1 マニフェスト制度の仕組み
産業廃棄物管理票(マニフェスト)とは、排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に、環境省令で定められた事項を記載し交付するものです。廃棄物の処理の行程ごとに終了の報告(管理票の写しの送付)を受けていくことで、排出事業者が当該産業廃棄物の流れを自ら把握・管理するとともに、委託契約内容に基づき適正に処理されていることを確認するための仕組みです。
注意!!
産業廃棄物を委託処理する際には、必ず事前に委託契約を書面で結んでください。マニフェストだけ使用していたのでは委託基準違反となります。
マニフェストは、交付や返送の時期(タイミング)なども定められており、記載事項や交付そのものに虚偽があると罰せられますので、十分注意してください。
なお、マニフェストは廃棄物処理法によって記載事項が定められていますので、これらが盛り込まれていれば独自に作成することが可能です。また、特定の産業廃棄物に対応したものなどを業界団体等が発行しています。
〜マニフェストの入手方法(有償頒布)〜
公益社団法人群馬県環境資源創生協会<外部リンク>
所在地:〒371-0025 群馬県前橋市紅雲町1-7-12(住宅供給公社ビル3階)
Tel 027-243-8111 Fax 027-243-4911
(1)直行用(積替え保管施設を経由しないもの)マニフェスト(7枚複写)
- A票 排出事業者の控えとなります。
- B1票 処分業者への運搬終了後、運搬業者の控えとなります。
- B2票 処分業者への運搬終了後、運搬業者から排出事業者に返送され、排出事業者が運搬終了を確認します。
- C1票 処分終了後、処分業者の控えになります。
- C2票 処分終了後、処分業者から運搬業者に返送され、運搬業者が処分終了を確認します。
- D票 処分終了後、処分業者から排出事業者に返送され、排出事業者が処分終了を確認します。
- E票 最終処分終了後、処分業者から排出事業者に返送され、排出事業者が最終処分終了を確認します。
(2)積替保管用マニフェスト(8枚複写)
- A票 排出事業者の控えとなります。
- B2票 第1区間の運搬終了後、その運搬業者から排出事業者に返送され、第1区間の運搬終了を確認します。
- B4票 第2区間の運搬終了後、その運搬業者から排出事業者に返送され、第2区間の運搬終了を確認します。
- B6票 第3区間の運搬終了後、その運搬業者から排出事業者に返送され、第3区間の運搬終了を確認します。
- C1票 処分終了後、処分業者の控えになります。
- C2票 処分終了後、処分業者から運搬業者に返送され、運搬業者が処分終了を確認します。
- D票 処分終了後、処分業者から排出事業者に返送され、排出事業者が処分終了を確認します。
- E票 最終処分終了後、処分業者から排出事業者に返送され、排出事業者が最終処分終了を確認します。
※積替保管用マニフェストを使用する際、運搬業者は運搬した区間の伝票の写しをとる必要があります。例えば第1区間の運搬業者はB2票の写し(コピー)をとり、B1票として5年間保管しなければなりません。
(3)建設系廃棄物マニフェスト(7枚複写)
- A票 排出事業者の控えとなります。
- B1票【運搬業者が1社の場合】運搬業者の控えとなります。
- B1票【運搬業者が2社の場合】排出事業者が、運搬業者(1)から運搬業者(2)への運搬終了を確認するためのものです。(※注)
- B2票【運搬業者が1社の場合】排出事業者が、運搬業者から処分業者への運搬終了を確認するためのものです。
- B2票【運搬業者が2社の場合】排出事業者が、運搬業者(2)から処分業者への運搬終了を確認するためのものです。(※注)
- C1票 処分業者の控えとなります。
- C2票 運搬業者が処分終了を確認するためのものです。
- D票 排出事業者が処分終了を確認するためのものです。
- E票 排出事業者が最終処分(再生を含む)終了を確認するためのものです。
(※注)運搬業者(1)、(2)は、必要に応じてそれぞれB1票の写し、B2票の写しを保存する。
(4)一次マニフェストと二次マニフェストについて
