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■日時 令和7年7月24日(木曜日)14時03分~15時35分
■会場 記者会見室
■出席者 県:知事、副知事ほか
記者:記者クラブ所属記者等15人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
20250724山本一太群馬県知事定例記者会見<外部リンク>
■知事冒頭発言
それでは定例会見を始めたいと思います。昨日の23日の水曜日、石破総理が、米国関税について日米間の合意が成立したと、このように発表されました。日本への相互関税は、当初アメリカが示していた25%から、15%に下がったということで、自動車と自動車部品への関税についても、27.5%から15%に下がったとの発表でした。心配していたコメについても、外国産米を無関税で輸入する、年間約77万トンの枠、いわゆるミニマムアクセス米を変えずに、その内のアメリカからの輸入割合を増やすと、こういうことで合意したと伺っております。日本とアメリカの関税交渉で合意を得られたと。これは赤澤大臣をはじめとした日本政府の粘り強い交渉の結果だと捉えています。しかしながら、今回合意した内容であっても、群馬県内の製造業や県民の皆さんに影響が生じるということは避けられません。群馬県としては、引き続き情報収集を行って、県内経済等への影響を見極め、対策を検討する必要があると考えております。今後も国や市町村、経済団体、支援機関などと連携して、対策を進めてまいります。
それでは会見の中身に移ります。スライドをご覧ください。今日の会見の主な項目です。本日は「TUMO Gunma夏休み体験会」それから、「ぐんまちゃんブランド化の状況」、それから「こどもの居場所づくり・体験創出モデル事業」、こうしたことについて発表させていただきます。
まず、「TUMO Gunma」についてです。群馬県では、近未来構想の1つとして、「クリエイティブの発信源」を掲げ、デジタルクリエイティブ人材の育成に取り組んでまいりました。スライドをご覧ください。先週末の19日の土曜日に、ついにアルメニア発祥の中高生向けデジタルクリエイティブ人材育成施設「TUMO Gunma」を高崎市のGメッセ群馬にオープンすることができました。無事にオープンできたことを知事として大変嬉しく思います。オープン初日の19日には、アルメニアから来日したTUMO本部のスタッフによるトークイベントを開催いたしました。トークイベントには、中高生とその保護者も含めて、多くの皆さんにご参加いただきました。TUMO本部のスタッフからは、「TUMOはデジタル技術だけではなくて、人間性も成長させることができる」と、こんなお話をいただきました。現在TUMO Gunmaに登録いただいた中高生は300人を超えています。中には県外からわざわざ片道3時間かけて通う子どももおります。登録いただいた方々からは、「県内で最先端技術が学べて嬉しい」とか、「TUMOのプログラムは非常に面白い」と、こうした声も寄せられております。TUMO本部からは、世界の主要都市にある他の拠点と比べても、好調なスタートだと評価をいただいています。TUMO Gunmaの詳細は、スライド記載のこのQRコードからご覧いただきたいと思います。TUMOのプログラム履修には、週2回通っていただく必要があります。土曜日と日曜日の組み合わせについては登録が順調で、正式にプログラムをスタートすることができました。一方で、平日が含まれる組み合わせの方は、利用者枠にまだ余裕がある状況です。今後登録を増やして、順次正式開始につなげていきたいと考えています。そこで、ぜひ多くの中高生に利用していただけるように、この夏休み期間中に体験会を拡充して実施することといたしました。そのお知らせをしたいと思います。スライドをご覧ください。
体験会について3点拡充いたします。まず1つ目として、土日を中心に行ってきた体験会を休館日である火曜日を除いて、開館日は毎日実施いたします。中高生の中には部活動とか習い事などで、既に夏休みの予定が埋まってきている方々もいると思います。そこで閉館日以外は毎日体験会を実施することで、1人でも多くの中高生の皆さんにTUMOに来ていただけるようにしたいと思います。2つ目に、近隣の中学、高校と連携して、学校単位での団体体験会というものを実施いたします。これまで東京農大二高の中等部には、全校生徒を対象に体験会を実施しております。こうした体験会の開催を、高崎市内を中心とした各学校に働きかけていきたいと思います。3つ目、Gメッセ群馬から離れた距離にある北毛とか東毛地域などの県立高校の生徒を対象に、送迎バスを運行して体験会を行いたいと思います。体験会の詳細申し込みは、これもスライド記載のQRコードからご覧いただきたいと思います。国際的に評価の高いTUMOのプログラムを体験できる貴重な機会になります。こうした体験会を通じて、ぜひ多くの中高生にこのTUMO Gunmaを利用していただいて、TUMOの魅力に触れていただきたいなと思っています。TUMOについてはここまでです。
続いて、ぐんまちゃんのブランド化の状況についてご報告をいたします。群馬県ではマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」のIPコンテンツ化を視野に、SNSとかCMでの発信を通じて、ぐんまちゃんのブランド化を進めてまいりました。ブランド化の効果測定には、「デザイン利用商品の売り上げ」、「認知度」、「好感度」、この3つを指標に設定して、毎年進捗を確認しております。このたび令和6年度の結果がまとまりましたので、報告したいと思います。デザインの利用商品売り上げは、624億円ということで大幅な増加、認知度は49%に増加、好感度は横ばいと、こんな結果になりました。デザイン利用商品の売り上げと認知度は、これはいずれも過去最高を記録しております。これまでのぐんまちゃんの魅力発信の効果は着々と出てきております。この点、知事として大変嬉しく思っています。
それでは、各指標の詳細についてご説明したいと思います。次のスライドをご覧ください。まず、デザインの利用商品の売り上げについてです。デザイン利用商品の売り上げは、ぐんまちゃんのデザインを利用した商品の売り上げを調査し、群馬県独自に測定をしたものです。令和6年は、前年の432億円から192億円増加して、624億円となる大幅な増加を達成いたしました。令和9年の830億円の中期目標に向けて、各年100億円の増加を目指しておりましたが、それをもう大きく上回る結果となりました。令和7年の目標値を1年前倒しで概ね達成したということになります。私が知事に就任した直後から、ぐんまちゃんのブランド化に着手してまいりましたが、その結果、売り上げは令和元年から倍以上となりました。だから、ここ(令和元年度)の半分ぐらいが知事なんで、ずっとここまで来て、2倍以上となりました。この増加の主な原因は、ぐんまちゃんを活用した農産物などの食品関係の売り上げが伸びたこと。また、これまでのぐんまちゃんの取り組みによる認知度向上に伴って、ぐんまちゃんを商品パッケージなどに活用する企業が増えたことですね。それからまた、加えて言うと、ぐんまちゃんを活用した商品の売り上げの一部を群馬県に寄付する「こども支援プロジェクト」に賛同する企業が増えたこと。こんなことが挙げられると思います。次のスライドをご覧ください。
続いて認知度です。認知度は、株式会社日本リサーチセンターが毎年行う「NRC全国キャラクター調査」で、「この中で知っているキャラクターはありますか」という設問において、ぐんまちゃんにチェックを入れていただいた比率を測定しています。今年は前年の43%から49%に増加いたしました。世代別・性別の認知度を見たところ、特に女性で認知度が高いという傾向が見られました。次のスライドをご覧ください。世代別・性別の伸び率については、特に40代から50代の男性、30代から40代の女性の認知度が向上していました。またNRCの全国キャラクター調査で測定しきれない低年齢層についても把握するため、群馬県独自に1,300サンプル以上で調査を行いました。その結果、園児から小学生、それから、中学生から19歳以下の認知度も高いということが分かりました。こういったことから、主に子育て世代を中心に認知度が伸びているということが分かります。これまでアニメぐんまちゃんとかYouTubeチャンネル「劇団ぐんまちゃん」の配信、劇団ぐんまちゃんコンサートの実施、加えてぐんまちゃんが県内外の幼稚園を訪問するなどの活動を積み重ねてまいりました。こうした活動の積み重ねが、子育て世代の認知度向上につながったと分析しています。次のスライドをご覧ください。
最後に好感度です。好感度は認知度と同様に、「NRC全国キャラクター調査」で、「この中で好きなキャラクターはありますか」という設問においてぐんまちゃんにチェックを入れていただいた比率を測定しています。今年は前年の8%から7%、横ばいでした。認知度と比べて好感度を上げていくのは、やっぱり時間がかかります。これを踏まえて、引き続きぐんまちゃんの魅力が伝わるような取り組みを進めてまいりたいと思います。一方で、世代別・地域別に分析すると、30代女性では13%、関東・甲信地域では10%と、こういう結果となりました。
