本文
対象学校数 | 児童生徒数 | |
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小学校(第6学年) | 298校 | 約14,100人 |
中学校(第3学年) | 158校 | 約14,100人 |
平均正答率(%) | |||||
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本年度 | 令和6年度 | 令和5年度 | 令和4年度 | ||
国語 | 本県 | 66 | 67 | 67 | 66 |
全国 | 66.8 | 67.7 | 67.2 | 65.6 | |
算数 | 本県 | 56 | 62 | 61 | 62 |
全国 | 58.0 | 63.4 | 62.5 | 63.2 | |
理科 | 本県 | 58 | 63 | ||
全国 | 57.1 | 63.3 |
平均正答率(%) | |||||
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本年度 | 令和6年度 | 令和5年度 | 令和4年度 | ||
国語 | 本県 | 55 | 59 | 71 | 70 |
全国 | 54.3 | 58.1 | 69.8 | 69.0 | |
数学 | 本県 | 48 | 53 | 51 | 52 |
全国 | 48.3 | 52.5 | 51.0 | 51.4 | |
理科 | 本県 | 52 | |||
全国 | 49.3 | ||||
本県 | 524※ | ||||
全国 | 503※ |
※各年度の平均正答率は、文部科学省が公表した数値を示している。
国語 | 「読むこと」の領域における平均正答率は全国と同じであった。学力層は全国と比べ、A層の児童が少ないが、D層の児童も少なかった。児童質問紙では、「国語の勉強が好き」と回答した児童の割合は多かった。目的に応じて、文章と図表などを結び付けるなどして必要な情報を見付けることに関わる設問で成果が見られた。一方で、「話すこと・聞くこと」の領域において、インタビューの進め方を検討する話合いや、実際のインタビュー場面における発言の目的や意図を捉えることに関わる設問で課題が見られた。 |
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算数 | 実施対象となった全ての領域で全国平均を下回った。学力層は全国と比べ、A層の児童が少なかったものの、児童質問紙では、「算数の勉強が好き」と回答した児童の割合は多かった。平行四辺形の作図や分数の加法など、基本的な知識・技能に関わる設問で全国平均を上回った。一方で、台形を選ぶ設問や、面積の求め方の説明などの思考・判断・表現に関わる設問で課題が見られた。 |
理科 | 「生命」「地球」を柱とする領域における平均正答率は全国平均を上回った。学力層は全国と近い傾向だった。児童質問紙では、「理科の勉強が好き」と回答した児童の割合は多かった。顕微鏡の操作といった、基本的な知識及び技能に関わる設問で成果が見られた。一方で、海にある氷が溶ける理由や土に水がしみ込む時間について、根拠を基に予想することに関わる設問で課題が見られた。 |
国語 | 「話すこと・聞くこと」の領域における平均正答率は全国と同じであり、「書くこと」と「読むこと」の領域における平均正答率は全国平均を上回った。学力層は全国と比べ、A層の生徒が多く、D層の生徒は少なかった。御礼の手紙を書く場面において、表記や語句の用法、叙述の仕方を確かめて文章を整えることに関わる設問で成果が見られた。一方で、案内文を書く場面において、文脈に即して漢字を使ったり、目的に応じて集めた材料を整理して伝えたいことを明確にしたりすることに関わる設問で課題が見られた。 |
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数学 |
「数と式領域」と「図形領域」で全国平均を上回った。学力層は、全国と近い傾向だった。素数を選ぶことなど基本的な理解に関わる設問や、誤った証明を正しく書き直す統合的・発展的な思考力に関わる設問で全国平均を上回った。一方で、変化の割合から一次関数の増加量を求めたり、必ず起こる事柄の確率を求めたりすることなど、知識・技能に関わる設問で課題が見られた。 |
理科 | IRTバンド分布は、4や5に該当する生徒の割合が全国よりも多かった。各設問において解答した生徒の平均正答率では、既習の知識を活用して植物の構造を表現することに関わる設問で成果が見られた。一方で、気体の性質を基に避難行動に生かすといった、知識及び技能に関わる設問で課題が見られた。 |
○学力層とは、本調査の集計対象となった児童生徒全員の正答数分布の状況から四分位により分類し、正答数の高い順に、学力層A、学力層B、学力層C、学力層Dとしたものである。
<その他>
無回答率については、小中学校ともにほぼ全ての設問で全国平均より低くなっている。
○各教科で全国平均と比較し、上回った中の上位2項目、下回った中の下位2項目を表に記載する。
教科 | 分類 |
正答率 (全国比較) |
設問 | 出題の趣旨 |
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国語 | 上位 | 74.4%(+2.3) | 2四イ |
・学年別漢字配当表に示されている漢字を文の中で正しく使うことができるかどうかをみる |
56.9%(+0.6) |
3三⑵ |
・目的に応じて、文章と図表などを結び付けるなどして必要な情報を見付けることができるかどうかをみる | ||
下位 | 69.9%(-1.9) | 1三⑴ | ・自分が聞こうとする意図に応じて、話の内容を捉えることができるかどうかをみる | |
50.6%(-2.7) | 1一 | ・目的や意図に応じて、日常生活の中から話題を決め、集めた材料を分類したり関係付けたりして、伝え合う内容を検討することができるかどうかをみる | ||
