ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 報道提供資料 > 令和7年度全国学力・学習状況調査結果について(義務教育課)

本文

令和7年度全国学力・学習状況調査結果について(義務教育課)

更新日:2025年7月31日 印刷ページ表示

1 調査対象(令和7年4月17日実施  中学校理科のみ14日(月曜日)~17日(木曜日))

調査対象一覧
  対象学校数 児童生徒数
小学校(第6学年) 298校 約14,100人
中学校(第3学年) 158校 約14,100人

2 教科に関する調査

(1)平均正答率(※は平均IRTスコア)

平均正答率小学校
  平均正答率(%)
本年度 令和6年度 令和5年度 令和4年度
国語 本県 66 67 67 66
全国 66.8 67.7 67.2 65.6
算数 本県 56 62 61 62
全国 58.0 63.4 62.5 63.2
理科 本県 58     63
全国 57.1 63.3
平均正答率中学校
  平均正答率(%)
本年度 令和6年度 令和5年度 令和4年度
国語 本県 55 59 71 70
全国 54.3 58.1 69.8 69.0
数学 本県 48 53 51 52
全国 48.3 52.5 51.0 51.4
理科 本県       52
全国 49.3
本県 524※  
全国 503※

※各年度の平均正答率は、文部科学省が公表した数値を示している。

(2)全体的な傾向

全体的な傾向小学校
国語  「読むこと」の領域における平均正答率は全国と同じであった。学力層は全国と比べ、A層の児童が少ないが、D層の児童も少なかった。児童質問紙では、「国語の勉強が好き」と回答した児童の割合は多かった。目的に応じて、文章と図表などを結び付けるなどして必要な情報を見付けることに関わる設問で成果が見られた。一方で、「話すこと・聞くこと」の領域において、インタビューの進め方を検討する話合いや、実際のインタビュー場面における発言の目的や意図を捉えることに関わる設問で課題が見られた。
算数  実施対象となった全ての領域で全国平均を下回った。学力層は全国と比べ、A層の児童が少なかったものの、児童質問紙では、「算数の勉強が好き」と回答した児童の割合は多かった。平行四辺形の作図や分数の加法など、基本的な知識・技能に関わる設問で全国平均を上回った。一方で、台形を選ぶ設問や、面積の求め方の説明などの思考・判断・表現に関わる設問で課題が見られた。
理科  「生命」「地球」を柱とする領域における平均正答率は全国平均を上回った。学力層は全国と近い傾向だった。児童質問紙では、「理科の勉強が好き」と回答した児童の割合は多かった。顕微鏡の操作といった、基本的な知識及び技能に関わる設問で成果が見られた。一方で、海にある氷が溶ける理由や土に水がしみ込む時間について、根拠を基に予想することに関わる設問で課題が見られた。
全体的な傾向中学校
国語  「話すこと・聞くこと」の領域における平均正答率は全国と同じであり、「書くこと」と「読むこと」の領域における平均正答率は全国平均を上回った。学力層は全国と比べ、A層の生徒が多く、D層の生徒は少なかった。御礼の手紙を書く場面において、表記や語句の用法、叙述の仕方を確かめて文章を整えることに関わる設問で成果が見られた。一方で、案内文を書く場面において、文脈に即して漢字を使ったり、目的に応じて集めた材料を整理して伝えたいことを明確にしたりすることに関わる設問で課題が見られた。

数学

 「数と式領域」と「図形領域」で全国平均を上回った。学力層は、全国と近い傾向だった。素数を選ぶことなど基本的な理解に関わる設問や、誤った証明を正しく書き直す統合的・発展的な思考力に関わる設問で全国平均を上回った。一方で、変化の割合から一次関数の増加量を求めたり、必ず起こる事柄の確率を求めたりすることなど、知識・技能に関わる設問で課題が見られた。

理科  IRTバンド分布は、4や5に該当する生徒の割合が全国よりも多かった。各設問において解答した生徒の平均正答率では、既習の知識を活用して植物の構造を表現することに関わる設問で成果が見られた。一方で、気体の性質を基に避難行動に生かすといった、知識及び技能に関わる設問で課題が見られた。

 ○学力層とは、本調査の集計対象となった児童生徒全員の正答数分布の状況から四分位により分類し、正答数の高い順に、学力層A、学力層B、学力層C、学力層Dとしたものである。

