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アスベスト(石綿)廃棄物について

更新日:2025年5月26日 印刷ページ表示

1 アスベスト(石綿)は、使用禁止から適正処分へ

 アスベスト(石綿)は、加工の容易さ不燃性などの特性により、スレート材、吹付け材といった建築資材をはじめ、幅広い用途に使用されてきましたが、その粉じんの吸い込みによる中皮腫や肺がんの危険性が指摘されるなど、その毒性が社会問題化し、我が国では一部の特性部材を除きその製造・流通が行われておりません。
 廃棄物処理法や労働安全各法も改正され、これを適正に処分しなければならないこととなっています。

2 廃石綿等と石綿含有産業廃棄物

アスベスト(石綿)廃棄物は、特別管理産業廃棄物である「廃石綿等」とアスベストを含有する成型品が廃棄物となった「石綿含有産業廃棄物」とに分けられ、それぞれ廃棄物処理法によりその収集・運搬方法や処分方法などが定められています。

石綿含有産業廃棄物と廃石綿等
石綿含有産業廃棄物(廃棄物処理法施行規則第7条の2の3) 廃石綿等(廃棄物処理法施行令第2条の4第5号ヘ)

 工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた産業廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するもの(廃石綿等(右欄参照)を除く)をいいます。過去には、「非飛散性」といわれたことがありますが、その取り扱いによっては飛散することから、現在では「石綿含有」といいます。

※石綿含有成形板(セメント、けい酸カルシウム等の原料に、石綿を補強繊維等として混合し、成形されたもの)や石綿含有ビニル床タイル、石綿含有仕上塗材等が解体等工事により撤去され廃棄物となったものが該当します。

《主な石綿含有成形板》

  • スレート(波板・ボード)、住宅屋根用化粧スレート、サイディング、けい酸カルシウム板第1種、パルプセメント板、スラグ石こう板、耐火被覆板、押出成形セメントバン、ビニル床タイル等(主に屋根、外壁、内壁、天井、床等に使用されています)

 廃石綿及び石綿が含まれ、若しくは付着している産業廃棄物のうち下記(1)、(2)であって、飛散するおそれのあるものとして廃棄物処理法施行規則で定めるものをいいます。
(1) 石綿建材除去事業(建築物その他の工作物に用いられる材料であって、石綿を吹き付けられ、又は含むものの除去を行う事業)に係るもの
(2) 大気汚染防止法第2条第11項に規定する特定粉じん発生施設において発生したもの及び輸入されたもの
《飛散するおそれのあるもの》(廃棄物処理法施行規則第1条の2第7項)

  1. 建築物その他工作物に用いられる材料であって石綿を吹き付けられたものから石綿建材除去事業により除去された当該石綿
  2. 建築物等に用いられる材料であって石綿を含むもののうち石綿建材除去事業により除去された次のもの
    • 石綿保温材 ・けいそう土保温材 ・パーライト保温材 ・人の接触、気流、振動等により石綿保温材等と同等以上に石綿が飛散するおそれのある保温材、断熱材、耐火被覆材
  3. 石綿建材除去事業において用いられ、廃棄されたプラスチックシート、防塵マスク、作業衣、その他の用具又は器具であって、石綿が付着しているおそれのあるもの

3「廃石綿等」又は「石綿含有産業廃棄物」排出事業者の留意事項

(1)排出事業者は「元請業者」

 石綿建材除去事業における「廃石綿等」又は工作物の新築、改築、除去等の工事における「石綿含有産業廃棄物」の排出事業者は、原則として元請業者が該当します。実際の除去事業の施工は下請業者が行う場合であっても、廃棄物処理についての責任の所在が曖昧にならないよう、発注者から直接除去事業を請け負った元請業者を排出事業者とします。元請業者が排出事業者となるのは、建設工事等においても同様です。