以上が令和6年度のぐんまちゃんブランド化の状況です。今回ぐんまちゃんが女性の間の認知度が高い、また子育て世代を中心に男女での認知度が増加しているというようなことが判明いたしました。また認知度に加えて、好感度も向上させる取り組みが必要だと、この結果からそんなことを感じています。今後、ぐんまちゃんに関する様々な取り組みを進めていく上で、今回の調査の結果もしっかり生かしてまいりたいと考えています。群馬県としては、ぐんまちゃんのブランド力の向上によって、県民のプライドの醸成を図り、これをまた県民の幸福度向上につなげていきたいと思います。
最後に、「こどもの居場所づくり・体験創出モデル事業」について報告します。スライドをご覧ください。この度、群馬県では、プロスポーツチームと連携して、こどもの居場所の1つである放課後児童クラブを利用するこどもたちに、新たな体験を提供するモデル事業を開始いたします。放課後児童クラブ、いわゆる学童保育は、共働きなどで昼間に保護者がいない小学生を対象に、放課後とか長期休業中に預かって、遊びや生活の場を提供しております。市町村が主体となって、運営は直営のほか、社会福祉法人とかNPOが運営しています。現在、群馬県内には約570のクラブがあります。学校が夏休みを迎えた今、こどもたちは放課後児童クラブで通常よりも長い時間を過ごすことになります。こうした時間を生かして、こどもたちが日頃体験できない活動に取り組むことは、こどもの豊かな成長につながると考えています。そこで今回、プロスポーツチームと連携した新たなモデル事業を開始することといたしました。連携するのは、プロバレーボールチームの群馬グリーンウイングスと、プロバスケットボールチームの群馬クレインサンダーズです。この事業では、夏休み期間中、プロ選手やコーチが放課後児童クラブ訪れてスポーツ教室を実施いたします。実施する市町村は、桐生市、川場村、板倉町の3市町村ということになります。対象となる放課後児童クラブは、桐生市が3カ所、川場村と板倉町がそれぞれ1カ所の計5カ所となります。対象のクラブに通うこどもたちに、7月30日から8月20日までの期間中に、合計6回のスポーツ教室を開催いたします。来年度以降の実施については、今回の取り組みの成果とか、いただいたご意見を踏まえて検討させていただきます。群馬県としては、今回の取り組みを通じて、放課後児童クラブでの活動の幅が広がって、これがまたこどもたちの豊かな成長につながるということを期待しております。
私からは以上です。何か皆さんからあれば、ご質問を受けたいと思います。
●ぐんまちゃんブランド化の状況について
(記者)
まず案件内からで、ぐんまちゃんの人気度調査ですけれども、まず県が独自に食品関係の商品の売り上げを調査されたということがありましたが、これ具体的に、もうちょっと試算の仕方とかを教えてください。
(知事)
担当の知事戦略部長から。
(知事戦略部長)
県の方の、このデザイン利用売上の把握の方法という形でよろしいでしょうか。
(記者)
はい。
(知事戦略部長)
これでございますが、ぐんまちゃん関連グッズの売り上げのことでございまして、ぐんまちゃんのこのデザインを利用してくださっている方に年1回、調査の方にご協力をいただいております。この調査の方はメールで調査を行っておりまして、この調査自体は任意回答という形で、全対象者のうち、協力を得られた数字、回答率49%、この数字をまとめたものが今回の数字ということになります。ただしかなり大きなところと言うんでしょうか、例えばJAさんとかですね、個別企業名はちょっとあまり避けたいものですから、ただ誰もが知っている大きな企業ですかね、そちらのところは全部回答いただいているので、基本的には我々としては、かなりこの実態に近い数字を発表できているかなと思っております。
(記者)
依頼した数は何カ所・・・
(知事戦略部長)
そちらでございますが、すみません、そちらの数字の方につきましては、ちょっと細かい点をちょっとお出ししないことになっているんですね。もし全体の数のところをご希望でしたら、すみませんけど、そこはまた(ぐんまちゃん推進)室の方にちょっと個別にお尋ねいただければと思います。
※記者会見中に調査した結果、以下のとおり回答
(知事戦略部長)
先ほど回答率49%のところを、すぐにご回答できなくて申し訳ございませんでした。調査対象事業者数が1,123件、それから回答数が551件、それで回答率が49%ということでございます。個別の企業名さんと、個別の売上額の方については公開しないというお約束、公表しないということでご協力いただいていますので、よろしくお願います。
●桐生市の新庁舎建設を巡る入札妨害事件について
(記者)
次に案件外で知事に伺いますが、参院選のお話の前にですね、先ほど埼玉県警と群馬県警の合同捜査本部が、前桐生市副市長の森山享大容疑者と、群馬県議の相沢崇文容疑者を収賄の容疑や官製談合防止法違反の容疑で逮捕しました。まず、知事の率直な受け止めを伺えればと思います。
(知事)
そのニュースは先ほど私も速報で見ました。正確に言うとあれですよね、桐生の副市長が逮捕され、相沢県議が再逮捕されたと、こういうことだと思うんですよね。この桐生の副市長が逮捕されると、こういう事態は想定しておりました。時間の問題かなと思ったんですけれども、やっぱりという感じです。何度も言うように、こうやって群馬県で、こういう官製談合、いわゆる汚職事件が次々と起こると。この3年見ただけでも、県都である前橋の副市長が逮捕され、そして藤岡の副市長が逮捕され、さらに今回、桐生市の副市長が逮捕されるということで、いずれもみんな現職ですから、もうほとんどその直前に辞めた人がいますけれども、基本的に現職ですから、これ非常にゆゆしき事態だと思いますし、やはりこれはですね、群馬県の中に非常に古い利権構造みたいなものが残っているという証拠だと思います。いつも言っているとおり、これは県で起こったわけじゃありませんけれども、決して我々はこれを他人事とは思わず、しっかり襟を正していきたいと思いますし、先般の庁議でも、ブログにちょっと書いたんですが、幹部の皆さんに、改めて綱紀の粛正を求めました。個々の行動を制約したりとか、注文つけるつもりはないけど、それぞれ自覚を持って、やっぱり十分に行動には注意してもらいたいということも呼びかけました。いずれにせよ、これはもうあってはならないということだと思います。
(記者)
分かりました。先ほど知事が森山前副市長の逮捕については、時間の問題じゃないかと、やっぱりだとおっしゃっていましたが、どういうところからそのようにお考えでしょうか。
(知事)
それはだってあれですよ、ずっと任意の事情聴取を受けているわけでしょう。しかも議会にもずっと出てこられないわけでしょう。こんなに長い間、議会にも出てこられないというのは、かなり長い時間、いろんな形で取調べを受けているってことなので、今の流れからいくと、私の感覚ですけど、今だから言いますが、これはやっぱり時間の問題だったんじゃないかなと思っていたので、やっぱりということで、衝撃というか、落胆というか、残念ではありますけれども、こういう流れだったんだろうなとは思います。
(記者)
ちなみに相沢県議については、現在も県議の職に就いていると思うんですが、この事実について、知事はどのようにお考えでしょうか。
(知事)
これは、県議を続けるか辞めるかみたいな話というのは、相沢さんご自身がお決めになることだと、政治家の進退ってそういうものだと思うんですけれども、県議会の方でも、裁判の行方を見て、場合によっては歳費を、そのままずっと支払われているわけですよね。それをなんか、よく分からないけど条例か何か作って止めるみたいな話があると思うんですが、それも、県議会の方がご判断することじゃないでしょうか。ただ1つだけ申し上げたいのは、いつも何度もここで言っているようにね、一般の県民は口には出さなくても、とっても怒っていますから、やっぱりその、何か問題が起こったときに、その責任を受けてしっかりした対応をするってことはやられた方がいいんじゃないかなと。そうじゃないと、これはかなり将来に私は禍根を残すと思っています。そういう個人的な意見だけはちょっと申し上げておきたいと思います。
●参議院議員選挙について
(記者)
続いて参院選ですけれども、20日投開票の参院選で自民党の清水真人さんが再選を果たしました。一方で清水さんは、次点の参政党の候補者に約3万票近くまで迫られたという状況がありますけれども、今回の参院選の受け止めを教えてください。
(知事)
