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■日時 令和7年8月7日(木曜日)14時05分~15時05分
■会場 記者会見室
■出席者 県:知事、副知事ほか
記者:記者クラブ所属記者等16人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
20250807山本一太群馬県知事定例記者会見<外部リンク>
■知事冒頭発言
それでは、定例記者会見を始めさせていただきます。今週4日月曜日に、気象庁は、火山性地震の増加や地殻変動が認められるとして、草津白根山・湯釜付近の噴火警戒レベルを「2」に引き上げました。このことを受けて、草津町では火口から概ね1キロの範囲について今、立入規制をしています。群馬県においても、国道292号・志賀草津道路の一部を今、通行規制をしている状況です。近隣にお住まいの方はもちろんのこと、草津方面に行かれる方は、気象庁や自治体が発表する情報をよく確認をしていただいて、火口周辺をはじめとする危険な地域には立ち入らないように、ぜひお願いしたいと思います。
話は変わって、一昨日の5日火曜日、伊勢崎市で41.8度を観測いたしました。これは国内での統計史上最高気温ということになります。伊勢崎市のほか、県内で40度を超える地域も多くありました。そこで、知事から県民の皆さんにお願いがあります。熱中症対策には、こまめな水分補給や、我慢せずにエアコンや扇風機を使うこと、そして十分な睡眠などで体調を整えることが有効です。この3つのことに、県民の皆さん、ぜひ十分気をつけていただきたいと思います。
さて、来週からお盆の時期を迎え、この定例記者会見も実施されないということなので、本日はその前に県民の皆さんにお伝えしたいことがあります。来週12日火曜日で、御巣鷹山の日航機墜落事故から40年を迎えます。この事故では、乗客乗員524名のうち520名が亡くなられました。今年も、同日に行われる追悼慰霊祭に出席し、犠牲となられた方々とご遺族に対し、心から哀悼の誠を捧げたいと思っています。40年という時間が過ぎても、遺族の悲しみが癒えることはありません。群馬県としても、これからも事故の記憶を風化させることなく、事故の悲惨さや、安全対策の大切さを、次の世代にしっかりと引き継いでまいりたいと思います。
それでは、会見の中身に移りたいと思います。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。本日は、「『G-アナライズ&PRチーム』による群馬のなすの分析結果」や、「KANPAI!GUNMA 2025(カンパイグンマ・ニーゼロニーゴー)」などについて発表させていただきます。
(知事)
まず、「『G-アナライズ&PRチーム』 による群馬のなすの分析結果」です。皆さんご存じだと思いますが、知事就任直後に、「G-アナライズ&PRチーム」を立ち上げました。これは、群馬県産の農畜産物について、「健康」などに関わる成分を科学的に分析し、販売促進や生産振興につなげると、こういう目的で設置したものです。スライドをご覧ください。この「G-アナライズ&PRチーム」では、これまで、「やよいひめ」、「豚肉」、ここ(スライド)に書いてある9品目について、分析を行ってまいりました。10回目となる今回は、「なす」について分析をいたしましたので、その結果を報告したいと思います。次のスライドをご覧ください。農林水産省の統計によると、群馬県の「なす」は「夏秋なす」として、9年連続で全国1位の出荷量を誇っております。群馬県は、消費量が多い首都圏に近いということもあって、鮮度や品質が高く、そして、まとまった出荷量を確保できるということで、市場から非常に高い評価を受けています。ここに、さらに健康機能という強みを付け加えるために、成分分析を行って、このたびレポートにまとめました。それでは、分析結果の詳しい内容を、「G-アナライズ&PRチーム」の飛田(とびた)さんから説明をしていただきます。どうぞ、飛田さん。
(野菜花き課担当者)
農政部野菜花き課の飛田と申します。ぐんまの「なす」の分析結果をチームでまとめましたので、代表して報告します。次のスライドをご覧ください。「群馬のなす」のセールスポイントを端的に表現すると、「なす1本で健康に!」です。それでは、分析結果に入る前に、まず群馬県のなすについて説明します。次のスライドをご覧ください。群馬県では、平坦地を中心に県内各地で、ハウスの中で栽培するハウス栽培と、外で栽培する露地栽培が行われています。夏秋なすは7月から11月までに収穫されるなすのことを言います。まさに今の時期が旬のシーズンです。ハウス栽培と露地栽培の時期をあわせると、長期間収穫することができ、4月から11月頃まで、スーパーや直売所に並びます。また、「なす」の栽培は、他の野菜と比べて初期投資を抑えられ、価格も安定していることから、群馬で新たに農業を始める方に一番選ばれている野菜が「なす」となっております。次のスライドをご覧ください。続いて、なすの健康機能の分析結果についてご説明します。なすにはアセチルコリンが多く含まれています。アセチルコリンとは、体の中で「神経伝達物質」として働く、とても重要な化学物質です。アセチルコリンを1日当たり2.3ミリグラム摂取すると、血圧が高い方の血圧上昇を抑える効果があると言われています。次のスライドをご覧ください。なすは90%以上が水分で、1本で18キロカロリーと、とてもヘルシーな野菜です。ゆえに、栄養が少ないと思われがちですが、アセチルコリンについては、他の野菜と比べて約3,000倍と圧倒的な量が含まれています。また、加熱することでアセチルコリンがさらに増えると言われています。次のスライドをご覧ください。今回、1月から12月まで、毎月群馬県産のなすを収穫し、1本あたりのアセチルコリン含有量を調べました。その結果、年間を通じて、血圧改善の目安である「1日当たり2.3ミリグラム」を、十分に摂取できるだけの量が含まれていることが確認できました。次のスライドをご覧ください。なすには、アセチルコリンのほかにもGABA(ギャバ)が豊富に含まれています。GABAもアセチルコリンと同じように、体の中にある「神経伝達物質」です。血圧降下や精神安定作用が期待でき、その必要量は1日当たり30ミリグラムとされています。次のスライドをご覧ください。群馬県産のなすを分析した結果、なす1本あたりに約40ミリグラムのGABAが含まれていることが分かりました。なす1本で、GABAの1日の摂取目安量である30ミリグラムを十分に摂取することができます。GABAの含有量を強みにしている、バナナと比べても、とても多いことが分かります。次のスライドをご覧ください。最後にまとめますと、アセチルコリンの血圧改善効果、それから、GABAの血圧降下や精神安定作用、これらの効果が得られる必要摂取量を「なす1本」で簡単に取り入れることができます。繰り返しになりますが、「なす1本で健康に!」。先ほど申し上げたとおり、ぐんまのなすは今、旬の時期を迎えております。ご自身の健康にも良いですし、農家の方を応援していただくことにもつながります。県民の皆さまには、ぜひ、なすをいっぱい召し上がっていただければと考えております。発表は以上になります。