(2)特別管理産業廃棄物管理責任者の設置及び帳簿の備え付け等【廃石綿等のみ】

 「廃石綿等」は、特別管理産業廃棄物に該当することから、排出事業者は石綿建材除去事業により排出される廃石綿等の処理に関する業務を適切に行わせるため、それぞれの石綿建材除去事業を行う事業場(除去現場)ごとに資格を有する特別管理産業廃棄物管理責任者を置き、県に報告しなければなりません(廃棄物処理法第12条の2第8項)。

 特別管理産業廃棄物(廃石綿等)の排出事業者は、環境省令で定める事項を記載した帳簿を事業場(除去現場)ごとに備え、1年ごとに閉鎖し、閉鎖後は5年間保存しなければなりません。

(3)処理計画の策定

 排出事業者(元請業者)は、廃石綿等及び石綿含有産業廃棄物の適正処理を図るため、これらの処理に関し次の事項を定めた処理計画を定めましょう。この際、発注者からの情報をもとに、情報収集や現地確認により石綿の使用状況の全体像を把握することが大切です。

  1. 事業場内で発生する廃棄物の種類、発生量及び処理量
  2. 廃棄物の減量その他の適正な処理に関する目標
  3. 撤去方法
  4. 事業場内での保管方法
  5. 収集・運搬方法
  6. 中間処理及び最終処分方法
  7. 処理を委託する場合は、委託業者の許可の内容(収集運搬業者、中間処理業者及び最終処分業者の許可番号、事業の範囲、許可期限等)、委託方法、処理施設の確認方法、添付書類として産業廃棄物処理委託契約書及び産業廃棄物処理業の許可証の写し
  8. 工事概要(工事名称、工事場所、工期、発注者名、設計者名、作業所長名、廃棄物管理責任者、工事数量、解体工事の請負業者名)

(4)石綿障害予防規則と大気汚染防止法の取扱い

 労働安全衛生法に基づく石綿障害予防規則では、廃棄物の処理以外の作業方法や作業順序を示した作業計画を定めることとされているので、これらを加味して計画書を作成する必要があります。また、石綿が使用されている建築物等の解体や吹き付けられた石綿の封じ込め又は囲い込みの作業、吹き付け石綿の除去作業を行う場合に、事前に届出等を義務づけています。石綿障害予防規則に基づく届出等の詳細については、最寄りの労働基準監督署にお問い合わせください。
 大気汚染防止法では、石綿含有吹き付け材、保温材、耐火被覆材等の特定粉じんを排出する作業について事前に県(現場が前橋市、高崎市においてはそれぞれの市)への届出を義務づけています。
 また、労働安全衛生法に基づく石綿障害予防規則及び大気汚染防止法に基づき、解体等工事の元請業者等は、解体等工事に係る事前調査を行ったときは、遅滞なく、当該調査の結果を県へ都道府県知事等に報告しなければなりません。詳しくは管轄の環境(森林)事務所又は市役所へお問い合わせください。

(5)排出場所における保管

 排出事業者は、その(特別管理)産業廃棄物が運搬されるまでの間、環境省令で定める技術上の基準に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければなりません。

  •  解体等により排出された石綿含有産業廃棄物は、他の物と混合するおそれのないように仕切りを設けることや、飛散を防止するため覆いを設けること、梱包することなど産業廃棄物保管基準(廃棄物処理法施行規則第8条)に基づき適正に保管しなければなりません。また、保管場所に掲げる掲示板には、石綿含有産業廃棄物が含まれる旨を表示する必要があります。
  • ​ 石綿建材除去事業により排出された廃石綿等は、特別管理産業廃棄物であり、他の物が混入しないよう又飛散を防止するため梱包することなど、特別管理産業廃棄物保管基準(廃棄物処理法施行規則第8条の13)に従い適正に保管しなければなりません。​