いろいろ思うところがあるので、どこまで話せるか分かりませんが、少しきちんとお話をさせていただこうと思うんですね。まずですね、全体として言うと、全国そうかもしれませんけど、群馬県でも、新興勢力である参政党のブームが起こったということは間違いないと思うんですよね。ただ、そのブームが、いわゆる熱狂みたいなレベルにはいっていないと思っています。つまり無党派の人たちは、当然、この参政党の主張とか参政党の候補者を支持したんですけれども、夢中になるところまでは行っていないんじゃないかなと。それから、無党派の既存の政治、特に自民党に対する怒り、これも相当な強い不快感は示したんですが、本当に怒るところまでいかなかったというのが私の分析です。なぜかと言うと、今やその最大勢力というのは無党派層なんでね。その無党派層が本当に何かに怒って、本気で動いた時には、いかなる組織もなす術がないんです。それは、民主党による政権交代が起きた時に、全国の仲間の応援に飛び回って感じたんですけど、本当にその、組織のしっかりしている仲間も次々と落選の憂き目を見たんですよね。その時に思ったんですが、無党派が本当に動いた時は、組織はなす術がありません。そこまではいかなかったんだと思うんですよね。だからその最後、私も正直に言って、いつもその選挙の分析というのは、ここでも申し上げましたが、一番サンプルの多い(自民)党本部の調査、3,000ぐらいやっていると思うんですよね。それからNHKの数字、それから朝日新聞の分析っていうふうに言っていたんですけど、私の感覚は、最も厳しかった朝日に近かったんだけど、ちょっと予想より違った。それは良かったなと思うんだけど、予想よりも少し異なっていたのは、無党派が本気で怒るところまでいかなかった。もっと言うと、いわゆる政権交代みたいなことについて、やや逡巡みたいなものがあったんじゃないかと思いますよね。それはやっぱり群馬県の場合で言えばですね、あの民主党政権3年間の悪夢、申し訳ないんだけど、悪夢みたいな記憶がやっぱり県民の心に私は刻まれているからかなと思っています。だからそこがあったので、やっぱり最後の数日間、ここは難しいと思っている選挙区で、かなり自民党の候補者が盛り返したと。これは本当に群馬県でもそうなんですけれども、自民党、自公の底力みたいなものを改めて感じました。そこでいくつかの選挙区は、ひっくり返したというか、盛り返したんだと思うんですよね。それで47(議席)までいったということで、41(議席)ぐらいしかいかない、私自身の個人的な、実は予想でいうと41(議席)だと思っていたんで、そこからやっぱり危ないと思っていたところをひっくり返したというのが、それは自公の底力であると同時に、やっぱり無党派が非常に不快感を示していた、参政党に対するある種のブームは起こっていた、しかしながら、本当に政権を一気に変えるみたいなところまでは、気持ちが定まっていなかったのかなと思っています。群馬県の場合で言うと、現職の自民党の清水真人さんが、この参政党の青木ひとみさんでしたっけ、薄氷の勝利をつかんだって地元紙に書いてありましたけれども、なんとか最後に競り勝ったということなんですけれども、これはですね、やっぱり群馬県の自民党も深刻に捉えていると思うんですよね。そもそも清水真人さんは、盤石の体制で臨んだんですよ。もう本当に、今までも参議院選挙ってそうなんですが、県連幹事長の金井さんが非常に有能で、非常に計算の緻密な人ですから、もうこれ以上ないみたいな、ある意味、選対を作られたわけじゃないですか。全てほとんどの主要な職域団体、業界も全部清水さん(支持)じゃないですか。それからほとんどの市町村長、全部じゃないですかね。もう清水さん(支持)じゃないですか。こういう中で、盤石の体制を敷いて戦ったと。最初は苦戦を予想はしていなかったと。その清水候補はですね、全く組織のない、街頭演説をやっても動員も一切かけない、この参政党の候補者に、ここまでやっぱり肉薄されたというのは、これは本当に、今後のことを考えると、自民党としては深刻に受け止めるべきだと思っています。ブログにもシリーズ3ぐらいまで書いたんで、ここからもまた書いていきますけど、私のブログにも書いたんですけど、そもそも3ポイント差ぐらいでしょう。大激戦ですよね、この全県1区の参議院にしては。しかも、もちろん多くの市部でも勝ったんだけど、やっぱりね、前橋と伊勢崎と太田で負けたでしょう。これ、最新のブログでもちょっと触れたんですが、群馬県の人口って高崎、前橋、伊勢崎、太田で6割以上ですからね。その4つの大票田、一番大きいのは高崎と前橋ですけど、3つで負けたというのは、これは結構衝撃的な出来事だったんですよね。だから、これは本当にしっかり受け止めないといけないと思っています。それから、これもちょっとブログに書いて、既に物議を醸して、いろいろご連絡をいただいているんですが、私の率直な気持ちを言わせていただくとですね、選挙なんでね、当然、野党の政策を批判するとかいうのは当然だと思います。お互いにいろんな批判をし合うというのは当然だと思うんですが、例えば参政党を見てみたら、例えば参政党の主張。消費税、明日から廃止とは言わないんだけど、段階的に消費税を廃止するとかね。これはやっぱり申し訳ないけど、かなり根拠が乏しいですよね。今の消費税を全部結局なくしていくみたいな話というのはね。それからあと、昨日の知事会でも、実は分科会でいろいろ多文化共生の話が出ていましたが、やっぱり今の地方経済の現状みたいなものを考えた時に、排外主義とかいうのは成り立たないんですよね。だからそういうことをもちろん非難するのはいいと思いますよ。それからあと、特にこうやって日本を取り巻く状況、内外に難問が山積している中で言うと、やっぱり自公政権じゃないと政権担当能力がないと。これもいいと思うんですよね。でも、これもブログに書いて、既に反応があったんだけど、私がやっぱりちょっと違和感を感じていたのはね、自民党に逆風が吹いたわけでしょう。まずは何でその逆風が起きたかっていうところをね、反省するのが最初だと私は思うんですよ。やっぱり何でじゃあ自民党に対してこれだけの逆風が起きたのか。それはいろいろありますよ、今回、その物価高の問題に対して、国民が期待しているような対応をしていないとかあると思うけど、基本的には裏金問題も含めた政治とお金の問題で、自民党がしっかりとした対応をしなかったということが、私は最大のポイントだと思うんですよね。ましてや群馬県においては、現職の県議が逮捕されたわけでしょう。なおかつ、それに絡んでいて、事情聴取を受けていた現職の副市長まで逮捕されたわけでしょう。だから、まずはそのことについての、反省とお詫びから始めるというのが普通だと思うんですよ。まずはこういうことで、いわゆるその県民の皆さんに対して心配をおかけしたりしていることを、まずお詫びをしたいと。自民党がこうやって信頼をなくしてしまったことについて反省していると、ここから行かないと、いくら例えば政策の中身を、いくつかの批判がある意味理解できるというかね、主張だったとしてもね、無党派の人たちの心に入るわけがないですよ。みんな怒っているんだから。まずは、野党にはできっこないって言っていいですよ。こんな政策できっこないって言う前に、我々にこれだけの逆風が吹いていることを反省していますと。これについてはしっかり対応していきますというのがなかった。分かりません、私は、清水真人さんは大丈夫だと思ったので、最初の出陣式に行けばいいかなと。その前もいくつか大きな大会には行きましたよ。最後は本当に危機感を感じたので決起大会まで行ったけど、少なくとも私が出席したいかなる会合でも、この例えば相沢県議が逮捕された話、自民党の政治とお金についての国民の不信感、政治不信に対して、何か反省するとかお詫びすることは一切なかった。これはやっぱりね、普通の人から言ったら違和感を感じると思うので、そこはよく、私は考えられた方がいいんじゃないかなと、個人的にはそう思っています。清水真人さんが勝った理由はいくつかあると思うんですけど、一つは最大の票田である高崎でトップを取ったと。これは、やっぱり清水さんが、これもさっきお昼過ぎかなんかに急いで書いたブログに記したんですが、清水真人さん、高崎出身ですよね。やっぱりね、政治って選挙も含めて全人格をかけた戦いなんで、やっぱりこれは清水真人さんが市議会議員として、県議会議員として真面目にやっぱりね、仕事をしてきたっていうことの集積だと思うんですよね、この6年間も。だからその、地元出身で、なおかつ地元の議員として頑張ってきたということの表れだと思うんですけれども、ここでトップを取れたと。それでも6万(票)対5万(票)だからね。がっぷり四つなんですよね。それが本当に良かったのと、あとはやっぱりあれですよね、たぶん、メディアの皆さんが出口調査を全部やったわけじゃないと思うんで、手が届かなかった、少し小さな自治体ですよね、町村とか、あるいは市でも、この4つよりも規模の小さい市、やっぱりここで清水候補がほとんどトップを取った。この2つがあったんだと思うんですよね。メディアの人たちのいろんな調査のデータとか分析とかいっぱい、いつものとおり、いくつも一応手に入れて、分析していたんですけど、なかなか当日の出口調査の結果で、青木さんの方が勝ったとしても、NHKも当確を打たないわけですよ。そこはNHKさすがだと思ったのは、きっとね、期日前だって、たぶん最後の3日ぐらいは青木さんがね、どのメディアの調査を見ても勝っていたんですよね。だからたぶんその前は清水さんがずっと勝っていたんじゃないかという予想なのか、あるいは調べたのか知りませんが、そういうものと、やっぱりね、例えば渋川市とか富岡市とか藤岡市とか、そういう中くらい、少なくともその市、あるいは町村、ここらへんのやっぱり動きが分からなかったということで、当確を打たなかったんだと思うんですよね、そこはやっぱり、さすがそこはNHKだなと思って、あれ見たらもう無理だと思うじゃないですか、結構差があって。だからそこを見て、まだもしかしたらチャンスがあるなと思いました。それからNHKって律儀だなと思うんだけど、記者さんがいるから言うわけじゃないんだけど、「保守王国最大の危機」とか言ったら、山本一太知事のブログからなんて、わざわざ言わなくてもいいのに、そんなこと書いていたなっていうのもあったんですけれども、これは、しかし、次の衆議院選挙にも必ず影響してくるだろうというふうに思います。やっぱり今回のことで分かったことはね、1区と2区と3区は、やっぱり地盤がそんなにものすごく安定していないと思う。盤石じゃないと思う。4区とか5区に比べたら、1、2、3(区)はですね、やっぱり状況によっては、すごく流動的な情勢になるっていうことが分かったんじゃないかなというふうに思います。