(知事)
はい、飛田さん、ありがとうございました。今、飛田さんが言っていたように、「なす1本で健康に!」。これがもうキャッチコピーですから皆さん覚えてください。「なす1本で健康に!」ですね。県民の皆さんには、ぜひ、群馬県産の「なす」をいっぱい召し上がっていただければと思います。今後も、G-アナライズ&PRチームでは、群馬県を代表する農畜産物の分析を進めて、新たな知見が得られたら、この会見でその都度報告をさせていただきます。このキャラクターなんて言うんだっけ、飛田さん。
(野菜花き課担当者)
「なすなすナースちゃん」です。 ※正しくは「なすナースちゃん」
(知事)
「なすなすナースちゃん」っていうんだよね。ナースなんですよ、モデルは。それだけちょっと皆さん、はいこれです。なすなすナースちゃん。「なす1本で健康に!」ということで、皆さん覚えてください。
それでは、続いて、「KANPAI! GUNMA 2025」の開催についてです。群馬県では、豊かな自然に育まれた清らかな水と、優れた技術を持つ酒蔵の皆さんの手によって、各地で個性豊かで美味しい地酒が造られております。群馬の地酒は、国内外のコンクールで多くの賞を受賞するなど、高く評価をされています。こうした群馬の地酒の魅力を、より多くの方に知っていただくために、このたび、北関東最大級の試飲イベント「KANPAI! GUNMA 2025」を開催いたします。スライドをご覧ください。開催日は、10月3日の金曜日と4日の土曜日の2日間です。会場は、Gメッセ群馬ということになっています。イベントでは、群馬県内の日本酒を一度に飲み比べできるほか、クラフトビールやワインなど、日本酒以外のお酒も多数提供いたします。また、群馬県内の酒蔵に加えて、茨城県、栃木県、埼玉県、新潟県、それから長野県の酒蔵にもご参加をいただく予定です。お酒のブースは30カ所以上となって、非常に盛大なイベントになります。そして、お酒に欠かせないグルメも、ここで多数販売をさせていただきます。群馬県産の食材を使った人気飲食店が、約20店舗出展する予定になっています。群馬の地酒とあわせて、群馬の「食」もふんだんに楽しめる内容となっています。また、日本酒にあまり詳しくないという方にも楽しんでいただけるように、自分の好みの味を見つけられるビギナー向けのブースもご用意をさせていただきます。さらに、造り手の思いを知ることができるセミナーなど、多くの特別企画も実施いたします。入場は無料ですが、お酒の試飲には別途チケットが必要となります。お得な前売りチケットの販売も開始しています。試飲チケットの購入方法やイベントの詳細は、いつものとおりですが、スライド記載のQRコードの方から公式ホームページをご確認いただきたいと思います。お酒の好きな人はもちろん、これまであまり群馬の地酒に触れる機会がなかったという方も、ぜひ足を運んでいただいて、群馬の地酒と食の魅力を味わっていただければと思っております。
続いて、「直滑降ストリーム」の配信についてお知らせをいたします。スライドをご覧ください。「県議と知事の紅茶懇談」配信のお知らせです。この企画は、もう何度もここで言っているように、群馬県議会議員の皆さんをお迎えして、親しみやすい、この身近なテーマで懇談をすると、こういうシリーズです。13回目のゲストは、自民党の松本隆志県議です。番組では、中学校で陸上部、高校では男子校のラグビー部で活躍された、松本さんの体育会系の一面をご紹介しています。また、大学では共学の環境に戸惑いながら、よくある話でよく分かるな、少しずつ交友関係を広げていったエピソードとか、人生のパートナーである奥さまとの思い出、ここが一番の肝だと思いますが、これについても語っていただきました。真面目で誠実、ちょっと不器用な松本隆志県議の人柄がよく伝わる、そういういい中身になったと思っています。明日8日の金曜日の20時から、群馬県公式YouTube チャンネル「tsulunos」で配信いたします。ぜひ、ご覧いただきたいと思います。
最後に、私から県民の皆さまに改めてお伝えをしたいと思います。先週7月31日の木曜日、山本一太後援会全体会戦略会議を開催し、そこで、2年後の知事選について、3選を目指して、正式に立候補すると表明させていただきました。先週の会見でも触れましたが、支援者の皆さんの声、独自に実施した世論調査、私自身の健康状態を踏まえて、決断をいたしました。群馬県のためにまだ、私が役に立てることがあると。そして、山本一太にしかできないことがあると。そのように、僭越ながら確信をいたしました。これまで皆さんご存じのとおり、次の知事選挙に立候補するかどうかを、真剣に悩みました。知事を辞めた場合の、この第2の人生のイメージも、具体的にどんな形で、例えば知事を辞めた後、生きていこうかっていうことも、相当本気で考えました。そういう中で結局、今回3選を目指すことを決断いたしましたが、これもブログに書いたんですけど、こうやって悩む過程ってのはとても大事だったっていうふうに、ここでも申し上げましたけれども、この知事という今の職業、これは私群馬県で生まれて育ったので、群馬県のためにやっぱり役に立てるっていうことは本当に望外の喜びっていうか、人生の後半にきて、終盤にきて、こういう仕事に巡り合ったことをとても幸せに思っておりますし、できる限り皆さんの役に立ちたいと思いますが、ただですね、このプロセスの中で分かったのは、いざとなれば、知事という看板を捨てて、いつでも捨て身で勝負できると。こういう自分自身の覚悟を確認することができたと思っています。何度も言っているように、県民の皆さんに知事になることも、知事を続けることも目的ではありません。この知事という看板、手段を使って、県民のために何ができるか、ここが一番大事だと考えています。この初心を忘れずに、2年後の選挙も戦いたいと思いますし、これ、勝つことができれば、まだ分かりませんが、これを乗り越えれば6年やるってことになりますが、ここで改めて皆さんに、この私の初心というものをお伝えしておきたいと思います。今後、選挙に向けた準備を進めていくことになります。すでに(群馬県)建設業協会から、2年前なのに、もういち早く推薦をいただいたという状況ですけれども、ここから着実に準備を進めていきますが、これ当たり前なんですけど、もうこうした知事としての公務には、1%も手を抜かないで頑張りますので、そのことも県民の皆さんに申し上げておきたいと思います。