 (特別管理)産業廃棄物の保管基準

(6)処理の委託

排出事業者は、石綿含有産業廃棄物又は廃石綿等の運搬又は処分を他人に委託する場合には、産業廃棄物委託基準(廃棄物処理法施行令第6条の2)又は特別管理産業廃棄物委託基準(廃棄物処理法施行令第6条の6)に従いそれぞれ委託しなければなりません。

(特別管理)産業廃棄物委託基準
  石綿含有産業廃棄物(廃棄物処理法施行令第6条の2) 廃石綿等(廃棄物処理法施行令第6条の6)
収集運搬

 排出事業者が、石綿含有産業廃棄物の収集運搬を委託できる者は、産業廃棄物収集運搬業者であって、解体等に伴って発生する「汚泥」、「廃プラスチック類」「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」又は「がれき類」について、「石綿含有産業廃棄物を含む」旨が、その事業範囲に含まれる者に委託しなければなりません。積み込み地(排出場所・保管場所)及び積み下ろし地(中間処理施設又は最終処分場の所在地)双方の都道府県知事等から収集運搬業の許可を得ていることが必要です。
 本県においては、許可を受けた事業範囲に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合には、許可証の「1 事業の範囲(2)産業廃棄物の種類」欄に、石綿含有産業廃棄物を含む旨が記載されています。許可証記載例 (PDF:68KB)

 排出事業者が廃石綿等の収集運搬を委託できる者は、特別管理産業廃棄物収集運搬業者であって、「廃石綿等」がその事業範囲に含まれる者に委託しなければなりません。積み込み地(排出場所)及び積み下ろし地(中間処理施設又は最終処分場の所在地)双方の都道府県知事等から収集運搬業の許可を得ていることが必要です。
中間処理

 石綿含有産業廃棄物の処分を委託できる者は、産業廃棄物処分業者であって、解体等に伴って発生する「汚泥」、「廃プラスチック類」「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」又は「がれき類」について、「石綿含有産業廃棄物を含む」旨が、その事業範囲に含まれる者に委託しなければなりません。

 廃棄物処理法は、石綿含有産業廃棄物の処分又は再生を行う場合は、「石綿含有産業廃棄物による人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれをなくする方法として環境大臣が定める方法により行うこと」(廃棄物処理法施行令第6条第1項第2号ニ)と定めています。環境大臣が定める石綿含有産業廃棄物の処分又は再生の方法(平成18年環境省告示第102号)として次の四つが定められています。
 ア 廃棄物処理法施行令第7条第11号の2に掲げる溶融施設において石綿が検出されないよう溶融する方法
 イ 廃棄物処理法第15条の4の4第1項の認定に係る無害化処理の方法
 ウ 一般廃棄物処理施設において石綿含有産業廃棄物等の溶融施設に係る構造基準に適合するものであって当該溶融施設に係る処理基準に従い溶融する方法(市町村がその事務として産業廃棄物を処理する場合)
 エ 石綿含有産業廃棄物をア〜ウの施設に投入するために必要な破砕又は切断を当該施設において行う方法

 このように、石綿含有産業廃棄物は、石綿含有産業廃棄物の溶融施設として都道県知事等から設置許可を受けた施設及び石綿を含む廃棄物を無害化処理(人の健康や生活環境に係る被害が生ずるおそれがない性状にする処理)できるものとして環境大臣の認定を受け設置された施設などでのみ中間処理(溶融・無害化・破砕や切断)が認められています。
 なお、破砕・切断については、溶融施設等に投入するために必要な破砕・切断を当該施設で行う場合のみ処分又は再生の方法として定められましたが、例外として、排出場所において、散水等により石綿含有産業廃棄物を湿潤化したうえで、収集・運搬のために必要な最小限度の破砕又は切断を行うことが認められています。(廃棄物処理法施行令第6条第1項第2号ニ (2)、平成18年環境省告示102号第2条第2項)