算数 | 上位 | 60.8%(+2.5) | 2(1) | ・平行四辺形の性質を基に、コンパスを用いて平行四辺形を作図することができるかどうかをみる |
83.0(+1.7) | 3⑷ | ・異分母の分数の加法の計算をすることができるかどうかをみる | ||
下位 | 45.9%(-4.3) | 2⑵ | ・台形の意味や性質について理解しているかどうかをみる | |
32.2%(-4.8) | 2(4) | ・基本図形に分割することができる図形の面積の求め方を、式や言葉を用いて記述できるかどうかをみる | ||
理科 | 上位 | 49.9%(+4.3) | 3⑵ | ・顕微鏡を操作し、適切な像にするための技能が身に付いている |
74.6%(*3.9) | 3⑴ | ・ヘチマの花のつくりや受粉についての知識が身に付いている | ||
下位 | 77.0%(-0.8) | 1⑶ | ・赤玉土の粒の大きさによる水のしみこみ方の違いについて、【結果】や【問題に対するまとめ】を基に、他の条件での結果を予想して、表現することができる | |
58.9%(-0.9) | 4⑶カ | ・水が氷に変わる温度を根拠に、オホーツク海の氷の面積が減少した理由を予想し、表現することができる |
教科 | 分類 |
正答率 (全国比較) |
設問 | 出題の趣旨 |
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国語 | 上位 | 62.2%(+4.9) | 4一 | ・読み手の立場に立って、表記を確かめて、文章を整えることができるかどうかをみる |
33.0%(+2.9) | 4二 | ・読み手の立場に立って、語句の用法、叙述の仕方などを確かめて、文章を整えることができるかどうかをみる | ||
下位 | 81.6%(-0.9) | 1二 | ・目的に応じて、集めた材料を整理し、伝えたいことを明確にすることができるかどうかをみる | |
34.1%(-1.1) |
1一 | ・文脈に即して漢字を正しく使うことができるかどうかをみる | ||
数学 | 上位 | 34.9%(+3.1) | 1 | ・素数の意味を理解しているかどうかをみる |
36.8%(+0.5) | 9(2) | ・統合的・発展的に考え、条件を変えた場合について、証明を評価・改善することができるかどうかをみる | ||
下位 | 32.9%(-1.8) | 4 | ・一次関数y=ax+bについて、変化の割合を基に、xの増加量に対するyの増加量を求めることができるかどうかをみる | |
75.6%(-1.8) | 7(1) | ・必ず起こる事柄の確率について理解しているかどうかをみる | ||
理科 | 上位 | 50.6%(+8.7) | 6⑵ | ・スケッチから分かる植物の特徴を基に、植物の葉、茎、根のつくりに関する知識及び技能を活用して、植物の茎の横断面や根の構造について適切に表現できる |
53%(+6.8) | 1⑵ | ・身の回りの事象から生じた疑問や見いだした問題を解決するための課題を設定できる | ||
下位 | 90.9%(-1.9) | 4⑵ | ・火災における適切な避難行動を問うことで、気体の性質に関する知識が概念として身に付いている |
将来の夢や目標の有無、自己肯定感に対して、本県の多くの子どもたちは肯定的に回答している。また、ICT機器も活用しながら、課題解決に向けて自ら考え、友達との意見交流を通して様々な考えに触れ、学びを深める活動が多く行われている。一方で、教職員の学校外で行われる研修への参加状況に課題が見られる。
以下の通り、市町村教育委員会、小中学校長会等と連携して、授業改善や生徒指導の充実に取り組んでいく。
令和5年度末に作成したリーフレット「エ―ジェンシーを発揮する「自律した学習者」へ」を周知・普及し、能動的で他者と協働した学びを推進する。また、「各教科等授業改善プロジェクト」の授業改善推進校(17校)において、エージェンシーを発揮して児童生徒が自律的に学ぶ中で各教科等の目標に迫る授業の具現化に向けた実践研究を行う。その周知に向けては、小中学校教員や教育行政関係者対象の公開授業を参集とオンラインのハイブリッドにより開催するとともに、授業のハイライト動画を作成し、公開する。
分析委員会に教科分析部会と質問紙分析部会を設置し、各教科の調査問題における結果、児童生徒質問紙及び学校質問紙調査における結果から、本県の成果・課題を捉え、今後の授業改善、生徒指導及び人権・キャリア教育に係る分析を行う。
児童生徒の学習改善や教職員の授業改善を支援・推進するため、全国学力・学習状況調査学習サポート動画を作成し、6月にtsulunosにて学校向けに限定配信をしている。調査問題の解説だけでなく、考え方のポイントなどを説明している。
「全国学力・学習状況調査を活用した授業改善説明会」のオンライン配信
全国学力・学習状況調査の分析結果を各学校の改善・充実に生かすため、分析委員会の各部会で作成した結果分析に基づいて、「全国学力・学習状況調査を活用した授業改善説明会」を開催する。県内の教職員や教育行政関係者を対象に、9月8日、9日の15時20分~16時30分に開催予定。調査全体に関わる説明を各部会の前に行い、国語、算数・数学、理科、質問紙の部会ごとに10~15分で、授業改善や学校運営に関するポイントを説明する。校内研修全体会や教科部会、自己研修等で活用できるような時間を設定した。なお、分析委員会で作成した資料を各学校で有効に活用し、今後の授業改善に向けた対応策を具体的に検討していくよう促す。(義務教育課HPに掲載予定)
小学校長会、中学校長会理事研修会等で「全国学力・学習状況調査を活用した授業改善説明会」の周知や、調査結果等の課題を踏まえた取組の検討を依頼する。
各市町村教育委員会や、小学校長会、中学校長会理事研修会等を通じて、現在、総合教育センターにおいて実施している教職員向け研修を有効活用するよう周知するとともに、今日的な教育課題に対応した研修内容及び研修方法の充実を図る。
国から送付された各市町村の結果を、国や県全体の結果と比較するなどして、各市町村教育委員会の課題を明確にし、教育施策の改善に取り組む。