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非認知能力の評価・育成事業に係る海外渡航報告について((教)総務課)

更新日:2025年9月16日 印刷ページ表示

1 海外渡航の概要について

(1)目的

 群馬県教育委員会がスコットランドと実施している非認知能力の評価・育成事業における共同研究において、県内学校で実践した取組を報告するとともに、学校運営や指導法、校内研修や教員育成について具体的な方策を協議する。

(2)日程

令和7年6月8日(日曜日)から15日(日曜日) 6泊8日

(3)訪問先(訪問順)

  • ローズバンク小学校
  • クレイギー高校 ※日本における中等教育学校に相当
  • ダンディー大学
  • テイビュー小学校
  • スコットランド教育庁

(4)参加者

総合教育センター所長及び長期研修員、総務課学びのイノベーション戦略室長及び指導主事2名、高校教育課指導主事、群馬県立伊勢崎高等学校教員2名(SAH指定校)

計8名

2 海外渡航の成果等について

  ・ローズバンク小学校

 群馬県とスコットランドの教育現場の共通点や相違点を比較し、日本の規律ある学校生活への関心が確認できた。児童議会や学年の枠を超えた課題解決グループにより、子どもが主体的に学校運営や課題解決に関わる姿が印象的であった。さらに、目標の共有と自己の振り返りの文化が根付いており、ウェルビーイングに必要な指標を活用した取組は、今後の参考となった。

  ・クレイギー高校

 自由な創作活動を取り入れた創造性を高める授業や、生徒理解を深めるために生徒の進度を観察し教員間で情報を共有する取組が展開されていた。また、「全ての子どもに学ぶチャンスがある」という理念に基づく不登校傾向の生徒への対応など、教育現場における具体的な実践例を通じて、多くの示唆を得ることができた。

  ・ダンディー大学

 群馬県が進める非認知能力育成事業への評価を得る一方で、非認知能力を育てる教員の育成が課題であることを共有した。県立伊勢崎高等学校における生徒の主体的な活動機会を提供する取組が注目されると同時に、改善点も明確になった。教員養成課程のある大学として、教員を目指す学生に対して「生徒を見取るスキル」と「教員としての自信」を養う指導は、今後の教員研修において参考となった。

  ・テイビュー小学校

 訪問した地域で結成された「指導法支援チーム」が研修や助言を通じて教員を支援し、国や自治体とのつながりを強化している点が確認された。また、数値化が難しいとされる非認知能力について、教員が児童生徒一人ひとりの進捗を捉え、具体的な姿で評価している点は、個別最適化された教育の実現に向けて参考となった。

  ・スコットランド教育庁

 群馬県の教育改善に向けた取組が評価された。両地域に共通する課題として、教員同士が児童生徒の状況を共有するための対話の時間の不足が挙げられ、学力だけでなく非認知能力育成に向けた取組を充実させるためには、教員に十分な時間を提供する必要があるとの認識を共有した。また、自治体ごとに文化や事情が異なる中でも、様々な可能性を探り、教育現場と連携して政策を具現化していく取組が参考となった。

3 今後の方向性

 これまでの協議で得られた知見を活かし、両地域の教育課題改善に向けた連携を一層強化する。​

  • 非認知能力の評価・育成に関する「群馬モデル」の全県への展開に向けて、両地域の課題を共有し、それぞれが方策を検討するとともに、定期的に情報共有することで、共同研究の進展を図る。
  • 群馬県とスコットランドの教員が情報交換を行い、両地域の学校が協働した探究活動や、オンラインによる生徒同士の交流を通した授業実践を計画・推進する。
  • 総合教育センターにおいて、児童生徒が主体的に考え、行動する場面を設ける授業づくりの研修を計画する。

報道提供資料 (PDF:325KB)