<その他>

 無回答率については、小中学校ともにほぼ全ての設問で全国平均より低くなっている。

(3)現中学校3年生の小学校6年生当時(令和4年度)の調査結果との比較

  • 国語は、全国平均を上回る領域が、小学校6年生当時は3つ中1つであったが、現中学校3年生になり3つ中2つに増加した。特に、「読むこと」の領域について、6年生当時では全国比-1.1であったが、現中学校3年生では+0.7となった。
  • 算数・数学は、小学校6年生当時は全ての領域で全国平均より下回っていたが、現中学校3年生になり4つ中2つの領域で全国平均を上回った。特に、「図形領域」について、6年生当時では全国比-0.4であったが、現中学校3年生では+0.3となった。
  • 理科は、調査方式が変わったため、比較ができない。​

(4)全国の平均正答率との比較

○各教科で全国平均と比較し、上回った中の上位2項目、下回った中の下位2項目を表に記載する。

<小学校>
教科 分類

正答率

(全国比較)

設問 出題の趣旨
国語 上位 74.4%(+2.3) 2四イ

・学年別漢字配当表に示されている漢字を文の中で正しく使うことができるかどうかをみる

56.9%(+0.6)

3三⑵

・目的に応じて、文章と図表などを結び付けるなどして必要な情報を見付けることができるかどうかをみる
下位 69.9%(-1.9) 1三⑴ ・自分が聞こうとする意図に応じて、話の内容を捉えることができるかどうかをみる
50.6%(-2.7) 1一 ・目的や意図に応じて、日常生活の中から話題を決め、集めた材料を分類したり関係付けたりして、伝え合う内容を検討することができるかどうかをみる
算数 上位 60.8%(+2.5) 2(1) ・平行四辺形の性質を基に、コンパスを用いて平行四辺形を作図することができるかどうかをみる
83.0(+1.7) 3⑷ ・異分母の分数の加法の計算をすることができるかどうかをみる
下位 45.9%(-4.3) 2⑵ ・台形の意味や性質について理解しているかどうかをみる
32.2%(-4.8) 2(4) ・基本図形に分割することができる図形の面積の求め方を、式や言葉を用いて記述できるかどうかをみる
理科 上位 49.9%(+4.3) 3⑵ ・顕微鏡を操作し、適切な像にするための技能が身に付いている
74.6%(*3.9) 3⑴ ・ヘチマの花のつくりや受粉についての知識が身に付いている
下位 77.0%(-0.8) 1⑶ ・赤玉土の粒の大きさによる水のしみこみ方の違いについて、【結果】や【問題に対するまとめ】を基に、他の条件での結果を予想して、表現することができる
58.9%(-0.9) 4⑶カ ・水が氷に変わる温度を根拠に、オホーツク海の氷の面積が減少した理由を予想し、表現することができる
<中学校>
教科 分類

正答率

(全国比較)

設問 出題の趣旨
国語 上位 62.2%(+4.9) 4一 ・読み手の立場に立って、表記を確かめて、文章を整えることができるかどうかをみる
33.0%(+2.9) 4二 ・読み手の立場に立って、語句の用法、叙述の仕方などを確かめて、文章を整えることができるかどうかをみる
下位 81.6%(-0.9) 1二 ・目的に応じて、集めた材料を整理し、伝えたいことを明確にすることができるかどうかをみる

34.1%(-1.1)

1一 ・文脈に即して漢字を正しく使うことができるかどうかをみる
数学 上位 34.9%(+3.1) 1 ・素数の意味を理解しているかどうかをみる
36.8%(+0.5) 9(2) ・統合的・発展的に考え、条件を変えた場合について、証明を評価・改善することができるかどうかをみる
下位 32.9%(-1.8) 4 ・一次関数y=ax+bについて、変化の割合を基に、xの増加量に対するyの増加量を求めることができるかどうかをみる
75.6%(-1.8) 7(1) ・必ず起こる事柄の確率について理解しているかどうかをみる
理科 上位 50.6%(+8.7) 6⑵ ・スケッチから分かる植物の特徴を基に、植物の葉、茎、根のつくりに関する知識及び技能を活用して、植物の茎の横断面や根の構造について適切に表現できる
53%(+6.8) 1⑵ ・身の回りの事象から生じた疑問や見いだした問題を解決するための課題を設定できる
  下位 90.9%(-1.9) 4⑵ ・火災における適切な避難行動を問うことで、気体の性質に関する知識が概念として身に付いている

3 質問紙による調査

(1)全体的な傾向

 将来の夢や目標の有無、自己肯定感に対して、本県の多くの子どもたちは肯定的に回答している。また、ICT機器も活用しながら、課題解決に向けて自ら考え、友達との意見交流を通して様々な考えに触れ、学びを深める活動が多く行われている。一方で、教職員の学校外で行われる研修への参加状況に課題が見られる。