それから最後に言いますけれども、長すぎるからこれぐらいにしますが、参政党について言うとね、政策についてはいろいろ異論もあるところもあるんですが、とっても勉強なりました。やっぱりそのネット戦略、とっても巧みだったと思うんですよ。だって、組織ないんだから、ほとんど。もうね、ネットによる発信と街頭演説だけで、あれだけの一応ブームを全国に起こしたわけでしょ。しかも神谷代表はですね、主張についてはいろいろ異論もありますよ。やっぱりね演説は上手いですよ、もう正直言って。私は投票の前日かな、土曜日だったと思いますけど、高崎駅の東口のデッキで行われた街頭演説ありましたよね、神谷さんと青木さんの。変装して見に行ったんだけど、見破られたら困ると思ったから、引き返したんですよ、3人ぐらいの友人を置いて。それで、戻ったらもうネットで生中継してて、それを見ながら、やっぱり神谷代表の言葉っていうのはですね、やっぱりこう、特に無党派の人たちには刺さると。まず難しい表現が無い。分かりやすい。主張の中身についてはいろいろ異論がありますよ。そこはでもね、政治家の演説としては非常に巧みだし、やっぱり聴衆の心を捉えていると思った、髪型も含めて。分かりませんよ、だけど、髪型も含めて、好感度が高いですよね。それから青木さん。この人はやっぱりすごい好感度、演説の中身はそんなプロみたいなこと言わないけど、青木ひとみさんもですね、この人は手強い相手だなと思いましたね。ただそれはとっても勉強になったところがあるし、それはやっぱり、これからしっかりたぶん自民党もそうだと思いますが、私もここはとても学ぶ点が多かったと。
これ最後にしますが、今回ね、参政党の躍進の最大の要因、これは神谷さんが全ての選挙区に候補者を立てたことだと思います。これは国会議員時代から一貫して言っていることなので、今言っても怒られないと思うけど、もう国会議員時代からずっと言っていたのは、やっぱりね、最大野党は全ての選挙区に候補者を立てるべきだと。そうじゃないと有権者に選択肢がないと。やっぱりね、政治っていうのは何でもそうなんですけど、競争があってみんな進化しているわけじゃないですか。政治にね、緊張感ないんですよ。無風地域とかあったら。だから、もう国会議員の時代から、全ての小選挙区に野党は候補者を立てるべきだと。それから参議院も全ての都道府県に立てるべきだって言ってきたんですよね。今回だから、神谷代表はですね、この県はなんか自民党保守が強い、自民党強いから岩盤だから、とてもドリル入らないとかね。ということでやめるとかいうことをしなかったじゃない。全部の選挙区に立てたっていうのは、やっぱり最大の私は要因だと思っています。これは、私は清水さんを応援していたし、清水さんが再選されてよかったと思っていますよ。ただね、やっぱりね、次の衆議院も全選挙区に立ててほしい。参政党は次の衆議院選挙でも、全ての選挙区に、やっぱり小選挙区に候補者を立てるべきだと思う。もっと言うならば、野党は、本当は立憲が全ての選挙区に立てるべきなのに、候補者が足りないとか、ここはちょっと自民党が強い、自公が強いみたいなことで言い訳するのはやめて、やっぱりその全ての選挙区に立てるべきだと思います。じゃなかったらね、人間は進化しない。もっと言うと、清水真人さんはね、進化したと思いますよ。本当に苦しかったと思いますよ。絶対にもう、勝てるはずの選挙でこんなことになっちゃって、最後もうNHKの世論調査とかテレビの画面で見たらこんな負けていて、みんなもう半分絶望して、これだめじゃないかみたいな中で最後勝ち切ったでしょ。彼はやっぱりね、私が言うのは僭越ですけど、間違いなくこの戦いを経て成長して進化していると思いますよね。もう一度言いますけど、最後の決起大会の演説は、決して聴衆を沸かせるようなやつはやらないけど、私は本当にいい演説だと思いました。彼がこの6年間真面目にやってきたっていうことが分かったし、やっぱりもう、何十回って街頭演説をやっていく中で、やっぱりこう、彼なりに研ぎ澄まされた中身を話していて、奥様のこともそんなによく知らないけど、本当に自然体で、清水夫人いやいいなと思って。だから、そういう意味で言うと、もう1回言いますが、選挙っていうのは、常にもう一つの選択肢がないと本当に不毛なので、全ての選挙区に立てるべきだと思うし、もっと言うのであれば、これも言うと怒られちゃうけど、県議選にも、地方議会にも、次の群馬の県議会議員選挙にも、参政党でも何でもそうなんですけど、絶対全てのところにね、候補者を立てるべきだと思います。これ以上言うとまた怒られるので。もう怒られているんですけど。でも、国会議員時代からのもうずっと一貫した主張なのでいいかなと思って。すいません、長くなっちゃって。
●石破首相退陣に関する報道について
(記者)
重ねて申し訳ないですけど、石破首相が退陣するという報道も出ていますが、今回の選挙を経て、衆参両院で与党が過半数を割るっていう状況ですが、どのようにお考えですか。
(知事)
その前に、さっきのことでもうちょっとだけ続けるね。一番大事なことを言うの忘れていたんですけど、これもブログに書いたことではあるんですけど、今度の選挙でやっぱり一番うれしかったのは、やっぱり群馬県出身の唯一の比例候補者だった釜萢敏候補が、堂々と6番目ぐらいの得票で、自民党の候補者の中では、当選したっていうことなんですよね。ここでもあんまり選挙前言わなかったんですけど、釜萢先生は群馬県民の恩人です。もうとにかく、ここでも少し言ったことがあると思うんだけど、コロナ禍で前代未聞の状況だっただけに、知事として何をやっても批判されるような状況だったんですよね。でね、みんな周りでいろいろ文句ばっかり、いろいろ偉そうなこと言ってもね、批判するばっかりで何にも助けてくれなかった。そんな中で、やっぱりこれもブログに詳細に書いたんで、皆さんご存じだと思うのであまり繰り返しませんが、釜萢先生がやっぱり政府の専門会議の主要なメンバーで、群馬県が本当に大事なときは常に群馬県側に立ってですね、応援していただいたと。だからこの釜萢先生の励ましがなかったら、なかなか乗り越えられなかったと思うので、それは本当にうれしかった。この方大変立派な方なので、国会議員としてもですね、本当に日本のために、それから群馬県のために働いていただけると思います。
2番目にうれしかったのは、やっぱり清水真人さんが接戦だったんだけど、何とか競り勝ったことだと思うんですよね。でね、比例区見てちょっと思ったんですけど、比例区ずっと見ていて、まず、比例区の選挙見ていると、その政治家の本当の人気みたいのが分かるわけですよね。まず、山東昭子元(参議院)議長が届かなかったわけじゃないですか。この方やっぱり根強い人気を持っているんですけど、83歳だっけ。だって最後までやったら89歳でしょ。やっぱり参議院って6年あるので、年齢って結構大事だと思うんですよね。私ももう、万が一次の選挙、今やめれば67だけど、次の選挙やれば69だから、もうすでに高齢者なんだけど、もう69歳って言ったら、相当年齢いっているかもしれないけど、やっぱりね80代みたいなところで参議院をやるっていうのは、6年間の任期を考えると難しいんだなと思った。それからあと「ヒゲの隊長」(佐藤正久氏)、やっぱりそのメディアなんかの存在感抜群じゃないですか。で、「ヒゲの隊長」も落選したでしょう。これ結構驚いているんですよね。でもこれやっぱり選挙って、選挙至上主義の私から言うと、本当にその人の人気とか、信望みたいなものを表しているんだと思うんですよね。鈴木宗男さんが、決してモノマネはしません。ちょっと真似しただけでも何かTikTokで20万回ぐらい回っていて、石破さんの真似するのはもうやめようと思っているんだけど、もう宗男さんとか石破さんとかそっくりなんだけどやりませんが、鈴木宗男さんがやっぱり逆転で勝ったっていうのはすごいなと。ご本人がなんかもう、敗戦の弁かなんか言っていて、もう政治家はやらないとか言っていたのに逆転した。やっぱり根強い人気があるんだと思うんですね。あの方はだから、やっぱり何か持っているのかなと思いました。
そこで、一応選挙の話まだまだあるんだけどこれぐらいにして、石破総理の話をしたいと思うんですけど、まずですねちょっと驚いたのは、読売新聞と毎日新聞が、石破総理退陣みたいなのを書いて、東京と大阪で号外配ったわけじゃないですか。その号外が出た後で、石破総理が会見でね、そんなこと言っていないっていうのは、ちょっと今まで政治家になってから初めてのケースなので、ちょっと異例っていうか、見たことないですよね。ただこれよく分かんないけど、これは読売とか毎日が言いたかったのは、(退陣)不可避っていうことなのかなと。例えば日経新聞なんかは、退陣不可避みたいに書いてあって、朝日は書いていないですよね。でも普通こういうのって、まず号外出した読売新聞の記者さんここにおられますが、普通はこれを書くのって、私も数カ月間違って新聞記者になった身から言うとですね、裏を取らないと絶対書かないですよね。こんなの誤報したら政治部長首が飛びますから。だから誤報になるようなことは書かないから、もしかすると、やっぱり総理に近い人が、党幹部なのか、あるいは閣僚なのか分かんないけど、やっぱり石破総理が辞めるつもりなんだっていうことをおっしゃって、それを確認して、もしかしたら報道されたのかなとは思いますが。それにしても、まだこの時点で石破総理は辞めるっておっしゃっていないので、なかなかちょっとコメントは難しいなと。で、もう本当に辞める流れが決まっているということであれば、これはやむを得ない判断っていうか、おそらく50議席っていうね、目標達成できなかったということで、責任を取られたのかなということなのかもしれませんが、ちょっと現時点でどうなるかよく分からないんで、そこはなかなかコメントしにくいんですけど、党内の流れは非常に厳しくなっているっていうことは間違いないと思うんですが、私は個人的には選挙でも石破政権に踏ん張ってほしいと思っていましたし、石破さんはやっぱり、久しぶりに長く話したんですけど、優しいし、群馬県に対してもすごくあったかいし、温泉文化についても応援してくださっているし、わざわざ視察にも来ていただいたんで、何とか踏み留まっていただきたいなと個人的には思っているんですけど、それは石破総理がですね、党内の状況とか、とにかく党内の3人の総理経験者と会ったときに、何か党内が割れるようなことになっちゃいけないみたいなことをおっしゃっているわけですよね。だからそれはもう石破総理が最後に決断をされることなんじゃないかなと思います。
