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平成30年度食の現場親子リポーター記事(森田しいたけ園)

更新日:2018年10月31日 印刷ページ表示

「安全で美味しいしいたけにありがとう」6年生の部 佳作

受賞者

高崎市立中川小学校 6年 猪内 孔盟

取材先

森田しいたけ園

リポート作品

 「しいたけの生産現場を見てみたい」と思ったので、八月八日、渋川市北きつ町にある森田しいたけ園に見学に行きました。森田しいたけ園は自然豊かな場所にあり、しいたけは過去に何度も知事賞に輝いているそうです。
 森田しいたけ園は、年間10トンのしいたけを出荷しています。その内、6~7割は原木栽培、3~4割は菌床栽培です。通常、国内では、1割が原木栽培で9割が菌床栽培です。この割合からも、森田しいたけ園が原木栽培に力を入れているのが分かります。
 まず、原木栽培を見学しました。原木栽培は、ビニールハウスの中で行われていました。ハウスに入ったとたん、ムアッとしたむし暑さがおそってきました。そして、蚊も大量に飛び交っていました。ぼくは、「この中で長時間作業をするのは、しんどいだろうな。森田しいたけ園のしいたけは、全て無農薬と入っていたから安心だけれど、森田さんはいっぱい蚊にさされてしまうだろうな。」と思いました。森田さんに原木を持って良いと言われたので、持ってみたら、とても重かったです。原木は1本10kgあり、森田しいたけ園では年間1万本も原木栽培しているそうです。ぼくは、「なぜ、原木栽培にこだわっているのですが。」と質問しました。森田さんは、
「菌床栽培は、オガクズに栄養を足して育てるので、原木栽培よりも早く沢山のしいたけがとれます。菌床自体も2.5kgと軽いです。でも、原木栽培の方が自然に近い栽培方法ですし、自分で食べた時に原木栽培の方が美味しいと感じました。だから、大変でも原木栽培にこだわっています。」
と答えてくれました。この話から森田さんが消費者の立場になって、しいたけを大事に育てていることが伝わってきました。
 森田しいたけ園は、森田さんで3代目です。そこで初めての大問題が起こりました。東日本大震災での原発事故です。この事故により、原木、オガクズ、しいたけの放射性物質の残留検査が必要になりました。その結果、森田しいたけ園では、丸々2年出荷できませんでした。
 今は、原発事故の影響があまりなかった、群馬南部、長野県、南会津から原木をしいれています。この原木はきちんと検査をした上で仕入れているそうです。しいたけは木を使うので、どうしても放射性物質の影響を受けやすいです。だからこそ、森田しいたけ園では、しっかり検査をして安全なしいたけだけを出荷しています。森田さんが、放射性物質のことを教えてくれたのは、消費者の安全のために正しい情報を伝えたいという思いからだそうです。
 今回、森田しいたけ園を見学して、森田さんはつねに消費者のことを考えて生産していることが分かりました。生産者の方の苦労や思いを学んで、これからは「いただきます」という言葉にもっと感謝の気持ちを込めて、一食一食を大切に食べていきたいです。



調理師・製菓衛生師