私からは以上です。何かご質問があればお受けしたいと思います。
●G-アナライズ&PRチームによる群馬のなすの分析結果について
(記者)
まず案件内からで、なすのG-アナライズの関係でよろしいでしょうか。アセチルコリンが多く含まれているということで、先ほどのグラフだとたぶん7、8ミリグラムかなと思うんですけれども、1本あたりの平均の含有量をあらためて教えていただければと思います。
(知事)
担当の飛田さんから。
(野菜花き課担当者)
先ほどのグラフにあったとおりですね、平均だと8ミリグラムの分析結果が出ております。非常に高い数字ですので、ぜひ皆様にはですね、たくさんなすを食べていただければと思います。よろしくお願いいたします。
(記者)
年間を通して8ミリグラムが平均ということですか。
(野菜花き課担当者)
はい。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。
(野菜花き課担当者)
また、すいません1点だけ、先ほどですね、キャラクター名を「なすなすナースちゃん」とお話させていただいたんですけれども、正しくは「なすナースちゃん」でございました。大変申し訳ございません、訂正させていただきます。
(知事)
「なすナースちゃん」?「なすなすナースちゃん」じゃなくて。
(野菜花き課担当者)
大変申し訳ございません。「なす」と「ナース」をかけて健康成分を主張するPRキャラクターとして、愛着のあるキャラクターをつくりましたので、よろしくお願いいたします。
(知事)
飛田さん、退席する前に「なす1本で~」と言ってください。
(野菜花き課担当者)
はい。「なす1本で健康に!」
(知事)
はい、ありがとうございました。
(記者)
ありがとうございました。私も群馬県産のなすをたくさん食べていきたいなと思いました。
●KANPAI!GUNMA 2025について
(記者)
もう1つ案件内でですね、KANPAI!GUNMAの関係なんですけれども、こちら北関東最大級の新イベントと謳っていますが、その根拠というか、全国で見た中で他にどういうのがあるのかとか、あと北関東でも他に大きなものがないかというところの確認を。
(知事)
それでは産業経済部長どうぞ。
(産業経済部長)
ご質問の北関東最大級のイベントということで、酒の本当に有名どころでは、東北ですとかで大きなイベントは開催されていますけれども、北関東では、これほどのイベントをやるというのは、調査した中では、群馬県が今回開催するものが一番大きいだろうということで、そういう表現をさせていただいております。
(記者)
分かりました。群馬県が調べた中でなかったということで・・・
(産業経済部長)
はい。そういうことでございます。
(記者)
出店数ということですか。規模としては。
(産業経済部長)
出店の規模もそうですし、予算的な、事業費的な規模も含めてということで、最大級という表現をさせていただいております。
●米国関税の発動について
(記者)
今度は案件外になってしまうんですけれども、今日の午後1時過ぎなんですけど、アメリカの関税が15%発動されたということで、一部日米間で食い違いもニュースで取り上げられていましたけれども、ひとまずこの15%の関税が発動されたことに対しての知事の受け止めをお願いいたします。
(知事)
まず産業経済部長から。事実認識で。
(産業経済部長)
食い違いという報道がされておったんですけれども、先ほど林官房長官が食い違いはなかったということで、赤澤大臣からの報告を受けて公開されておりますので、15%の合意というものがそのまま動いていくだろうと。ただ自動車に関しては、まだ27.5%か、15%になるとしてもいつからこれが発動されるのかということが、まだ示されていないので、群馬県の基幹産業を支える立場としては、そこはしっかりとこの後、分析をして取り組んでいきたいと思っております。
(記者)
知事に、自動車とその他で分けて、2つ関税について質問したいと思いますので、それぞれ分けてコメントいただければと。
(知事)
あの分けるっていうかね、今ちょうど産業経済部長から説明があったんですけれども、まず、この石破政権のトランプ関税に対する対応、いろんな評価がありますよね。私は、石破総理は相当に頑張られたんじゃないかと思いますし、これはかなり石破政権としての成果だと思っています。特に赤澤大臣が何度も渡米をされて、非常に奮闘されているんじゃないかなと思っています。いろいろ細かいところはともかくとして、少なくとも15%まで全体の関税を下げるというところを合意したわけですよね。これはここでも言ったように、記者さんもご存知だと思うんですけど、そもそも非常に難しい交渉で、誰がやっても大変なんですよね。これ、もし安倍元総理が生きておられて、安倍元総理が総理だったら変わったかもしれませんが、それ以外はね、誰がやっても非常に難しい中で、かなり石破総理としては、私は、これはこの時点では成果を上げたというのがフェアな評価だと思います。それは、例えば日米で食い違いがあるとか、文書が残っていないとかいろいろ言われているんだけど、例えばEUの方も15%になるんですか。これは大統領令とかね、いろんな担当部局の文書とかにEUだけあって、それ以外日本も含めてないので大丈夫かとか、まさにさっき言った自動車関係がいつ下がるかっていうのが分からないみたいな話があるんですけれども、今のトランプ政権の状況とか、他の国とのいろんな交渉を見てもね、これ以上のことは無理だと思うんですよね。例えばね、ヨーロッパは15%で一応決着したって言われているじゃないですか。昨日の夜も、アメリカとヨーロッパの交渉の結果を見てきたんですけど、例えば欧州もいろんな形でアメリカに対して、アメリカの要求を飲む形で対応するということを決めたわけですよね。