(2)児童生徒質問紙(全国平均と比較して特徴の見られるもの ※【 群馬県の回答(全国比)】

<小中学校共通(群馬県教育ビジョンに関わる設問)>

  • 今までに受けた授業で、自分の考えを発表する機会では、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組立てなどを工夫して発表した。【小75.9(+7.3)、中70.1(+7.1)】
  • 将来の夢や目標を持っている。【小87(+3.9)、中71.5(+4.0)】
  • 自分には、よいところがあると思う。【小89.3(+2.4)、中87.7(+1.5)】
  • 自分と違う意見について考えるのは楽しいと思う。【小80.1(+2.0) 中80.8(+1.6)】
  • 今までに受けた授業で、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んだ。【小82.5(+2.2) 中78.3(+0.6)】
  • 学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、新たな考え方に気付いたりすることができていますか。【小85.9(+1.0) 中86.5(+1.8)】
  • 困りごとや不安がある時に、先生や学校にいる大人にいつでも相談できる。【小69.2(-1.4)、中69.7(-3.5)】​

<小中学校共通(ICT活用に関わる設問)>

  • 今までに受けた授業で、PC・タブレットなどのICT機器を、週3回以上使用している。【小73.1(+1.4)、中83.8(+8.6)】
  • 自分がPC・タブレットなどのICT機器を使って学校のプレゼンテーション(発表スライド)を作成することができると思う。【小78.4(+1.4)、中80.4(+3.8)】​

<小中学校共通(その他の設問)>

  • 学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日当たり2時間以上勉強をしている。【小21(-3.9)、中29.5(-1.3)】
  • 土曜日や日曜日などの学校が休みの日に、1日当たり3時間以上勉強をしている。【小6.7(-5.1) 中13.1(-0.7)】
  • 総合的な学習の時間では、自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいる。【小84.9(+2.6) 中81.9(+2.4)】

<小学校>

  • 分からないことや詳しく知りたいことがあったときに、自分で学び方を考え、工夫することはできている。【83.1(+1.4)】
  • 地域や社会をよくするために何かしてみたいと思う。【83.2(+1.9)】
  • 学級活動における学級での話合いを生かして、今、自分が努力すべきことを決めて取り組んでいる。【82.4(+1.6)】​

<中学校>

  • 学級生活をよりよくするために学級活動で話し合い、互いの意見のよさを生かして解決方法を決めていますか。【86.7(+2.4)】
  • 道徳の授業では、自分の考えを深めたり、学級やグループで話し合ったりする活動に取り組んでいる。【93.1(+1.6)】
  • 人が困っているときは、進んで助けている。【92.2(+1.3)】

(3) 学校質問紙(全国平均と比較してして特徴の見られるもの)※【群馬県の回答(全国比)】

<小中学校共通(群馬県教育ビジョンに関わる設問)>

  • 授業において、自らの考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組立てなどを工夫して、発言や発表を行うことができている。【小81.6(+1.2)、中81.7(-1.1)】
  • 授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組むことができている。【小86.9(-2.4)、中87.4(-0.8)】​

<小中学校共通(ICT活用に関わる設問)>

  • 児童(生徒)一人一人に配備されたPC・タブレットなどのICT機器を、毎日家庭で利用できるようにしている。【小45.6(+5.4)、中65.9(+16.4)】
  • 教職員と調査対象学年の児童生徒がやりとりする場面では、一人一人に配備されたPC・タブレットなどのICT機器を週3回以上使用させている。【小60.4(-1.0) 中63.9(+8.0)】
  • 教職員と家庭との間で連絡を取り合う場面で、コンピュータなどのICT機器を活用している。【小83.9(+5.9)、中86(+7.7)】​

<小中学校共通(その他の設問)>

  • 校内研修の計画立案・その他の研修に関する業務は、研修主事、研修主任、研究主任が担当している。【小100(+5.1)、中100(+6.3)】
  • 調査対象学年の児童生徒に対して前年度までに、将来付きたい仕事や夢について考えさせる指導をした。【小89.2(+3.1) 中99.3(+0.9)】
  • 個々の教員が自らの専門性を高めるため、校外の各教科等の教育に関する研究会等に定期的・継続的に参加している。(オンラインでの参加を含む)【小77.6(-12.0)、中77.6(-10.3)】​

<小学校>

  • ​児童に対する理科の授業において、前年度までに、日常生活や社会における事象との関連を図った授業を行った。【98.3(+2.6)】
  • 調査対象学年の児童に対して、学級活動の授業を通して、今、努力すべきことを学級での話合いを生かして、一人一人の児童が意思決定できるような指導を行っている。【95(+1.2)】
  • 調査対象学年の児童は、学級やグループでの話合いなどの活動で、自分の考えを相手にしっかりと伝えることができている。【90.2(+1.0)】