●日米関税交渉について
(記者)
日米関税交渉の件ですけれども、自動車を含む関税率が15%ということで合意したと昨日発表がありましたけれども、この結果について、知事はどこが一番評価できるとお考えですか。
(知事)
まずさっきも言ったように、私も発表を報道で見ましたし、映像でもちょっと見て、聞いたんですけど、この15%はですね、やはり石破内閣の粘り強い交渉の成果だろうということで、これについては、特に自動車と農業の分野で非常に大きな影響を受ける群馬県知事としては安堵したと、ひとまずほっとしたってことです。たださっき言ったように、これは石破総理の努力でここまで来たのかもしれませんが、それでも影響は避けられないんでね、そこはよく、今後の影響を見極めながら、県としてしっかり国にも要望するし、県としてできる対策をしっかり講じていかなければいけないと思うんですね。
もう1回言いますが、これはこれで、合意したっていうことはよかったと思うんですけど、ただ合意の中身が、ちょっとまだ分からないところがありますよね。私は群馬県知事なので、群馬県への経済の影響を常に考えながらなんですけど、何か5,500億ドル、80兆円か、これを投資するって言っていますよね。この中身がどうなのかっていうこともまだ分からないですよね。それからあと、トランプ大統領が会見で、防衛品の購入を増やすとか、ボーイングの旅客機を何機買うみたいなことを言っていますけど、だからその15%にしたと、赤澤大臣がおっしゃったように、日本の国益を損ねることなく、しっかりと交渉をまとめたっていう言葉を信じたいと思いますけど、この見返りに要求されているいわゆる自動車、トラック、お米、こういう、そこの市場開放のもうちょっと具体的な中身みたいなものは、よく見極めていかないといけないのかなと思います。
記者さんはご存じだと思いますけど、2日前ぐらいのウォールストリートジャーナルに記事があって、その中で、見出しを見て、ざっと中だけ見たんだけど、GM、ゼネラルモータースの売り上げが数カ月で10億ドル以上減ったと書いてあって、このまま行くと、その5倍とか6倍ぐらいの赤字になっていく見込みだみたいなことが出ていて、それってあれですよね、GMがたぶん自動車の生産の半分ぐらいを海外市場でやっているんで、たぶんメキシコとかカナダだと思うんですけど、それを今度こっちに持ってくるときに、ものすごくダメージがあるみたいで。だから、GMがものすごく赤字になっちゃって、そこら辺からいろいろ政治的な思惑が働いたみたいな報道もあったりとかですね。あとこれも分かりませんけど、いくつかのアメリカのメディアが言っていた、5,500億ドルの利益のほとんどはアメリカが取るみたいな。こういうのも実は群馬県の経済に何らか影響してくるかもしれないので、そこら辺は石破さんと赤澤大臣の言うことを信じていますけれども、これはもうちょっと具体的にどういう中身なのかっていうのは、少し見極めていかなければいけないのかなと感じています。
●桐生市新庁舎建設を巡る入札妨害事件について
(記者)
まず桐生市の入札妨害事件の関係なんですが、今回の相沢容疑者の再逮捕、森山容疑者の逮捕に関して、その逮捕容疑の中にですね、市庁舎の入札に関して見返りとして、会社の役員からそれぞれ商品券10万円を受け取ったということになっています。相沢容疑者に関しては、政治資金としてですね、関東建設工業などから多額の献金を受けていますが、こうした構造についてあらためて知事のご所見をお伺いします。
(知事)
これは地方政治、群馬県だけじゃなくてね、地方政治特有の古い政治文化の問題なのかもしれないんですけど、それにしても、この3年間で3人の現職の副市長が逮捕されるっていうのは異常ですよね。やっぱりだからこの群馬県にですね、非常に古い利権構造みたいなものが残っているという証拠だと言わざるを得ないと思うんですよね。これについては、非常にゆゆしき問題だというふうに思っています。特に行政の幹部っていうかね、部長とか副市長とかもそうなんですけど、こういう人たちが直接業者からお金をもらうみたいな、あれ普通だったらあり得ないことが、これが事実だったとしたら、これからたぶん裁判で争われるのかもしれないけど、こういうことが疑われるということ自体が大きな問題だと思います。そんなこともあったので、実はこの間の庁議で、この桐生の副市長が逮捕される前だったんですけどね、相沢さんが再逮捕される前ですけれども、庁議で幹部の皆さんに言ったのはね、誰と付き合おうとどこに行こうと干渉するつもりはないと。一つ気を付けてほしいのは、やっぱりね、県庁職員として、利害関係者から理由もなくごちそうになるみたいなことはやめたほうがいいと。そこは、それぞれの良識で立ち振る舞いをしっかりしてほしいというふうに言ったんですね。今の部長の顔ぶれを見てね、そんなことする人いません。少なくとも自分が知事になって、私がほとんど任命した人たちなんで、特に今の人たちもそうですから。県庁職員のことは100%信頼しているんですけどね。やっぱりね、細かいことは言わないけど、それを心配させるような出来事って散見されるんですよ、言わないけど。やっぱりそれは古い政治文化の中で、もうごちそうされるのが当たり前になったりとか、こういうやっぱり古い政治文化の尻尾みたいのが残っているんですよ、悪いけど。これはもう山本県政のうちにですね、しっかり無くしていくというのはもう心に刻んだので。記者さんおられたかどうかわかりませんが、県政、自民党の重鎮だった橋爪和夫元県議が亡くなられた葬儀で、息子の洋介県議から弔辞を読んでくれっていうのをお願いされたんで、弔辞を読んだんですけど、その最後の一節の中に、今こんな事件が起こってね、この保守王国を支えてきた、戦後4人の総理を輩出してきた群馬県の自民党、その県議団の控室に家宅捜索が入るというあり得ないことが起きていると。これはやっぱりね、群馬県は今本当に古い政治文化と決別しなければいけないと。この戦いについても、しっかり自分が群馬県のリーダーとしてやっていくというふうに、一応、弔辞の中で申し上げたんですけど。やっぱりね、これからのアジェンダっていうのは、この後2年で(知事を)辞めようと、その後も選挙勝たないと続けられないけどね、その後やることになろうと、やっぱり本当に群馬県議会のイメージだけじゃなくて、群馬県のイメージ全体が良くないと思うし、これはとにかく、私は県庁職員を守んなきゃいけないんで。こういう古い文化を知事として払拭していくっていうのはですね、やっぱりこれから2年間の、あるいは、もしその後があるんだったら、分からないけど、そういう中での、一つのやっぱり自分の目標として、明確に掲げていきたいと思います。今までは、県庁は透明でいくと。県庁幹部はとにかく、県庁の職員は、お天道様の下でできないことはやらないと言い続けてきたんですけど、やっぱりこの古い構造そのものに県知事としてしっかり、限界はありますよ、しっかりメスを入れていくってことは、やらなければいけないんじゃないかなと最近思っています。
●次期群馬県知事選挙出馬に関する態度表明について
(記者)
今、ご発言ありましたけれども、次期知事選をめぐってですね、態度表明なさるという期日である7月31日まで・・・
(知事)
30日って間違って言っちゃったけど、31日です。ブログで間違えたらみんなから文句来て、直せみたいに言われて。31日です。
(記者)
31日まで1週間あまりとなりました。従前ご発言されていた6対4のお気持ちから変化があるのか、あるいは今回の参院選の結果を受けてですね、何か心境に変化とかあるのか。
(知事)
それは基本的にもう6対4のままなので。あとここでも正直に申し上げたんですけど、世論調査ができてないんですね。だからその世論調査をちょっとやりにくい状況なんだけど、でもやっぱりやらざるを得ないかなみたいな感じで、今いつやろうかなってちょっと思っているところなんで、この世論調査をしっかりやって、それから、あちこちからもお叱りを受けたり、聞こえてきているんですけど、70後援会があるので、そこのやっぱり本当にお世話になった方にはしっかりもう1回意見を聞いて、その上で判断したいと思います。
●桐生市新庁舎建設を巡る入札妨害事件について
(記者)
すみませんちょっと戻って、入札妨害の関係なんですけれども、関東建設工業なんですけれども、いまだにその会見ですとか、社長が取材に応じるとかそういうことをなさっていないんですが、その点について知事どう思われますか。
(知事)
