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平成29年度食の現場親子リポーター記事(あづま養魚場)

更新日:2017年10月20日 印刷ページ表示

「あづま養魚場へ行って」6年生の部 佳作

受賞者

渋川市立津久田小学校 6年 原 隆太

取材先

あづま養魚場

リポート作品

 この夏休み、ぼくはニジマスとヤマメを釣った。その場で塩焼きにした魚は、何匹でも食べられるくらい、どれも美味しかった。そこで、もっと魚のことを知ってみたいと考え、8月24日に(有)あづま養魚場さんを見学することにした。

 3代目の池田しゅんすけさんは、ギンヒカリを育てている池を見つめながら、「ギンヒカリは釣り堀にはいないんですよ」と群馬のギンヒカリの秘密を教えて下さった。そして、「サーモンは…」など、興味深い秘密を交えつつ、ぼく達を養魚場へ案内して下さった。

 あづま養魚場には、全部で7つの養魚池があり、それぞれの池には、種類やサイズの違う魚が気持ちよさそうに元気に泳いでいた。

 これらの池の水は、日本百名水に選ばれている箱島湧水だ。その水をボトルに入れて県外で販売する会社やこの水を料理やコーヒーに使うために汲みに来るお店もあるほど、甘くて美味しいと有名な群馬の名水なのだそうだ。また、川の水と違い、一年中水温が変わらず、雑菌や人工のゴミが入る前から使用できることも湧水の良さだ。安心して安全に、美味しい魚を育てることに適しているのだという。

 まず湧水上流の最も綺麗な池ではふ化から稚魚を育てているそうだ。この段階は1番病気になりやすいため、実際に見学することもできないとのことだった。その段階で病気にかかってしまうと、その下流で育てている魚にも感染してしまうかもしれない。そうなったら、池を消毒して水を入れ替えなければならない。注文された魚も届けられなくなってしまうかもしれないのだ。安全で美味しい魚を確実にお客さんに提供するために、気を遣い、大切に育てているのだと改めて感じた。

 中流の3段になった池では、少し大きくなった魚を育てていた。大雨の日には、水があふれてしまわないように、夜通しで流れてきた木の枝葉を取り除く作業をすることもあったそうだ。ここでも大切に魚を守っていることを知ることができた。

 1番下流の池は、伊香保温泉のホテルなどに卸す1キロを超える大きなニジマス、そして貴重なギンヒカリなどが悠々と泳いでいた。見学している間に、これから届けるというニジマスを係の方が捕まえていった。2年くらいかけて育てられた魚は、入れられたバケツを倒すほど大きく活きが良かった。鮮度の良いまま捌き、ホテルに届けられるそうだ。

 今回の見学を通して、ぼくたちがおいしくいただいている魚は、生産者や組合の方たちのいろいろなアイデアのおかげで、育ちやすい環境が作られ、貴重な種も絶やさないようにして安全に大切に育てられていることがわかった。池田さんが教えてくれた秘密を思い出しながら、これからも美味しく魚をいただきたいと思う。

見学について


調理師・製菓衛生師