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暑い夏は「カビ」にも注意!

更新日:2020年6月17日 印刷ページ表示

 温度と湿度が高い夏は、食中毒を起こす細菌が増殖しやすいだけではなく、カビが発生しやすい季節でもあります。
 カビは食品の品質を劣化させるだけでなく、中には毒素を産生し、人に健康被害をもたらすものもあります。食品の取扱いに注意し、カビの発生を防止しましょう。

カビってどんなもの?

 カビは、酵母、キノコと同じ「真菌」と呼ばれる微生物の一種で、空気中に浮遊して、栄養素となる食品に付着し、発育する条件がそろうと菌糸を伸ばして成長し、胞子を空気中に放出して増殖していきます。

特に発生しやすい時期は?

 カビが発育するには主に栄養、水分、温度、酸素が必要ですが、特に梅雨時は温度(10~30度)、湿度(70%以上)ともにカビの発生に最適な時期です。

どんな食品に発生しやすいの?

 特にパンや餅、菓子類など、でんぷんや糖分を含んだ食品に発生しやすく、その他にもカビの種類によっては、野菜や果物、米や麦、ナッツ類などの食品にも発生します。

どんな害があるの?

 食品の品質を劣化させるだけでなく、中にはカビ毒を発生するものもあり、人に健康被害をもたらす可能性があります。

どんなカビ毒があるの?

 カビ毒は、種類によって汚染される食品や毒性が異なります。食品衛生上、注意が必要な主なものは次のとおりです。

主なカビ毒一覧
カビ毒の種類 検出された食品例 毒性
アフラトキシン類 落花生、ナッツ類(ピスタチオ)、穀類(とうもろこし、ハト麦)、香辛料(ナツメグ)、ナチュラルチーズ カビ毒の中で最も毒性が強い
急性毒性…肝臓細胞の壊死、腎障害
慢性毒性…肝臓がん
オクラトキシンA 穀類、豆類(コーヒー、ココア)、乾燥果実、ビール、ワイン 動物実験による肝臓毒性、腎臓への発がん性
デオキシバレノール、
ニバレノール
小麦・大麦、とうもろこし 急性毒性…おう吐、食欲不振
慢性毒性…免疫障害
パツリン リンゴジュース 消化管の充血や出血、潰瘍(かいよう)

 (注)急性毒性とは、摂取直後から摂取後数日以内に現れる毒性
 慢性毒性とは、半年から1年程度の長期間にわたり連続または繰り返し摂取することにより現れる毒性

カビが発生した食品は、その部分を取り除けば食べても大丈夫?

 カビがないように見える部分にも、カビの菌糸や胞子によって汚染されている場合があります。また、カビ毒は熱に強く、一般的な調理では完全に分解することができません(100度~210度で60分以上加熱しても安定)。

食品のカビ発生防止に注意することは?

  • カビが発生しやすい10度~30度の温度を避けて食品を保存する(食中毒菌の増殖を防ぐためには冷蔵庫内での保存が有効)。
  • 酸素濃度を下げ、気密性の高い容器や袋で食品を保存する(脱酸素剤の使用も有効)。
  • 水分含有量を下げ、カビが発生しやすい70%以上の湿度を避けて食品を保存する(乾燥剤の使用も有効)。
  • 加工食品を保存する際は、食品表示に記載された「保存方法」を守り、「消費期限」や「賞味期限」などの期限表示内に食べる。

調理師・製菓衛生師