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基本計画の令和6年度の施策評価については、危機管理対応の充実を除く、計画に掲げる19の基本施策(43の施策展開、91の個別事業)を対象とし、総合的な視点で評価を行った。
また、令和2年度から令和6年度の5年間の取組の最終評価を行った。
一次評価は、事業所管課が行い、数値目標達成状況評価は、数値目標が設定された事業について、当該事業がどの程度達成されているか4段階により評価した。また、個別事業実績評価は、事業の実績を中心に、それ以外の成果や外部要因を加味し、事業の実績を4段階により評価した。
なお、評価困難とは、社会的情勢により代替的な策を講じることもできず、事業を中止又は廃止等した場合とした。
評価区分 | 達成率 |
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A | 95%≦ |
B | 75%≦達成率<95% |
C | 50%≦達成率<75% |
D | <50% |
評価困難 | 評価困難 |
評価区分 | 考え方 |
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十分 | 十分な実績をあげている |
概ね良好 | 概ね良好な実績をあげている |
やや不十分 | 実績がやや不十分である |
厳しい状況 | 実績が厳しい状況 |
評価困難 | 評価困難 |
二次評価は、食品安全会議が行い、一次評価の結果を踏まえ、総合的に分析・検証し、4段階により施策を評価した。
評価区分 | 考え方 |
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順調 | 順調に進捗している |
概ね順調 | 概ね順調に進捗している |
やや遅れ | 進捗状況がやや遅れている |
遅れ | 進捗状況が遅れている |
評価困難 | 評価困難 |
91 の個別事業の中で、数値目標を掲げているのは、20項目である。このうち、令和6年度の結果が出ていない1項目(農協出荷者の生産履歴記帳率)を除く19項目を評価した結果、A評価が15項目(79%)、B評価が2項目(10.5%)、C評価が2項目(10.5%)となり、D評価は無かった。
「講習会等での農薬適正使用指導回数」は、生産者団体の勉強会等の様々な機会に併せて農家指導を実施したものの、コロナ禍や農家人数減少の影響により会合の集約等が行われたため、開催数目標の1,300回に対して958回(達成率73.7%)となった。
「アレルゲン検査検体数」は、目標の80検体に対して40検体(達成率50%)となった。このため令和7年度から新たに「アレルゲン表示根拠確認調査」を実施し、一層のアレルゲン対策の強化を図ることとした。
個別事業91事業(再掲を除く)について、事業の実績を中心に、それ以外の成果や外部要因等を加味して評価を行ったところ、「十分」が37事業(41%)、「概ね良好」が50事業(55%)、「評価困難」が4事業(4%)で、「やや不十分」及び「厳しい状況」は無かった。
令和5年度に「やや不十分」となった事業も改善され、「評価困難」となった4事業以外の87事業はすべて「概ね良好」以上の評価となった。
なお、「評価困難」の4事業においては、いずれも事業の廃止等により、事業の実施が無くなったため、評価困難となった。
一次評価の個別事業に関連する指標データ等を含め、各施策を総合的に評価した結果、19施策中「順調」が11施策(58%)、「概ね順調」が8施策(42%)となり、「やや遅れ」及び「遅れ」の施策は無かった。
令和5年度と比較し、2つの施策において、評価の変更があったものの、「順調」と「概ね順調」の入替となり、令和5年度と同様の評価結果となった。
数値目標を掲げている20項目の達成状況を評価した(令和6年度は、結果が出ていない1項目(農協出荷者の生産履歴記帳率)を除く19項目)。令和2年度は、コロナ禍の影響が出始めたことで「C、D評価」がそれぞれ2項目となった。令和3年度は、コロナ禍の影響を大きく受け、「A、B評価」がそれぞれ2項目減少、「C、D評価」がそれぞれ1項目増加、さらに「評価困難」も2項目あった。令和4年度以降は、オンライン等のコロナ禍の経験を活かした取組が進み、「A、B評価」が増加した。最終年度(令和6年度)においては、「講習会等での農薬適正使用指導回数」及び「アレルゲン検査検体数」の2項目で評価が下がり「C評価」となった。
「講習会等での農薬適正使用指導回数」は、生産者団体の勉強会等の様々な機会に併せて農家指導を実施したものの、コロナ禍や農家人数減少の影響により会合の集約等が行われたため、開催数目標の1,300回に対して958回(達成率73.7%)となった。
「アレルゲン検査検体数」は、目標の80検体に対して40検体(達成率50%)となった。このため令和7年度から新たに「アレルゲン表示根拠確認調査」を実施し、一層のアレルゲン対策の強化を図ることとした。
