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OECDによるSSES生徒回答データの不適切なweb掲載について((教)総務課)

更新日:2024年6月27日 印刷ページ表示

OECD(経済協力開発機構)が、SSES(社会情動的スキルに関する調査)の生徒回答データファイルを、匿名化以外の処理を行わずに4月26日に一時掲載していました。即日公開停止されており、現時点で個人情報の侵害は生じていません。

【知事コメント】

OECDがこのような事案を起こしたことは大変遺憾である。
しかし、ファイルへのアクセスは研究目的と思われ、ダウンロード数は極めて少ない。また、現時点では個人情報の侵害は確認されていない。
OECDには、今回ダウンロードされたファイルの拡散や悪用を防止する措置を今後も続けてもらいたい。」

※事案発生後、群馬県からOECDに対して速やかな事案公表を要請し、これを受けて、OECDが公表について検討を行っていました。今般、OECDからは今回の事案を公表しないが、群馬県の判断で公表してよいとの連絡があったことを受けて、発表するものです。

1 事案の概要

  1. 令和6年4月26日(金曜日)注1)の日本時間の午前に、OECDが群馬県を含む参加国・都市の全生徒の個別回答データファイルをホームページに掲載した。
    注1)OECDの社会情動的スキルに関する調査(Survey on Social and Emotional Skills)の国際報告書(第1弾)の公表日
  2. 匿名化はしていたが、個人情報保護の観点から本来削除すべき項目を含めて回答の全てをそのまま掲載した。
  3. 同日午後2時頃、当該データファイルの掲載を発見した群馬県からの指摘を受けて、OECDが同日の日本時間の夕方にデータファイルの掲載を停止した。

2 当該データファイルのダウンロード状況

4月26日の日本時間9時52分から17時12分の間に、世界4か国の7つのIPアドレスから9件のダウンロード履歴あり。(調査関係者と判明した数を除く。)
うち、統計システム専用のファイル形式7件、汎用性のあるファイル形式(csv)2件。
【内訳:日本1件(csv)、中国6件(うちcsv1件)、韓国1件、フィンランド1件】
※3か国(日本、中国、韓国)の3つのIPアドレスからの3件は、既に削除依頼済。

3 事案発生の要因

OECDが業者委託した公開用のデータ処理について、OECDによる内容確認が不十分であった。

4 OECDの対応

 以下の対応を実施し、これまでに個人情報の侵害は発生していない。

  1. ダウンロードした者の特定を行った。(3か国3IPアドレスからの3件を削除依頼済)
    注2)日本、中国、韓国の計3つのIPアドレスを管理している組織を特定し、ダウンロードファイルの削除を依頼した。(うち、日本は、群馬県が特定して削除を確認したもの。(後述参照。))なお、フィンランドは探索中。中国の3つのIPアドレスでダウンロードした者にはOECDは連絡できていない。
    データの拡散・悪用を防止するため、ダークウェブの監視を行っている。
  2. 個人情報保護の観点から当該データを再処理するとともに、今後、再公開する際はダウンロード手続きを厳格化する。
  3. データそのものは匿名化されており、それだけでは個人が特定できないことや、ダウンロード件数が極めて少なく、ダウンロードした者も研究者又は行政機関と推測されることから、個人情報の侵害が起こる可能性は極めて低いと判断した。

5 群馬県の対応

  1. 4月26日の掲載当日に当該ファイルの掲載を群馬県が発見して直ちにOECDに連絡した。OECDホームページに全世界から多くのアクセスがある注3)前にOECDが速やかに対応し掲載を停止したことで、ダウンロード数を最小限に止めることができた。
    注3)同日午後5時30分(日本時間)からローンチ・イベント開催。イベント開催中に国際報告書(第1弾)がホームページ掲載。
  2. 5月7日にOECDからダウンロードアクセスに関する情報を得て、日本国内でダウンロードした者(公立研究研修機関)を群馬県が同日中に特定してファイルの削除を依頼・確認した。
  3. OECDに対して、事案の速やかな公表と、ダウンロードファイルの拡散・悪用の防止措置の実施を求めた。
  4. 今回の事案公表に当たり、OECDが当該事案を起こしたことに対して大変遺憾である意を表明する。合わせて、ファイルへのアクセスは研究目的と思われ、ダウンロード数は極めて少なく、現時点では個人情報の侵害は確認されていないことから、今回ダウンロードされたファイルの拡散や悪用を防止する措置を今後も続けてほしい旨を伝える。

(参考)SSESの概要

  1. 社会情動的スキルに関する調査(Survey on Social and Emotional Skills)
    • 児童生徒の社会情動的スキルの形成及び発達に関する要因を評価する国際的調査
    • 今回が2回目の実施(Round2:世界16か国・都市が参加)
  2. 調査対象者
    • 県内公立・私立高校全校(79校)で調査を実施(生徒について通信障害で調査中止が1校あり)
    • OECDが無作為に抽出した高校1学年の生徒3,528人、校長79人、教員608人が回答注4)生徒は、県内全公・私立高校から15歳3か月~16歳2か月の者を無作為に各校50人抽出

報道提供資料 (PDF:433KB)