1 目的
この指針は、福祉を目的とした事業及び活動の中で行う食事提供行為(いわゆる集団給食として行われる行為を除く。)の実施者が食品の安全を確保するため必要な衛生管理に関する事項について示したものである。
2 対象
この指針の対象となる食事提供行為とは、公共施設等において、市町村、市町村社会福祉協議会、介護サービス施設・事業所、ボランティア等が、福祉を目的とした事業及び活動の中で、食事の受給対象者を特定して、かつ無料又は実費(調理コストを含む)程度以下の対価を徴収して行う、子ども食堂、高齢者向け会食・配食等の福祉サービスをいう。
3 営業許可
この指針の対象である食事提供行為については、食品衛生法第4条第7号の営業に該当しないと考えられるため、原則として同法の営業許可の対象としない。ただし、当該食事提供に伴う調理行為を事業受託する者は、営業に該当するため営業許可を取得する必要がある。
4 衛生管理
福祉を目的とした食事提供行為における食品安全管理に関する留意すべき事項は、別紙「福祉目的の食事提供行為における食品衛生管理のポイント」のとおりとする。
5 その他
福祉を目的とした事業及び活動の中で食事提供行為を行おうとする者は、事前に管轄する保健福祉事務所に相談し、本指針2の対象となる食事提供行為であるか確認するとともに食品衛生に関する指導・助言を得るよう努めることとする。
福祉目的の食事提供行為における食品衛生管理指針(PDFファイル:54KB)
福祉目的の食事提供行為における食品衛生管理のポイント
計画段階の留意事項
- 子ども食堂等を開設する前に、保健福祉事務所(保健所)に相談し、食品衛生の指導・助言を受けましょう。
- 調理担当者は、食品衛生に関する基本的な知識を習得するように努めましょう。
- 調理施設の規模や調理担当者の人数などに応じ、無理のない食数で食事を提供しましょう。
項目別チェックポイント
1 調理施設
- 調理施設(厨房)は、公共施設等の設備が整った施設を活用しましょう。
- 手洗い設備として、液体石けん、ペーパータオル、消毒用アルコール等を備えましょう。
- 使用する水は、水道水を使いましょう。
- まな板、包丁等の調理器具は、肉、魚、野菜等の食品の種類に応じて使い分け、適宜、洗浄、乾燥を行い、消毒用アルコール等で消毒しましょう。
2 調理従事者
- 作業開始前に健康チェックを行い、下痢、嘔吐の症状があるなど体調不良のときは、調理、配膳に携わらないようにしましょう。
- 手指に傷がある人は、調理行為に従事しないようにしましょう。(やむをえず従事する場合は、使い捨て手袋などで傷を保護しましょう。)
- 手指の爪は短く切り、調理中は指輪、腕時計等の装身具を外しましょう。
- 調理前、トイレ後のほか、調理中も手指が汚れた場合は、液体石けんと流水を使って洗浄、消毒をしましょう。
- 清潔な作業着(エプロン)、帽子(三角布)及び必要に応じてマスクを着用し、また、専用の履物を使用しましょう。
3 食品等の取扱
- 肉類、魚介類、野菜等の生鮮食品は、1回で使い切る量を調理当日に仕入れ、品質、鮮度、表示等(特に、期限表示等)について点検しましょう。
- 仕入れた食品は適切な温度で、他の食品を汚染しないように保管しましょう。
- 魚介類や野菜等は流水でよく洗いましょう。
- 調理済み食品は、室温に放置せず、速やかに提供するようにしましょう。
- 提供する食品は、可能な限り加熱調理したものにし、中心部まで十分に加熱(中心温度を75度で1分以上)するようにしましょう。
- 食中毒等の発生時に調査が円滑に行えるよう、献立や食材の購入先、購入時間等の記録(レシートなどで代用可)を最低1ヶ月は保管し、可能な限り、食事のメニューごとに約50gをポリ小袋など清潔な容器に採取し、冷凍保存(2週間程度)しておきましょう。
4 その他
- 食事提供者等から、下痢、嘔吐、発熱など健康被害の情報を得たときは、保健所に連絡してください。
福祉目的の食事提供行為における食品衛生管理のポイント(PDFファイル:82KB)