもらいますけれど、やはり次のパンデミックに備えた体制づくりですよね。これはちゃんと予算を付けました。なぜかというと次のパンデミックが起こったときには、我々はこれまでの3年間の闘いの中でいろいろな教訓を得ていますから、例えば医師の確保とか、あるいは病床の確保とか、こういうことがちゃんとできるようにしていかなければいけないということで、そこはまさに「守」の中心になってくる・・・つまり、新しいパンデミックがどこかでまた来るかもしれないし、新しいウイルスというのは必ず出てくるので、その時に今まで以上にしっかりと対応して、県民の皆さんの命と健康を守るような体制を迅速に立ち上げられるような、そういう仕組みを今から作ろうと。ここがおそらく「守」の中では最も代表的な部分かなと思います。

 

(総務部長)

 今知事が申し上げたとおりだと思いますけれども、医療提供体制の整備ですとか、災害レジリエンスの拠点ということで、例えば被害想定調査を実施して、今後の災害対策を立てていくというようなところが、攻守でいえば「守」ということになるのかなと思っております。

 

(知事)

 今日は臨時会見ということなので、いつもの県民の皆さんへのメッセージは省きますけれども、この会見も、私が1年でやる会見の中で最も大事な会見の1つだと思いますので、今日も大勢の記者の皆さんに聞いていただけたのは本当によかったと思っています。何度も申し上げますが、基本的にやはりメディアの皆さんは、国民の声や県民の声をバックに行政をチェックするというところなので、皆さんのいろんな指摘を受けて、我々はいろいろまた施策を改善できるというところもありますので、引き続き、この予算についてもいろいろな形で質問していただいて、いろいろな形で群馬県の方にもいろんな知恵とかアイデアとか、あるいは刺激を与えていただければありがたいなと思っております。ということで、記者会見が2日続いて本当に申し訳なかったのですが、一番大事な予算なので、ぜひしっかりと書いていただくようにお願いを申し上げて、臨時会見を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

 

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。