  • 廃石綿等の処分業者<外部リンク>(環境省のホームページで公表されているもの)
    注)石綿含有産業廃棄物を取り扱えるかどうか業者への確認が必要です。

 排出事業者が廃石綿等の処分を委託できる者は、特別管理産業廃棄物処分業者であって、「廃石綿等」がその事業範囲に含まれる者に委託しなければなりません。
 廃棄物処理法は、「廃石綿等の処分又は再生は、当該廃石綿等による人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれをなくする方法として環境大臣が定める方法により行うこと」(廃棄物処理法施行令第6条の5第1項第2号ト)と定めています。環境大臣が定める廃石綿等の処分又は再生の方法(平成4年厚生省告示第194号)として次の二つが定められています。
 ア 廃棄物処理法施行令第7条第11号の2に掲げる溶融施設において石綿が検出されないよう溶融する方法
 イ 廃棄物処理法第15条の4の4第1項の認定に係る無害化処理の方法このように、廃石綿等は、廃石綿等を処理することができる施設として都道県知事等から設置許可を受けた溶融施設又は石綿を含む廃棄物を無害化処理(人の健康や生活環境に係る被害が生ずるおそれがない性状にする処理)できるものとして環境大臣の認定を受け設置された施設でのみ中間処理が認められています。

  • 廃石綿等の処分業者は左欄リンクをご覧ください。
最終処分

 石綿含有産業廃棄物の最終処分は埋立て処分により行うこととし、埋立て処分は廃棄物処理法第15条第1項に基づき都道府県知事等の許可を受けた安定型、管理型又は遮断型最終処分場で行わなければなりません。
 なお、群馬県においては、許可証に「石綿含有産業廃棄物を含む」旨の表示がない処分業者石綿含有産業廃棄物の埋め立てをすることができませんのでご注意ください。
 石綿含有産業廃棄物の埋立てを行う場合は、最終処分場のうち一定の場所において、石綿含有産業廃棄物が分散しないよう行うことや埋立地の外へ飛散・流出しないようその表面を土砂等で覆うことなどが定められています。
 石綿含有産業廃棄物の具体的な取扱いについてはこちらをご覧ください。

 廃石綿等の最終処分は埋立て処分により行うこととし、埋立て処分は廃棄物処理法第15条第1項に基づき都道府県知事等の許可を受けた管理型又は遮断型最終処分場で行わなければなりません。また、 排出事業者が廃石綿等の埋立て処分を委託できる者は、特別管理産業廃棄物処分業者であって、「廃石綿等」がその事業範囲に含まれる者に委託しなければなりません。
 なお、廃石綿等の埋立てを行う場合は、当該廃石綿等が大気中に飛散しないよう、耐水性の材料で二重に梱包する又は固形化する措置を講じたうえで、最終処分場の一定の場所において、かつ、当該廃石綿等が分散しないように埋め立てることが定められています。
 廃石綿等の具体的な取扱いについては左欄マニュアルをご覧ください。

その他注意事項  石綿含有産業廃棄物の処理を委託する際には、委託者の有する委託した産業廃棄物の適正な処理のために必要な事項に関する情報として、委託する産業廃棄物に「石綿含有産業廃棄物が含まれる旨」を契約書に記載しなければなりません(規則第8条の4の2)。また、産業廃棄物を委託業者に引き渡す際に交付する産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)は、石綿含有産業廃棄物については他の廃棄物とは区分して、それぞれ廃棄物の種類ごとに1セットとして交付する必要があります。  特別管理産業廃棄物排出事業者は処理を委託しようとする者に対し、あらかじめ「委託する特別管理産業廃棄物の種類(廃石綿等)」「数量」「性状及び荷姿」「取り扱う際に注意すべき事項」を文書で通知しなければなりません(廃棄物処理法施行令第6条の6)。運搬業者は、運搬の際はこの文書を携帯する必要があります。(廃石綿等が収納されている袋又は容器に当該事項が表示されている場合は携帯する必要はありません。)

4 参考情報