それは何て言うのか、社長のご判断だとは思うんですが、高橋社長のご判断だと思うんですけどね。でも、やっぱり役員(営業部長)が逮捕されたわけじゃないですか。やっぱりね、ホームページか何かでちらっと書いておられたんだけど、これはやっぱり経営者としてしっかり釈明するとか、会見するとか、するべきだと私は思いますね。私だったらそうしますよね。ここで何度も記者さんに言っているとおり、こういう今の事件がね、よく分かりません、埼玉県警と群馬県警と合同でやっている捜査について、何か情報取れるわけでもないし、またそんなことするつもりもないから分からないけど、同じような、例えばこの今の事件が広がって、さらに逮捕者が出るみたいなことがあるかどうかも分からないし、ないかもしれないし。他でもこんな事件がまたあるとは思わないけど、今までのケースを、いろんな人たちが洗っているわけだから。これからもですね、だからいろんな火種みたいなものは残っているんで、これからもいろんな報道とか、いろんな動きは、私は起きてくると思うんですよね。だから、やっぱりそれはここに関わっている企業の方々もね、それからもちろん県議の皆さんもそうですけど、これからどういう流れになっていくかっていうことをよく想像して、よく考えて、やっぱりそれぞれの行動をお決めになったらいいんじゃないかなと思います。
何度も言いますが、私は一応返金をするということで、これはもう自分の政治家としての判断で返金するって決めましたけれども、他の方々は他の方々でそれぞれ政治家の判断で行動すればいいと思うんですよね。高井県議は高井県議の、他の人のことなんか彼は言ってないから、自分自身の判断で、返さないと物が言えなくなると言って返すわけじゃないですか。だから彼の判断は正しいと思う。やっぱりね、今あることじゃなくてこれからどんな世の中のムードになっていくかっていうかね、その展開も考えながら、やっぱり政治って進めていかなければいけないんじゃないかなと個人的には思っています。
●教員による盗撮について
(記者)
最後にちょっと話は変わりますが、先週も伺ったんですけど、盗撮容疑で逮捕された前橋市の中学校の男性教員がですね、勤務先の中学校の女子生徒を盗撮したとして再逮捕されました。知事は前回の記者会見で、県の権限の範囲で対応されるということでしたが、お考えがあれば。
(知事)
ちょっとまず教育委員会から。
(教育次長)
前橋の教員の再逮捕の関係ですよね。これが本当に事実であるとすれば、本当に大変残念なことであると思います。正直言いまして、昨日も謝ったばかりなんですけれども、またこういうことが起きて、事実であれば本当に県民の皆様に本当に心からお詫びを申し上げたいと思います。我々としましては、まず事実関係を正確に把握した上で、あとは懲戒処分の指針等に則りまして、厳正に対処していきたいと考えております。
(知事)
教育委員会の権限っていうのもあるんだけど、その中でよくまた相談しながら、教育委員会には教育委員会の考え方もあるっていうことなんだけど、よくいろいろ事情も聞きながらですね、できる限りの対応をしていくってことに尽きると思うんですよね。これが本当だったらっていうよりは、もうありえない話なので、最近こういうのちょっとやっぱり多いですよね。そこは我々も本当に反省しなければいけない。今教育委員会の方からも話がありましたけど、やっぱりどうしてなのかっていうこともよく究明して、なかなか一つじゃないかもしれないけど原因は。どうしてこんな流れになっているのかっていうことは、よく我々も分析してですね、何をすればいいのか、我々として何ができるのか、県として、あるいは教育委員会として。こういうのをしっかり考えながら、対応していくってことに尽きると思います。
●桐生市新庁舎建設を巡る入札妨害事件について
(記者)
まず桐生の関係なんですけれども、結果的に商品券10万円の収賄ということに発展したわけですけれども、もう副市長は退いていますけど、市長の任命責任ってどうお考えですか。
(知事)
それは市長の任命責任はあると思います。それは、桐生の荒木市長がご自分でもおっしゃっているので、ただその任命責任は当然あるんだと思うんですけれども、今回の副市長の逮捕を踏まえて、どんな対応されるかっていうのは、荒木市長のご判断なんじゃないでしょうか。それについて、私がこうしろ、ああしろということは言うつもりはありません。桐生は生活保護の問題なんかでも、かなりガタガタしているし、今度の話も、市長にとっては寝耳に水で、個人的にはですね、荒木市長、本当に清廉でクリーンな人だって分かっているので、市長には個人的には非常にお気の毒だと思いますが、今回やっぱり現職の副市長が捕まったっていうことについての任命責任は、それは免れないんだと思うんですよね。ただそれを踏まえてどうするかっていうのは荒木市長がお決めになることじゃないでしょうか。
●参議院議員選挙について
(記者)
あと、今回の参院選群馬選挙区の件で一つだけなんですけれども、他県ですと、自民と立民の候補が競り合う構図というのが多かったと思うんですが、群馬県はたぶん全国的にも少ないと思いますが、参政(党)と競り合うという構図になったと。その背景ってどう、何か分析されていることはありますか。
(知事)
それは今、記者さんが立民の候補者、河村さんのことを言ったんですけどね。今回やっぱり、いろんな世論調査を集めて、皆さんメディアだから私よりもっと情報を持っているかもしれないんですけど、すごく一つ不思議だったのはね、立憲の候補者が先行しているっていうか、立憲の候補者がすごく迫っているっていう調査と、いや立憲よりも参政党の候補者が迫っているっていう調査と、両方あったんですよね。この違いは何なのかなと。やっぱりね、実感としてはどう考えても、この参政(党)の候補が先に行っていると私は思っていたんですが、いくつかの調査では立憲の候補者が先に行っていたりして、これから、やっぱり世論調査もさらに気をつけて見ないといけないかなと。今回、正直に言うと、最後に自公が盛り返したっていう流れが読めなかったから、もっと、ちょっとやばいことになると思っていたんで、最悪の事態をなんとか回避できたんだけど、なんかね、まず両方の調査があったっていうのは非常に不思議だったんですね。でもあの、私の感覚だと、やっぱり参政(党)が行っていたと。それは既存の政治に対する不信感じゃないですかね。まあ、やっぱり立憲民主党も、群馬県民にとっては既存の政党で、それからこれは本当に申し訳ないんですけど、野党にも立派な国会議員の方はいると思うんで、それを否定するつもりはないんですけど、とにかく群馬県においては、民主党時代の3年間の悪夢、これ本当に多くの人に刻まれているんです。特に70代、60代、「ひどい目に遭った」とかね。「八ッ場ダムもひどい目に遭った」みたいな、「なんにも決まらなかった」とか、「子ども手当とか全部嘘ついた」みたいな、そういう群馬県には特に拒否反応が強いので、民主党と立憲がやっぱりこうすごく、つながっているんだと思うんですよね。だからやっぱりなかなか立憲の方にその批判票が集まりにくかったということで、これに対して、参政(党)は新興勢力じゃないですか。そして保守と言っていいのか分からないけど、コンサバティブですよね。県民、日本人もそうだと思うんだけど、群馬県民の8割とか9割に近い人たちは穏健な保守なんですよね。参政党の人っていうのは、ある意味で言うと、自民よりもやや右っていうのがいい言い方か分からないけど、極端だったけど、まあ左よりは右なんですよ、みんな多分ね。そもそもが穏健な保守なんで。そういう意味で言うと、参政党の方に自民党の従来の支持者も乗りやすかったと。それから無党派からしても、やっぱり既存の政治じゃない、染まっていない、しかも分かりやすいことを言うということで、そちらの方に人気が集まったんじゃないんですかね。
(記者)
分かりました。先ほど知事から、選挙期間中に、自民陣営から政治と金に関する発言が見られなかったと、やんわり批判されたようなご趣旨だと思うんですけど、20日の夜、知事って、清水さんの事務所にいらっしゃらなかったと思うんですが、その辺って何か影響されているんでしょうか。
(知事)
それはね、最初からもう行かないつもりだったんです。まず申し上げると、大丈夫だと思っていたんで。みんな最初から大丈夫だと思っていたじゃないですか。結構、参政党に勢いも感じていたんで、意外と取るだろうなと思っていたけど、やっぱり勝ち切ると思っていたから。少なくともその大きな集会には何カ所か、まず始まる前に行って、あと出陣式だけ出て、その最後の決起大会は行かないつもりだったんだけど、情勢を見て、少なくとも危機感を伝えなければいけないと思って行ったんですよね。最初からもうね、万歳には行くつもりはありませんでした。それは、そもそももちろん清水真人さんを応援するって一応表明して、行ける時は行ったんですけど、基本的にやっぱり公務に専念していたから、そんな勝った時だけ行って、あそこで「おめでとうございました」って言うのはね、自分自身が白けるわけですよ。最初から最後まで陣営にいて、本当にどっぷり浸かって一緒に戦ったのならともかく、もちろん表明をしていたし、決起大会にも行ったけど、毎日汗かいていたわけじゃないのに。だいたい政治家そうじゃないですか。だいたい、特に応援していない人でも、首長選挙で勝つと、「皆さんおめでとう」とか言うのがかっこ悪いんです、自分の中で。だから最初から行くつもりはありませんでした。勝っても負けても、行くつもりは最初からありませんでした。
(記者)
じゃあ、どなたかの陣営に行ったとかでもなく、自宅で過ごされたっていう・・・
(知事)
何?