例えば、欧州も米国に対して、確か6,000億ドルかなんかの投資をするっていうことを一応表明していると。これ日本の80兆円より上でしょう。88兆円とかでしょう。これ本当にできるかどうかってめどないと思うんですよ。たまたまね、数日前に今イギリスに在住している、欧州を研究している研究者と会ったんですけれども、極めて難しいんじゃないかと言っていたから。要は、やっぱり今のトランプ大統領の政治的な立場を考えれば、中間選挙のこともあるし、やっぱりこの関税交渉で成果があったということを示すことが大事なんであって、そこのところはあまり細かく詰めていないからみたいな話はちょっと違うと思いますよ。例えばね、EUということで言ったら、アメリカとNATOの防衛費の交渉ってあったじゃないですか。これもNATO諸国が防衛費のGDP比を5%にするっていう、これを目標にするということを決めたわけでしょう。不可能だと思うよ、普通で考えたら。それから、2035年かなんかで私の記憶が正しければ、まずは3.5%にしてみたいな話じゃないですか。それで、NATOの事務局長のオランダのルッテ事務総長かなんかが、トランプ大統領をものすごく賞賛するようなお話をされていたんだけど、3.5%だって普通に考えればすごい難しいと思うんですよね。だってね、見てもらえば分かるけど、イギリスもフランスもドイツも2%ちょっとぐらいでしょう。これを3.5%にするのも大変だし、5%でしょう。だってスペインとか、さらにそれよりも、本当1%台ですよね、イタリアとか。だからこれは、私は5%の目標で合意したのを見てね、やっぱりトランプ大統領としては、目標が完全に実現できるというよりは、そういう意志をしっかり、NATOがトランプ大統領の要求を受けて示したっていうことに、やっぱりポイントを置いているんだと思うんですよね。これはだって、実現できるかどうか本当分からないし。かなり難しいって言っている人が多いわけなんで、そういうことから言うと、あんまり緻密にこことここが食い違っているみたいな話をすることは、あんまり意味がなくて、それは今の段階で言ったら、ある意味日本側としては相当頑張ったんじゃないかと。よく分かりません、いろいろ専門家がね、トランプ大統領の国内事情が影響したとか、エプスタイン問題がよかったとか、あるいはいろんな人たちに知恵を借りて、トランプ大統領を怒らせない、いろいろ心理作戦を展開したとか、いろいろ言われているけど、この段階で言ったらかなりの成果を上げておられるんじゃないかと。あとは、これはもう日本だけじゃなくて、どこに対しても同じなんで。何かあればまた上げるっておっしゃるかもしれない。トランプ大統領自身は個人的には嫌いじゃないけど、基本的にもう不確定な要素が多いんだから、それはここで何かね、食い違っているとか文書がないとかいうこと自体が、あまり意味がないと思います。あの、今の段階ではできることはかなり石破総理が頑張られたんじゃないかなと、私はそういうふうに評価しています。
(記者)
その中で、15%以下のものに関しては15%になるわけですけど、それに対する県内経済の影響で懸念されているところを教えてください。
(知事)
まず産業経済部長から。
(産業経済部長)
これまで交渉の状況ですとか、いろんな報道がされる中で、その都度私どもも対策会議、それから県庁内で立ち上げた対策本部会議の中でいろいろ議論してきているんですけれども、現状15%というものに対して、これがこの後どうなるかというのはまだまだ不確実な部分があるということで、今、県内企業それから団体にあらためて情報収集をさせていただいております。今般、先ほど申し上げたように15%の合意は間違いないということなので、これからもう少ししっかりした情報が入ってくると思っておりますので、それをまとめて今月末をめどに対策会議、それから対策本部会議を開催できればと思っております。
(知事)
影響っていうか、もうこの関税がかかるっていうことだけで、当然自動車産業にはものすごい影響がありますよね。確かどこかの報道で見たんだけど、総理が広島県に行かれて、確か広島の商工会議所の会頭かなんかが、早速もうすでに自動車産業に影響があるから、マツダの会長がおっしゃっているように、やっぱり群馬県にとって最大の関心事はSUBARUなので。やっぱり自動車産業についての影響をすごく懸念をしています。今言ったように、いつ下がるのかというのもあるし、もうすでに関税をかけられることによって、いろんな分析がありますけれども、それは明らかにマイナスの影響があるので、石破さんが今のところ、林官房長官が言ったように下振れの影響を少し抑えたんじゃないかと言っているんだけど、そこも含めてよく見ていかなければいけない。群馬県にとって一番の関心事は自動車です。それからあと農畜産物。これもよく見ていかなければいけないかなと思います。
●SUBARUの2025年4~6月期決算について
(記者)
せっかく自動車の話をいただいたので、今日ちょうどSUBARUの4月から6月の決算が出ていまして、それによりますと、4月から6月までの3カ月間の決算では、最終的な利益が548億円あまりで、昨年度の同じ時期と比べて34.7%の減益となっていて、今年度1年間の業績見通しに関しても、営業利益が2,100億円押し下げられるとの見通しを今日明らかにしているんですけれども、そこに対する知事の受け止めをお願いいたします。
(知事)
まず、産業経済部長どうぞ。
(産業経済部長)
今回の発表についてなんですけれども、4月にSUBARUさんが公表された時には3,600億の影響があるという話をされていました。その時にはまだしっかりとした分析をされていないということで公表されていなかった部分が、今回の四半期報告の中でされたと認識しております。通期の予想の中で、売上高が前年比でマイナスの2.3%、それから営業利益が2,000億円でマイナスの50.7%ということで、その時に公表した3,600億と比べますと、今回公表されたものが2,000億ということですので、そういう意味では、まだまだ不確実な状況にある中にあっても、影響は少なくなってきているのかなと捉えておるところでございます。
(知事)
