食物アレルギーのしくみ
私たちの体には、病気の原因になるウイルスや細菌などの異物を排除し、健康を守る「免疫」というしくみがあります。この免疫が、特定の食品を異物と間違い、過剰にはたらいて起こる症状を「食物アレルギー」といいます。
食物アレルギーは、原因食品を食べるだけでなく、さわったり、吸い込んだりしても症状が現れることがあります。そのため、治療や、食品事故を防ぐための基本は、原因食品を避けることになります。
食物アレルギーと間違いやすい病気
次の病気は、食べ物が関係していますが、食物アレルギーとは違い、免疫のしくみは関係していません。
- 食中毒…病原微生物や有害な化学物質、自然毒などで汚染された飲食物を摂取することで起こる胃腸症状を主症状とする中毒です。特にマグロ、サバなどの赤身魚がの鮮度が低下することが原因で起こる「ヒスタミン食中毒」は、アレルギーと似た症状が現れるため、間違われやすい食中毒です。
- 食物不耐症…特定の食品を分解する酵素が不足している等の体質のため、食べ物を消化できない病気です。例えば、乳糖不耐症は、牛乳の乳糖を分解する酵素を腸が作り出さない体質のため、牛乳を飲むと下痢を起こします。
参考文献
- 食物アレルギー診療ガイドライン2016/日本小児アレルギー学会 食物アレルギー委員会作成
- ぜんそく予防のためのよくわかる食物アレルギー対応ガイドブック2014/独立行政法人環境再生保全機構発行
- 食物アレルギーのすべてがわかる本/海老澤元宏監修