(記者)
どなたかのその、武見さんとかの陣営に行かれたとかでもなくて・・・
(知事)
違います。もう最初から行かないつもりで、でも、ちゃんと終わった後メールして、清水さんからもお礼のメールが返ってきたんで、もうそこは淡々とやって。もう1回言いますが、よく首長選挙であるんですけど、そんなに(応援を)やっていないけど、なんか万歳の時だけ後ろにいて映る人っているじゃないですか。自分的にはかっこ悪いんですよね。私のちっぽけな美学です。そういうことです。特に他意はありません。
●参院選の結果を踏まえて中央政界に期待することについて
(記者)
参院選に関連して伺います。今回の結果を見ますと、衆院選に続いて参院選も与党が過半数割れしましたけれども、やっぱり、県民、国民の声を聞いていると、やっぱり物価高に相当苦しんでいるっていう声が多数聞かれたんですけれども、今回、この政治の停滞っていうのがやはり懸念されるとは思うんですけれども、そのあたり国に対してどういうところを期待しますか。
(知事)
いやだから、もう記者さんの方がよくご存じだと思うんですけど、これからどうなるんだろうっていうシナリオがよく見えないですよね。例えば、石破さんが読売とか毎日が言っているみたいに退陣したとして、新しい(自民党)総裁が選ばれるってなったときに、まず(内閣総理大臣に)指名されるかも分からないですよね。だからよく流れが見えないんだけど、少なくとも自民党は石破さんが言っているように、比較第一党であることは間違いないと。ここは多分ね、いろんなことがあっても、分裂したりしないっていうことでいけば、比較第一党としての影響力っていうのはあると思うので、これによって今までの日本の政策が根こそぎひっくり返るようなことはないと思うんですね。それから例えば国民民主、私は、玉木さんとそれから榛葉さんのことは昔から嫌いじゃないと申し上げているとおり、彼らには彼らの信念があるんだと思うんですけど。国民民主とか維新とかも政策は違いますけど、急激に物事を変えるようなっていう話じゃないので、そこはものすごく停滞するみたいなことは心配していないんですけど。ただいつも言っているように、中央政局の政治が安定しているっていうことが、地方自治体の長である知事にとっては最も大事なので、ここは石破さんが例えば分かりません、どこかで辞意を表明されるにせよ、何らかの形で続けるにせよ、できるだけ早く、体制が決まってほしいなと思います。
●日米関税交渉について
(記者)
日米の関税交渉の妥結に関する質問となります。先ほどですね、中身を見極めるであるとか、国へも要望したいっていう考えを示されたかと思いますが、国への要望に関しては、その中身によっては、今回合意された内容に関する見直しを求めるということも含まれるということでしょうか。
(知事)
見直しなんて、これは政府レベルで決まっていることなので、知事がこれを見直してくれというのは、それは僭越だと思うんですが、ただ、今、関税が15%まで一応下がったっていうことになっているじゃないですか。いずれにせよ、自動車産業に大きな影響があるわけですよね。今、それをぜひ記者さんが知っていたら教えていただきたいと思うんですけど、やっぱり合意の内容がよく分かっていないから、まだ。自動車とそれからトラックも含めてかもしれないけど、どういう日本は譲歩するのか、まだ分からないじゃないですか、どういうやり方なのか。アメリカの車を買えって言うのか、言ってもそれはなかなか消費者が決めることなんで難しいなとは思うし。お米もミニマムアクセスで入れるっていうのだけは分かったんだけど。あと何を市場開放しなければいけないのかというのも具体的なことは分からないので、特にアメリカは決して譲らないのは、というか必ず譲歩を求めてくるのは、どう考えても自動車とそれから農業でしょう。これは群馬県にとっては大きな影響を与える分野ですから、その合意が果たして具体的にもうちょっと、どういうことなのかっていうことが見えてこないと、群馬県として、この後どんな対応をすればいいのか、その政府の対応について群馬県としてどんな要望をすればいいのか、しなければいけないのかっていうのが、ちょっとまだ現時点で分からないかなということです。
●群馬県の多文化共生の考え方について
(記者)
最後に1件だけなんですけれども、先ほど参政党の主張に絡めて、地方経済の現状を考えると排外主義は成り立たないというふうなお考えを示されました。また、以前の会見で、県の方がLINEで外国人の労働者に(情報を)発信するという件も発表されておりましたが、あらためて外国人は産業の担い手という側面もあると思いますが、受け入れ環境であるとか、共生社会の実現というところで、群馬県のスタンスに関して教えてください。
(知事)
まず、多文化共生っていうのを、しっかり知事になってから掲げて、いろんな政策を推進してきたんですね。ただこの目標はしっかりと進めていかなければいけないと思うんですけれども、現実的にこれについていろんな政策を進めていく中で、県民に誤解とか不安があるということは分かったんですよね。それがものすごく極端な考え方の人たちの、いわゆるノイジー・マイノリティーみたいなものだけだと思っていたら、そうじゃなくてコアにいる、いわゆる穏健な保守みたいな、そういう人たちの間にもやっぱり不安とか誤解があるということが分かったんです。だからそれをやっぱり解消していかないと、実は本当の意味で多文化共生を進めるっていうことは難しくなるんじゃないかと思っていて。それはここでも申し上げたとおり、昨今のトランプ政権以降の移民政策に対して巻き起こっている社会の分断とか混乱、よく分かんないんですけど、国際政治から離れている私はこんなことを言っちゃいけないと思うんですけど、最初はトランプ政権も結構ギャングになるような犯罪者みたいな人たちから送り返すみたいなことを言っていたのが、そうじゃない、結構楽に捕まえられるレベルの人たちのところにいっているように見えるんですよ、外から見ると。それで、どう考えても不法就労している人の数を考えたら、この人たちを全部返すって無理だと思うんですよね。アメリカはもう移民政策について言うと、トランプ大統領がやろうとしていることは別に間違っているとは思えないけれども、ポイント・オブ・ノーリターンだと思うんですよ。ここでも言ったように、移民大国と言われていたスウェーデンでもですね、やっぱりその逆の動きが起こってきている。ヨーロッパも大体そうじゃないですか。しかも、国内でもクルド人の方々との摩擦みたいな問題があるじゃないですか。そういうのを見ていると、ただ多文化共生だけではね、実は物事が進まないんじゃないかというふうな結論に達したので、少しバランスのあるアプローチが必要だということを言い始めたんですね。それは、今回の選挙でも話題に上がった、いわゆる共生と、規制って言いたくないんだけど、他の言葉があまり見当たらないんだけど、やっぱり共生と統合じゃないな・・・でも、やっぱりルールづくりっていうか規制みたいなバランスだと思うんですよね。それで、例えば、昨日(全国)知事会の分科会セッションで、共生社会についての分科会みたいなものがあって、7、8人の知事でいろいろ議論したんですよね。そのときに、冒頭スピーチをしてくれた有識者の1人が、例えば、日本って不法就労の人、もちろんいますよね。それからいわゆる外国人の犯罪というのはありますよね。これは欧米とかに比べると、全然少ないらしい。例えば、不法就労の割合、入ってきている人の割合から考えた不法就労の比率みたいなものも、全然欧米より低いらしい。それから犯罪率は上がっているかもしれないけど、そんなに急に上がっているというデータもなくて、これも諸外国に比べると極めて低いらしい。だからこういうデータを、まずちゃんとしっかり県民の皆さんに説明するのと同時に、群馬県は、実際に不法就労は増えているんですね。だから、その増えているという中で言うと、やっぱりルールを守る外国籍の人たちはしっかりと大事にすると、活躍してもらうと。だけどやっぱり、ルールを守らない外国人は減らしていくと。こういうことをちゃんと、実際にやっていかないとね、実は県民の不安とか誤解をなかなか和らげられないんですよね。だから、ああいう政策を掲げてやっているんだっていうことを昨日セッションでもね、ちょっと少数意見だったけど、申し上げました。みんな知事をやっている人たちは全部分かっていて、今の地方経済のことを考えると、どの分野でもやっぱり外国籍の人がいないと、もう全員同じだから、これはなかなか乗り切れないっていうか、支えられないんですよね。でもその中で、ただ多文化って言うんじゃなくて、多文化共生っていうものの意味をちゃんと有権者に説明して、例えば、アンフェアなことがないようにするっていうことをちゃんと示さないと、具体的な政策で、私はなかなか前進できないと思ったので、昨日、群馬県の政策を皆さんの前で披露させていただきました。
●参議院議員選挙について
(記者)
参院選の群馬選挙区についてなんですけれども、お話にもありましたが、各社の出口調査などでは、参政党の青木ひとみ氏に対して、ある程度はっきりと清水さんの劣勢が伝えられていたことがあったと思うんですけれども、その中で清水さんがなぜ勝ち切ったのか、あるいはその参政党の青木さんがなぜ勝ち切れなかったのかということについて、知事が、例えば決起大会に入られたこととか、その組織の運動が功を奏して、終盤巻き返したっていう形なのか、そもそも調査がその情勢の実態をうまく拾えていなかったのかというところも含めて、ちょっと考えをお聞かせいただきたいんですけれども。
(知事)