これはすでに予想された状況ですよね、この関税の影響からすれば。ただ、ここはもうSUBARUの方もあらゆる努力をして、乗り越えていかれる様々な努力をされていると思いますが、我々としては、県として、それに対して、SUBARUを含む自動車産業をしっかり応援していくということと、それからまさに広島のマツダの会長がおっしゃったように、政府の方も、とにかくこの関税、今のところ下がったとはいえ影響あるわけだから、ここのやっぱり影響を緩和するっていうことについては、特に自動車産業を中心にしっかりやっていただきたいと思いますし、そのことは今後の政局、いろいろあるかもしれませんが、政府にもよくお願いしていこうと思います。
(記者)
県としても、SUBARUさんとか規模が大きいので、なかなか財政的な支援とかも難しいところはあるかと思いますけれども、また関税の見通しが立っていないという話で難しいかなとは思うんですけれども、その中で県として、今後どのようなSUBARUへの対応というか、太田をはじめとした自動車関連事業への支援だったりとか、あとは政府との連携、今後の対策会議とかの見通しも含めて、どのように対応していきたいかというところを・・・
(知事)
まずは産業経済部長どうぞ。
(産業経済部長)
お話に関しては繰り返しになるんですけれども、まずは情報をしっかりと、合意というものがはっきりとしましたので、しっかりと情報収集をしていきたいと考えております。これも繰り返しになるんですけれども、これまでの中で、この後、国がどのような補正措置を打ってくるか、これまでも県としても大臣へのいろいろな要望もしてきておりますし、それが骨太(の方針)にも反映されてきているということも含めまして、どういった制度で補正が組まれてくるかによって、SUBARUさんのような大きな会社、企業さんに対してどんな支援ができるか、また県内でその影響を受けていくであろう中小・小規模事業者の方々にどんな支援ができるかというのは、しっかりと補正の中で組んでいきたいと思っておりますし、すでに補正の準備を手前どももさせていただいておりますので、対策会議、それから対策本部会議を受けて、しっかりと予算を組んでいきたいと思っております。
(知事)
もう対策本部会議で、いわゆる資金繰りのスキームというものを発表していますが、そういう形で、今まさに産業経済部長が言ったように、政府がどういう補正を組んでくるかということを見極めながら、県だけでできないことがいろいろあるので、国の動向を見ながら、我々ができるメニューをしっかり考えていきたいと思います。
(記者)
補正予算で予算措置を講じていくというところですかね。
(知事)
はい。
●米国関税による農畜産物への影響について
(記者)
せっかくなので、農畜産物の方もあわせて、今後への対応を、自動車ではなくて農畜産物の方もいただければと思います。
(知事)
どうぞ。
(農政部副部長)
農産物の関係でございますけれども、二通りありまして、一つは輸出の分野になりますと、一番群馬県が出ているのが、やっぱり牛肉が北米中心に行っております。現状、現在までの情報ですと、牛肉につきましては、26.4%で据え置き、15%以上の部分でありますので、26.4%ということで据え置きになっておりますので、今後の動向を注視したいなと考えております。あと一つ、こんにゃくがやはり群馬県から北米に行っているんですけれども、こんにゃくにつきましては、現状は量が少ないのと、あと関税自体が非常に例えばこんにゃくゼリーとか板こんにゃくとかいろいろとありまして、なかなか一律に関税を述べることはできないものですから、その辺も今後注視してまいりたいと考えております。あと輸入の関係、お米の関係ですね、ミニマムアクセス米等の話も報道されておりますけれども、その部分は今、国の方でいろいろと議論されておりますので、その部分も注視してまいりたいと考えております。
(知事)
牛肉もしっかりとフォローしていきたいと思います。
●熱中症対策について
(記者)
先ほど、冒頭の発言の中には熱中症対策のことがあったんですけれども、こうした酷暑の中でも、特に中高生とかはですね、スポーツとかで、特に屋外スポーツなんかだと厳しい環境におかれているんですけれども、あらためて知事からの注意、啓発を。
(知事)
先ほど申し上げたとおり、ちょっと異常な状況になっているので、今まで以上に、夏は暑い、ずっと気温が上がってきているとはいえ、ちょっと群馬県に、ものすごく熱が集まっているみたいな、そんな状況になっているので、くれぐれも、もうすでにいろんな注意をしながらやっていると思うんですけど。例えばね、少年野球も含めて指導者の方々、あるいは高校野球もね、そこら辺については十分な対策をして、こまめに水分補給をするとかも含めてですね、ぜひしっかり対策を取って、クラブ活動を含めて、やっていただきたいなと思っています。
●県内での酪農家減少にかかる対策について
(記者)
ちょっと暑さにも関わるんですが、群馬県内で酪農家がこの10年間で半減しているそうです。生産者組合は統合するなど合理化を図っているそうですが、餌代なども飼料が高くなっている上に、先ほどの酷暑も乳量の減少とかにつながっていくそうです。行政としてどのような支援をお考えですか。
(知事)
まずは担当者、どうぞ。
(農政部副部長)
先般の上毛新聞さんの記事で出されていましたけれども、書いてあるとおり、群馬県以外の、北海道を除いた他都府県でも同様に、減少の傾向が著しい状況が続いております。かたや酪農戸数は減っているんですけれども、一酪農家あたりの飼養頭数は増加している傾向が伺えまして、やはり辞めている方と、規模拡大されている酪農家の方が並行して動いている中で、全体の飼養頭数でいきますと、減少が2割弱、17%程度ということで、なんとか群馬県の酪農は踏ん張っているかなと、そんな印象であります。お尋ねの、県としてどのような支援をということでありますけれども、これまでも国とか県では、飼料の価格が上昇した部分の補填などの緊急対策を行ってまいりました。ただ、今後は酪農を過度に輸入飼料に頼らない、輸入の餌に頼らない生産構造に変えていく必要があるかなと考えております。そこで群馬県で特に現在取り組んでいるのが、酪農の方に自ら餌を作っていただくということで、いわゆる自給飼料と呼んでおりますけれども、この自給飼料の割合を高めていきたいと考えております。具体的に申しますと、一つは自給飼料の生産拡大ということで、例えばトウモロコシとか、そういった牧草を作る機械の導入の補助を行ったり、あとは、米の農家から出せる稲藁などの原料ですね、廃棄されている部分が多いんですけれども、そういった未利用の資源を活用しまして、いわゆる米麦農家、耕種農家というふうに、耕す種と書いて耕種農家と言いますけれども、耕種農家と畜産農家のマッチングを行って、いわゆる耕畜連携という言葉がありますけど、そういったものに取り組んでいきたいと考えております。