<中学校>

  • 前年度に、職場体験活動を1日以上行った。【92.4(+12.6)】
  • 前年度までに、学校では、生徒が行った家庭学習の課題について、その後の教員の指導改善や生徒の学習改善に生かした。【90.5(+6.5)】
  • 前年度までに、家庭学習について、生徒が自分で学ぶ内容や学び方を決めるなど、工夫して取り組めるような活動を行った。【91.7(+5.8)】
  • 前年度までに、各教科等で身に付けたことを、様々な課題の解決に生かすことができるような機会を設けた。【81.7(+1.4)】

4 今後の取組

 以下の通り、市町村教育委員会、小中学校長会等と連携して、授業改善や生徒指導の充実に取り組んでいく。

<県教育委員会>

群馬県教育ビジョン(第4期群馬県教育振興基本計画)の具現化に向けた取組の推進

 令和5年度末に作成したリーフレット「エ―ジェンシーを発揮する「自律した学習者」へ」を周知・普及し、能動的で他者と協働した学びを推進する。また、「各教科等授業改善プロジェクト」の授業改善推進校(17校)において、エージェンシーを発揮して児童生徒が自律的に学ぶ中で各教科等の目標に迫る授業の具現化に向けた実践研究を行う。その周知に向けては、小中学校教員や教育行政関係者対象の公開授業を参集とオンラインのハイブリッドにより開催するとともに、授業のハイライト動画を作成し、公開する。

教科・質問紙調査分析部会の設置

 分析委員会に教科分析部会と質問紙分析部会を設置し、各教科の調査問題における結果、児童生徒質問紙及び学校質問紙調査における結果から、本県の成果・課題を捉え、今後の授業改善、生徒指導及び人権・キャリア教育に係る分析を行う。

児童生徒向け学習サポート動画の配信

 児童生徒の学習改善や教職員の授業改善を支援・推進するため、全国学力・学習状況調査学習サポート動画を作成し、6月にtsulunosにて学校向けに限定配信をしている。調査問題の解説だけでなく、考え方のポイントなどを説明している。

「全国学力・学習状況調査を活用した授業改善説明会」のオンライン配信

 「全国学力・学習状況調査を活用した授業改善説明会」のオンライン配信
  全国学力・学習状況調査の分析結果を各学校の改善・充実に生かすため、分析委員会の各部会で作成した結果分析に基づいて、「全国学力・学習状況調査を活用した授業改善説明会」を開催する。県内の教職員や教育行政関係者を対象に、9月8日、9日の15時20分~16時30分に開催予定。調査全体に関わる説明を各部会の前に行い、国語、算数・数学、理科、質問紙の部会ごとに10~15分で、授業改善や学校運営に関するポイントを説明する。校内研修全体会や教科部会、自己研修等で活用できるような時間を設定した。なお、分析委員会で作成した資料を各学校で有効に活用し、今後の授業改善に向けた対応策を具体的に検討していくよう促す。(義務教育課HPに掲載予定)​

小中学校長会との連携

 小学校長会、中学校長会理事研修会等で「全国学力・学習状況調査を活用した授業改善説明会」の周知や、調査結果等の課題を踏まえた取組の検討を依頼する。

総合教育センターにおける教員向け研修の一層の充実

 各市町村教育委員会や、小学校長会、中学校長会理事研修会等を通じて、現在、総合教育センターにおいて実施している教職員向け研修を有効活用するよう周知するとともに、今日的な教育課題に対応した研修内容及び研修方法の充実を図る。

<市町村教育委員会>

 国から送付された各市町村の結果を、国や県全体の結果と比較するなどして、各市町村教育委員会の課題を明確にし、教育施策の改善に取り組む。

<学校>

  • 「全国学力・学習状況調査を活用した授業改善説明会」での内容を基に、これまでの自校の取組を検証し、校内学力向上委員会を核に組織的・継続的に授業改善等の充実に向けて取り組む。
  • 自校の結果と国や県全体、市町村の結果との比較、課題のある設問の分析、正答数分布の分析など、様々な面から調査結果を分析することにより、自校の課題を明らかにする。
  • 個人票等を活用し、児童生徒個々の学力・学習状況を把握するとともに、児童生徒向け学習サポート動画等を活用して自ら学習改善に向かうことができるよう日々の指導に生かす。

報道提供資料 (PDF:561KB)