一応、選挙研究家を自認する私としてはですね、メディアのネットも含めた世論調査の精度みたいなものについては、ちょっと立ち止まって、よく検証を自分なりにしてみたいと思うんですね。自分なりに何となくメディアの数字を集めても、やっぱりこういう方向なんだなみたいなものが今まで見えたんだけど、今回はやっぱり分析にかなり違いがあったので、そこは実はちゃんとやらなければいけないと思っているんです。アメリカ人のジャーナリストの友人によく笑われるのはですね、日本のメディアの世論調査はおかしいと。例えばですよ、毎日新聞と日経新聞の内閣支持率が15ポイント違うわけでしょう。15ポイント違ったら、世論調査ではないじゃないですか。だって、支持率50%と65%って全然違うじゃないですか。だから、ここは本当にメディアの側にもちょっと考えてもらいたいなと。15ポイント違ったら、調査じゃないと思うんです、よく分かんないけど。だから、そういうことも含めて、少し今回あれっと思ったことがあったので、少し検証してみたいと思うんですけど。情勢はですね、やっぱり最終盤で混戦だっていうのが、私は一番正しい分析だと思っていたんですよ。私の感覚で言うと、本当に混戦で、誰が勝っても分からない状態だと思っていたんですけれども、実態からいうと、やっぱりその立憲民主(党)が遅れていたわけじゃないですか。立憲民主(党)が迫ってきているっていう調査も結構あったので、大きなサンプルでね、それも違ったわけじゃないですか。これ何でなんだろうなと思っているんですけど、やっぱり最後の3日間ぐらいで、特に群馬県は本当に保守の勢力、保守っていうか自民党含めて、今までの組織をフル稼働して、ありとあらゆることをやったんだと思うんですよね、電話作戦も含めて。そのやっぱり底力っていうのは残っているんだと思うんですよ。これ、福田達夫衆議院議員が清水さんの会だったか、あるいは釜萢さんの集会だったか忘れたんですけれども、福田康夫元総理のね、政権交代が起こったときの選挙のことをお話していたんですけど、私が聞いていても、最後の3つぐらいのメディアのうち2つぐらい負けていたからね、最後の日にたぶんひっくり返したんですよ。やっぱり福田会っていう非常に強い組織があって、自民党の組織ってみんな高齢化しているんですけど、それでも本当に危ないっていう時に、この方々が長年引き継いできた、福田、中曽根、小渕っていう流れがあって、まさに福田イズムの継承者ですよね、康夫元総理が。だからそこでバーってひっくり返したっていうのはあったんですよね。だから、そういう底力がたぶんまだ残っているっていうのと、それからあと、さっき言った、完全に夢中になっていないから。やっぱり参政党いいねと、自民党けしからんねという声が郡部まで全部届いてないんだと思う。これは例えば、こういうときって、もちろん大票田ってあるじゃないですか。大票田っていうのは12市でしょう。そのうちでも、最も大きいのは、高崎、前橋、太田、伊勢崎、これで6割以上なんですよ。そのあと、中ぐらいのところが続いて、あと町村になるわけじゃないですか。やっぱりね、郡部に行けば行くほど保守的だし、なかなかネットも、相当、今60代70代の人もネットは見ているんだけど、うちの吾妻の80代の実は支持者の方が、何で太田市長選挙で、年寄りを応援するんだとか怒ってきたからね、ネット見ているんだと思って、驚いたんだけど。だけど、そういう傾向があっても、やっぱり都市部の方の影響のほうが、ネット波及率が高くて、だから玉村(町)とか大泉町とか吉岡町が負けたのは、やっぱり都会的な雰囲気がちょっとあるわけですよ、外に開かれたね。前橋と太田の影響力が強い地域じゃないですか。だからそういうことを考えると、自民党の最後の底力と、それからネット選挙の限界。これがやっぱり最後に来たのかなと。ただ郡部の方は、町村はあと全部清水さんが勝っていますから。だから、そこまではあんまり流れが届いていない。でもね、政権交代の2009年のときは隅々まで届いていた。田舎に行っても全然駄目だった。今度は自民党だめだと言われて、もう怒りが極度に達していて、政権交代させなければだめだっていう、本当にゴリゴリの自民党支持者の、田舎のおじいちゃんまで全部自民党だめだって言っていたから。そこまでは行かなかったっていう、この2つじゃないですかね。
最後に言うと、やっぱり選挙って、この間の都議会議員選挙あったじゃないですか。石丸さんの新党って、ネットの視聴回数だったら多かったんですよ、10万回とかって。だけど、1つも(議席を)取れなかったでしょう。だから、やっぱり選挙って、ネットの力が強くなっているんだけど、ネットだけだったら勝てない。やっぱり地上戦と空中戦と両方やらないと勝てないという、私の一応基本認識が間違っていないということは今回感じました。
●選挙での候補者擁立に関する考え方について
(記者)
知事にお伺いしたいんですけれども、先ほど参政党は全ての選挙区に出すべきだっていう持論を聞かせていただきましたが、これは知事選についてもということでしょうか。
(知事)
それは、参政党でも立憲民主党でもいいと思うんですけれども、やっぱりちゃんと候補者を立ててもらうと。それで、いつも最大野党って言っているのは、最大野党が、だって一番強敵でしょう。なおかつ、やっぱり政策の選択肢をどっちから比べるっていう意味でいうと、普通は最大野党じゃないですか。だけど、いつもやっぱり最大野党は立てないじゃないですか、全選挙区に。政権交代っていうんだったら、全選挙区に立てるべきだと、国会議員の時代からも、昔のブログ見てもずっと言ってきたんでね。その方が自民党も進化する。一人一人の国会議員のレベルも上がるということで、次の衆議院選挙は、参政党でも、別に立憲民主(党)でもいいと思うんですけど、主要な野党はちゃんと全部立てるべきだと思います。だけど参政党は立てるんじゃない、全ての小選挙区に。このなんか参議院のときの姿勢を見れば。でもそれがまた立憲に影響を与えて、ちゃんとどの選挙区でも政策の選択肢っていうものを示さなければいけないっていう流れになってくんじゃないですかね。
(記者)
知事選でも、ということ・・・
(知事)
それは参政党とか立憲とか分かんないけど、ちゃんと立ててもらいたいですね。まだ出るか分かんないから、その次の人になったとしても、やっぱりちゃんと主要な野党から候補者を出すべきだと思います。やっぱり共産党は悪いとは言わないけど、実質的な信任投票みたいなものは駄目だと思う。
●次期群馬県知事選挙出馬に関する態度表明について
(記者)
それで来週の31日に、知事が3選目指すかお話をされるということですけれども、ちょうどその直前に、定例の記者会見が予定されています。定例の記者会見の方では、知事選についてのお話は言及されず、後援会の方でとお考えになっているポリシーといいますか、そのあたりはいかがでしょうか。
(知事)
できるだけ、お世話になった大勢の人に初めて伝えたいからです。もうそれに尽きるんですよね。だって、そんな何か今週とか(来週の会見とかで)出たら、怒るもん、みんな。みんな何かそうじゃなくても怒られているんだから、「途中でやめる気なのか」とか言って、すごい怒られていて。やっぱり人間って、相手のことが大事だと、人から聞くのって不愉快なんですよ。「何で俺に話してくれなかったのか」っていうことになるでしょう。みんな集めるのは、できるだけお世話になっている人に時差なく伝えるためなんで、だからぎりぎりまで考えて、そこで発表したいなと。ただ、この間に世論調査できるかなっていうのと、少しずつ聞き始めているけど、これ全員に意見は聞けるのでやりますけど。本当は世論調査をやりたいなと思っているんですけど。いずれにせよ、当日に発表するつもりです。
それでは最後に、県民の皆さんに少しお話をさせていただきたいと思っています。今日、やはり参議院選挙についてのいろんな話題が出たんですけれども、もう一つ、政治とお金の問題について言うとですね、今日、相沢県議が再逮捕されて、そしてずっと事情聴取が続いていたんだと思いますけれども、桐生の現職の副市長が逮捕されるという事態が起こりました。これは、何度も言いますが、あってはならないことだと私は思っています。群馬県でですね、この3年間の間に現職の副市長が3人続けて逮捕されていくっていうことについては異常事態だと思っているので、本当にこの古い利権構造みたいなもの、特に行政が関わっているので、群馬県はそういうことが絶対ないようにしたいと思いますが、これはやっぱりみんなで本当に変えていかなければいけないと思います。本当に有権者の皆さんからしっかり声を上げてもらってですね、ちゃんと政治家が襟を正せとやっぱり言っていただきたいなと思いますし、今回の(桐生市の前)副市長の逮捕も受けて、県としては、さらにですね、もうすでにコンプライアンスの体制を整えていますけれども、こういうことがないように、一昨日、庁議でも(幹部職員の)皆さんにあらためて綱紀粛正、襟を正すことを求めましたけれども、しっかりやっていきたいと思っています。群馬県は県民の皆さんの信頼を失わないようにですね、これからも都合の悪いことは隠さず、しっかりと情報公開しながら、健全にですね、県政を進めていきたいと思っております。ということで今日もちょっと長くなりましたが、記者の皆さんには最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。これにて定例会見を終わりたいと思います。
( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。