また、暑くて牛が餌を食べなくなったり、あとお乳の量が減ってしまったり、乳量が減ってしまったり、あと、子供ができないという受胎率の低下が心配されておりますので、現在、大型の扇風機とか、あと細霧装置という、いわゆる霧を吹かせるような機械ですかね、細かい霧と書いて細霧装置といったものも、国の補助事業もありますので、酪農家に情報提供して、推進を図っているところであります。
(知事)
だいたいもう全て言ってもらったと思うんですけれども、酪農家の数はとにかく減少しているんですが、さっきもちょっと話があったんですけれども、1戸あたりの実は飼養頭数は増えていて、依然として群馬県の酪農っていうのは、全国の生乳生産量でいうと、全国4位なんですよね。だから、そこら辺をしっかり考えながら、酪農に対して支援をしていかなければいけない。一つはやっぱり飼料価格がものすごく高騰しているということで、今言ったような耕畜連携、こういう形で一生懸命サポートしているということと、それからとにかく大型の扇風機、細霧装置の導入も一生懸命後押しをしています。いずれにせよ、群馬県の農業産出額3位ですよね。それで、全国生乳生産量4位。これ酪農なので、これは本当に大事な産業ですから、いろんな方策を通じてですね、供給安定に引き続き取り組んでいきたいと思います。
●「石破おろし」の動きについて
(記者)
続いて、政治の話なんですけれども、自民党が明日両院議員総会を開く方向です。こうした中で、裏金問題を巡りまして、東京地検特捜部が萩生田光一衆議院議員の政策秘書を略式起訴する方針を固めたそうです。旧派閥主導とされる石破おろしに影響するのではないかという観測も出てきていますが、知事のお考えをお願いします。
(知事)
これも中央の政局にあんまり知事としてコメントするのもどうかなと思うんですけど、少し思ったことだけ言わせていただくとですね、ある意味、今、自民党内で石破おろしみたいなものが起こるっていうのは、これは当然だと思うんですよね。やはり、衆議院選挙で負けて、参議院選挙でも与党で過半数を失ったと。3議席足りなかったということで、最後にかなり追い上げた感じはありますけれども、それでも衆議院選挙、都議会議員選挙、参議院選挙で、衆参ともにやはり少数与党になったということはあって、その結果について、石破総理の退陣を求める声が党内から起こるっていうのは、これはある意味当然の流れなのかなと思うんですね。
ただ一方、私も24年間国会議員をやっていたわけなんですけれども、普通だったら衆議院選挙で初めて与党が過半数を失ったと。都議会議員選挙で歴史的に惨敗したと。それで今回、参議院でも残念ながら過半数には届かなかったということですよね。私はずっとここで言っているように、個人的には石破総理に踏み留まっていただきたいと、石破政権にしっかり参議院選挙で目標を達成して、できるだけ早く政治を安定させてほしいと申し上げていましたし、また個人的には、石破総理にはすごく群馬県にも来ていただいたり、(温泉文化の)ユネスコ無形文化遺産登録の話に対しても非常にあたたかく見ていただいているので、個人的には少しでも長く石破総理にやっていただきたいという思いはもちろんあるんですけれども、普通の感覚からいって、こういう動きが起こるっていうのは当然だと思うんですよね。ただやっぱり私は、24年間自民党の国会議員をやってきたときと全く違う流れが出てきていると思うのは、これはおそらく時代が変わってきているということはあるのかもしれませんけど、普通だったら、参議院選挙に負けて、衆議院選挙にも負けた総理が、そもそもまず、そのまま政権に留まるみたいなことはあり得ないことなんですよ、普通ならば。普通ならば、例えば石破総理が今回、石破政権のもとでの参議院選挙に負けたということになれば、だいたい自民党内で9割ぐらいの人たちが、これは責任を取って退陣しろという声がわーっと自民党内に広がるはずなんですよね。もっと言うならば、最も国民の感覚に近い自民党員がいますよね、各地域の。つまり、47都道府県の地方支部、県連からやっぱりうねりのような声が上がって、すぐに総理は責任を取って変わるべきだという声がわーっと9割ぐらい広がって、そして、当然もう総理がにっちもさっちも行かなくなって、辞職を余儀なくされるか、あるいはご自分が辞職をするかっていうのが普通なんですよね。ところが今回の場合は、前の会見でもちょっと言ったんですけれども、そもそも自民党の地方組織からそれだけの流れが起きていないんですよね、普通だったら絶対に起こるはずの。つまり、いろんなメディアの報道とかYouTubeのいろんな番組なんかを見ていると、なんか地方組織に「反石破が広がった」みたいなことを言っているけど、実は石破さんに対して辞めろって言っている県連は3割もないんですよ、2割強でしょう。これ結構、まず今までとは違いますよね。それからこの間、両院議員懇談会をやったんですが、ものすごく荒れると、普通だったら大変なことになるんですけど、今までの常識ならね。60何人かよく分かりませんが、いろんな情報を集めると67、8人発言して、石破総理の続投を明言したのは6人ということだったんですけど、でも、その60何人のうち6人ぐらいしか石破続投を明言しなかった。あとは退陣するべきだと、責任を取るべきだという意見はあったんですけど、ここは全部じゃなくて、半分ぐらいは、もうちょっとなんか、私の感覚で言うと曖昧なことを言っている。結構中立的な、退陣せよまでみたいなことが起こっていない。これも今までだったらちょっとあり得ないことなんですよね。それはここでもちょっと申し上げたんですけど、なぜかっていうと、やっぱり国民の間に、石破総理の全て責任にするなと、何でもかんでも石破総理の責任にするっていうのはおかしいんじゃないかと、こういうムードが間違いなくあるんだと思うんですよ。ここで申し上げたとおりね、選挙のときに、まず群馬県の選挙でもそうなんですけれども、相手の政党の批判をするのはいいんだけど、まずはこれだけの逆風になったっていうことについての反省がなかったから、無党派には届かなかったって言ったんですけど。同じようにね、やっぱり国民の間には、なんで石破さん一人の責任するんだみたいな考え方がちょっとあって、そもそも自民党に対する国民が愛想をつかしたっていうのは、強すぎる言い方かもしれませんけど、不信感を持ったのは、政治とお金の問題じゃないですか。