個別事業91事業(再掲を除く)について、事業の実績を中心に、それ以外の成果や外部要因等を加味して評価を行った。令和2年度は、コロナ禍の影響が出始めたことで「やや不十分」が11事業、「厳しい状況」が1事業となった。令和3年度は、コロナ禍の影響を特に大きく受け、「十分」が3事業減少するとともに「厳しい状況」が4事業増加した。令和4年度以降は、オンライン等のコロナ禍の経験を活かした取組が進み、「十分」及び「概ね良好」が大きく増加し、「やや不十分」及び「厳しい状況」は、減少した。最終年度(令和6年度)は、評価困難となった4事業以外の87事業がすべて「概ね良好」以上の評価となった。
一次評価の個別事業に関連する指標データ等を含め、各施策を総合的に評価した。令和2年度及び令和3年度は、コロナ禍の影響により「順調」の施策は、低い水準で推移し、令和3年度においては、「やや遅れ」の施策が1施策あった。令和4年度以降は、コロナ禍の経験を活かした取組みが進み、「順調」の施策が大きく増加した。最終年度(令和6年度)は、令和5年度と同様に「順調」11施策、「概ね順調」8施策となり、すべての施策が「概ね順調」以上となった。
「食品安全検査における食品の規格基準等適合率」は、令和2年度及び令和5年度に目標値(99.9%以上)を若干下回ったものの、最終年度(令和6年度)を含め他の3年間は実績値99.9%以上となり、概ね目標を達成したと評価できる。
「人口10万人あたりの食中毒患者数」は、計画期間中は10.4人から15.6人の間で推移した。計画期間内において、すべて目標値(16人以下)を下回ることができ、目標を達成したと評価できる。
「リスクコミュニケーション事業参加者の理解度」については、令和6年度は実績値77.7%となり、わずかに目標値(80%以上)を下回ったものの、令和2年度から令和5年度までは目標値を上回っており、概ね目標を達成できたと評価できる。
一方で、令和5年度実施の「食品の安全等に関する県民意識調査」の結果により判断した3項目は「事業者(生産者・食品営業者等)が行っている取組を信頼できると回答した県民の割合」が、43.0%(目標値70%以上)、「「食中毒予防の3原則」を知っている県民の割合」が、42.0%(同70%以上)、「食品の安全性について不安を感じている県民の割合」が、36.8%(同30%以下)といずれも目標を達成できなかった。これらの3項目については、改善に向け、引き続き食の安全に関するリスクコミュニケーションや正しい情報の発信等に取り組むこととする。また、「事業者(生産者・食品営業者等)が行っている取組を信頼できると回答した県民の割合」については、併せて、生産者や食品営業者等に対する自主衛生管理の推進や監視指導の充実に継続的に取り組むこととする。
なお、県民意識調査については、これまで無作為に抽出した県民に対して、調査票を郵送により回収していた(平成30年度回収率50.8%)。このため、食に対して関心の高い人による結果であったと考えられる。一方、令和5年度の県民意識調査は、調査委託会社によるインターネットモニター調査に変更した。この調査では回答の提出が手軽にできることから、食への関心が低い人も含めて、多様な人々から回答が得られたこと(回答率100%)が、目標を達成できなかった一因として達成状況に影響したと考えられる。
計画全体としては、一次評価及び二次評価において、令和2年度及び令和3年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、その達成率や実績に大きな影響を受けた事業や施策が少なからずあり、全体的に厳しい結果となった。令和4年度以降は、コロナ禍の経験を活かした取組が進み、また、コロナ禍が収束の方向へと向かう中、最終年度(令和6年度)においては、各施策について、ほぼ順調に取り組むことができた。
成果目標においては、「達成」1項目、「概ね達成」2項目、「未達成」3項目となった。半数の3項目が「未達成」となったが、意識調査の実施方法の変更による影響が大きかったことを考慮すると、一定の成果を得ることができたと評価できる。
また、評価対象ではないが、コロナ禍という平時と異なる状況下において、会議のリモート開催や講習会の動画配信等の新たな手法により、テーマ4の「危機管理対応の充実」が図られたことは、危機状況における事業への対応等が実施できたものと評価できる。
一方で、最終年度の数値目標達成状況評価で「C評価」となった「講習会等での農薬適正使用指導回数」、「アレルゲン検査検体数」の2項目及び成果目標で未達成となった「事業者(生産者・食品営業者等)が行っている取組を信頼できると回答した県民の割合」、「「食中毒予防の3原則」を知っている県民の割合」、「食品の安全性について不安を感じている県民の割合」の3項目については、今後の課題として捉え、その改善策や対応策を検討していく必要がある。
新計画である「群馬県食品安全基本計画2025-2030」においては、目標を達成した項目等も含め、食品の安全性の確保に向けた取組をより一層進めていくこととする。
【詳細版】「群馬県食品安全基本計画2020-2024」最終年度評価 (PDF:1.88MB)