裏金問題についても、この対応にみんな納得していないですよ、完全には。だからそういう中で、なんか石破さんだけ下ろすっていうのはちょっと違うんじゃないのと。ちょっと人気がなくなったから、次の選挙はとても戦えないので、負けているから、ちょっとすげ替えてやればみたいなことは違うんじゃないかって、国民が思っているっていうことなんですよね。だからここはここでも申し上げたとおり、やっぱりよく自民党の方々には、かつての私の同僚の皆さんには考えていただいた方がいいと。普通で言えば、即退陣ですよ。だから読売新聞も「退陣へ」とか書いて、これは世紀の誤報になりそうだけど、毎日新聞も「退陣へ」って書いたわけでしょう。だけど、それが起こっていないんだから、何でそうなっていないのかっていうのは、やっぱりちょっとよく考えた方がいいんじゃないかなと私は思います。私は石破さんに頑張ってほしいとは思っていますが、次の両院議員総会が明日かなんかにあるわけですよね。ここでリコールの規定だけはあるみたいなことを言っているんですけど、リコールの規定って過半数でしょう。この世の中のムードの中で、石破内閣の支持率が、依然として低いけど上がっているわけでしょう、5ポイントとか6ポイントとかね。なおかつ自民党の中ではともかくとして、一般の人たちに総理は辞めるべきか、留まるべきかっていうのが半々でしょう。普通あり得ないですよ。これ普通だったらもう7割とか8割辞めろみたいなのに、なっていないわけでしょう。そういう中で、一気にこの両院議員総会でリコールっていうのは、辞めさせるっていうことはもちろん機能としてないのかもしれないけど、総裁選の前倒し、過半数でしょう。そういうことは本当に簡単にできるのかなと思ったりして、なかなか読めないなと思っているんで、私が2007年に国会議員だったとき、第1次安倍内閣で参議院選挙が行われて惨敗したんですよね。1人区が確か6勝23敗だったんですよ。今度確か14勝18敗かなんかでしょう。6勝23敗だったんですよね。その時に、7月の末に参議院選挙を総括する会合みたいなものが開かれた記憶があるんですけど、今回も多分8月下旬かなんかでやるんですかね、安倍総理の時も確か夏の8月だったと思うんですけど、だからそこでどうなるかとか、みんないろんな人が言っていますけど、そこら辺のところをちょっと見極めないと流れがよく分からないですね。何となく自分は外から見ていて思うのは、ちょっと複雑なものがあって、一方では、石破総理と久しぶりに会って、思ったより意外と仲良かったっていうことも思い出して、石破総理は本当に優しいですよ。TUMOに来た時もそうですし、いろんな発言を聞いても、やっぱりすごい配慮のある人だったなと思ったりとか、あるいは今言ったように温泉文化のことについても、相当忙しいのに無理して時間を作っていただいたりとか。赤澤さんもこれだけ忙しいのに、もう3回も続けて会っていますからね。こういうのを見ると、石破総理の今までのこといろいろ考えてみると、確かに石破さんだけの責任っていうのは外から見るとちょっなと思ったり、続けてほしいなと思う一方でね、やっぱり選挙至上主義者を旨とする一人の政治家として言うと、やっぱり退陣が出てくるのも当然だっていうのがあって、ちょっと自分の中でもアンビバレントなんですけれども、両方分かるんですよね。どうなっていくのかというのは、これからよく見ないと分からないんですけど、ただ、すでに、今までの永田町の常識ではあり得なかったことが進んでいると。すぐ退陣に追い込まれていないっていうことが、何がそうさせているのかっていうのは、これはやっぱり今の自民党の方々も、よく石破おろしを叫んでおられる方々もそうですけど、よくそこは考えていろいろ行動された方が、私が言うのは僭越ですけど、いいんじゃないかなと思います。
それからもう一つだけ、ちょっと言わせていただくとですね、分かるんだけど、選挙があって、落選する人たちいるでしょう。そうしたら、必ず政権のせいにするわけですよ。だいたい政権の支持率が低い中で戦ったら選挙不利なんでね。もちろん恨み言があるって、恨み節になるのは分かるんですよ。もちろんよく分かるんだけど、でもね、やっぱり選挙に負けて、誰とは言わないんですけど、全体の傾向として言っているわけだけど、選挙に負けて、すぐメディアに出てきて、石破批判するって同じ政治家として見ていると、かっこ悪いね、悪いけど。だってね、選挙に負けるのは政権の責任だけじゃないですよ。もちろん風はありますよ。本人の努力が足りないのと、人気がないからなんですよ、はっきり言うと。だってね、例えば2007年の本当に苦しい第1次安倍政権の時の大逆風の参議院選挙だってね、6人は勝ったんだから、33敗の中。私も勝ったし、和歌山県の世耕さんも勝ったし、林芳正官房長官もね、みんな勝ったんだから。2007年に勝ったときは、得票率は全国1、2位のどっちかだったですからね。だからやっぱり分かるんだけど、選挙に負けたのは政権のせいにしない方がいいと思う。それは自分の努力が足りなかったか、思ったより人気がないということなんで。やっぱりそこは、いいですよ別に、選挙に負けた人がいろんなことを言ったとしても。だけど、そこでなんか石破さんだけのせいにするっていうのは、ちょっと悪いけど、分かるけど、落ちたことないからとはいえ分かるけど、ちょっと違うんじゃないかなって、申し訳ないけど思います。これ以上言うと、また物議を醸して怒られるんで言いませんが、そのことだけはせっかく聞いていただいたんで、申し上げておきたいと思います。
●原子力政策の方向性について
(記者)
最後にもう1点なんですが、福島第一原発の廃炉に関連して、デブリの本格的な取り出しが2037年度にずれ込むそうです。こうした中で、関西電力が福井県で原発を新設する方針だそうですが、原子力政策の方向性について、あらためて今の知事のお考えをお願いします。
(知事)
はい。まず担当者から。
(グリーンイノベーション推進課長)
3月の記者会見で、原発政策の将来像について、上毛新聞さんからご質問をいただいたと記憶しております。その際には、原子力発電について語ることをタブー視することなく、このような議論ができるようになったこと自体非常に良いことだということで、知事からお答え申し上げたと記憶しております。原発の廃炉作業の進捗につきましては、群馬県として論評する立場はないと考えておりますが、福島第一原発の廃炉作業につきましては、世界でも前例のない技術で困難な取り組みが安全第一で進められると、このように認識しております。また、美浜原発の新設につきましても、事業者、国、立地自治体等において慎重に検討されるべきものであって、個別に見解を申し上げる立場にないと考えているところでございます。
その上でなんですけれども、原子力政策について一般論として申し上げますと、エネルギーはわが国の経済活動や国民生活の生命線でございます。電力の安定確保や脱炭素社会の実現には、徹底した省エネルギー、そして再生可能エネルギーの最大限導入をより一層進めていくと考えておりますが、その一方で、安全性の確保を大前提に、立地自治体等の関係者の理解と協力を得た上で原子力政策の推進が必要と考えております。
(知事)
もう今言ったことに尽きると思うんですが、例えば、今ご質問があったデブリの話とかね、美浜原発の新設とかについては、ちょっと個別の案件についてはなかなかコメントする立場にはないかなと思うし、これはもう国とか、その立地自治体でしっかり議論してもらうべき問題だと思うんですけれども、全体として言うと、さっきも担当者から話があったとおりなんですが、私が野党時代の自民党で、石破政調会長のもとで政調会長代理をやった時に、自民党のエネルギー政策っていうのをまとめたんですね。その時は大きな柱としては、基本的には脱原発を大きな方向としては進めていくと。その過程で、とにかく再生可能エネルギーの活用とか、省エネを徹底していくみたいな話だったんですよね。いろいろあると思うんですけど、一つは本当になかなか解決困難な問題っていうのもあって、デブリもそうだし、まさに再処理をどうするのかみたいな話もなかなか解決していないんですが、そこら辺のところの安全性をしっかり図った上で、やはり今のエネルギー需要に対応していくことも考えなければいけない。クリーンエネルギーでどういうふうに対応していくかということも考えなければいけないんで、そういうバランスの中で、やっぱり原発の話も考えていくべきかなと思います。
それから、やはりあとは科学技術の進歩もあってね、ちょうどいろんな議論をしている時にも、新しく開発されている小型の原発とか、あるいはそもそも非常に事故の起こりにくい安全性の高い原発とか、こういうやっぱり技術的なイノベーションとか、こういう技術的な進歩みたいなディープ(テック)っていうか、そういうものもよく見ながら、この議論っていうのは進めていかなければいけないのかなと思っています。
●知事の夏休みについて
(記者)
あの、ちょっと本当にニュースになるものではないんですけど、質問として。(知事が)ちょっとお疲れのように見えてですね、夏休みは取られるのかどうかっていうところなんですけど。
(知事)
夏休みはね、どこかで取ろうかなと思うんですけど、あの、お疲れっていうか、本当今日眠いんです。よく分かったね。さっきまで10分ぐらい寝て、起こされて来たので。でも最近、昔に比べるとよく寝る努力をするようになって、いろいろ心配して怒ってくれる人とかがいたりして、そこは非常に健康には気をつかっているのと、あと元気なんですが、ちょっと今日は寝不足だって見破られてすいません。さっき紅茶飲もうと思ったんだけど最近健康志向で、紅茶飲み過ぎなんで、白湯とか飲んでいるんでね。紅茶飲んでくればよかったんですけど、白湯だから眠いんです。それはいいんだけど、夏休みはちょっと今のところ入ってないんだけど、どこかで秘書課と相談して、少しは取らせてもらおうかなと。今までお盆休みって、国会議員時代はずっと新盆回りだったから大変だったんですけど、今、本当にどうしてもっていうところだけにしているので、少しお盆も休めれば休もうかなと思います。ありがとうございます。
(記者)
体調気を付けてください。
(知事)
すいません見破られたね、寝不足を。最近よく寝るように努力しているから、本当に努力しているんで。昔はなんか、気がつくと3時とかで、3時とかに寝ていた時代がずっとあったんですけど、長くね。バタッとくるじゃないですか、いくら元気でも。今はもう12時ぐらいに、必ず今日は12時に寝ようと思って、1時ぐらいに寝ていますので、かなり改善しました。
(知事)
じゃあ今日は最後にこれで終わりたいと思います。じゃあこれ、飛田さんの最後のなすナースちゃんのキャッチコピーを言って、それで今日の会見を終わりたいと思います。どうぞ。
(野菜花き課担当者)
「なす1本で健康に!」
(知事・野菜花き課担当者)
どうもありがとうございました。
(知事)
あ、しまった。すみません、皆さん。最後に一言だけ、にゅうさん(大塚副知事)から一言があるんで、にゅうさんどうぞ。
(大塚副知事)
すみません、今日はないのかなと思っていました。先週振られて、今日は私から、あまり長々としてもあれなんですけど、1時間で終わるかなと思って。一つ申し上げると、昨日、上毛新聞さんの朝刊に取り上げていただいていたんですけれども、高校生の職場オフィスツアーというのを県内の事業所さんと、それから県とで連携して取り組ませていただいています。これ伺うと、去年の高校生リバースメンターの方からの提言で実現した取り組みだそうでして、今年も4カ所に分けて行ううちの1回目は中毛が済んで、それを上毛新聞で取り上げていただいたということでありますけれども、このほか、東毛と西毛と明和町との連携という形で、あと3回取り組みが残っています。高校生の間、我々ここにお集まりの記者さんもそうだと思いますけれども、たぶん高校生の間に職場を見る機会っていうのはなかなかなかったと思いますけれども、早い段階でこの地元の企業さん、本当に魅力のある、各種、建設もあれば、ITもあれば、自動車もあれば、本当に群馬が誇る企業さんが集まって、オフィスを見せていただいて、食堂なんかも見せていただいたりとか、いろいろ多様な群馬に暮らして、働いていくというイメージが湧く取り組みだと思っています。ぜひ、高校生オフィスツアーという名前でありますので、ご関心を持っていただける方はぜひ検索をいただいて、締め切りがもうかなり迫っているものもありますので、ぜひお申し込みいただければと思います。すみません、お時間をいただきました。
(知事)
ちゃんとにゅうさんに準備してもらっていたので本当にすみませんでした。これからは一応、知事の最後の県民へのメッセージを削っても、「にゅうさんの一言」ということで、必ずこのコーナーを設けさせていただきますので、よろしくお願いいたします。ということで、今日もありがとうございました。
( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。