一次マニフェストとは、排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に交付するマニフェストのことをいいます。
二次マニフェストとは、中間処理業者が中間処理後に発生した産業廃棄物(例えば、木くずを焼却した後に残る焼却灰など)をさらに処分業者に委託処理する際に中間処理業者が交付するマニフェストのことをいいます。
2 マニフェストの記載方法(排出事業者)
(1) 必ず次の事項を記載してください。
- 管理票の交付年月日及び交付番号
- 委託者の氏名又は名称及び住所
- 産業廃棄物を排出した事業場の名称及び所在地
- 管理票の交付を担当した者の氏名(契約担当者ではなく、実際に交付した担当者)
- 運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称及び住所
- 運搬先の事業場の名称及び所在地(積替え保管を行う場合は、その場所の所在地)
- 委託する産業廃棄物の種類、数量及び荷姿
- 産業廃棄物の最終処分を行う場所の所在地(運搬の最終目的地の所在地)
- 委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その数量
- ※二次マニフェストの交付に際しては、一次マニフェストに記載されている排出事業者の氏名又は名称及び交付番号を記載してください。
(2) マニフェストの交付にあたって
マニフェストは産業廃棄物の種類ごとや運搬先ごとに交付しなければなりません。種類(石綿含有物を含む場合はその旨)、数量、受託者の氏名、名称、管理票交付担当者名を確認した後に交付してください。
マニフェストの交付義務があるのは、排出事業者であり産業廃棄物の処理業者側ではありません。また交付の際には適正な記載を行わなければなりません。ただし電子マニフェスト(情報処理センター利用)の場合は、書面による伝票は不要となります。
3 産業廃棄物の処理業者におけるマニフェストの取扱方法
(1) 運搬業者
- 運搬を終了した際には、運搬を担当した者の氏名、運搬終了年月日及び積替え保管施設において有価物を収拾した場合にはその量を必ず記載してください。
- 運搬終了後10日以内に排出事業者に対してマニフェストの写しを返してください。
- マニフェストの写しについては、5年間保存してください。
(2) 処分業者
- 処分を終了した際には、処分を担当した者の氏名、処分終了年月日を、最終処分を行った場合にはこれら事項と最終処分を行った場所の所在地を必ず記載してください。
- 処分終了後10日以内に排出事業者に対してマニフェストの写しを返してください。
- マニフェストの写しについては、5年間保存してください。
4 マニフェストの一般的な流れ
- 排出事業者自らが、マニフェストに必要事項を正確に記入し、署名します。
- 産業廃棄物の引渡し時に、収集運搬業者にマニフェストを交付します。
- 交付したマニフェストの控えとして収集運搬業者の署名・押印したA票を受け取ります。
- A票を5年間保管しておきます。
- 収集運搬業者から運搬終了後10日以内にB2票が回付されるので、内容を確認後、A票に受け取った日付を記入し、5年間保存します。
- 処分業者から処分終了後10日以内にD票が回付されるので、A票・B2票・D票を照らし合わせて運搬及び処分が終了したことを確認し、A票に受け取った日付を記入し、5年間保存します。
- 最終処分まで終了後に処分業者からE票が回付されるので、A票・B2票・D票・E票を照らし合わせて最終処分が終了したことを確認し、A票に受け取った日付を記入し、5年間保存します。
※A~E票までを一つづりとして5年間保存することを推奨。
5 マニフェストの返送がない場合等に講ずべき措置
排出事業者は、以下のいずれかに該当する場合には、交付したマニフェストに関して、生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止ために必要な措置を講ずべきとしています。また、その講じた措置の内容を都道府県知事に報告することとされています。
- マニフェストの交付の日から90日(特別管理産業廃棄物は60日)以内にB2票・D票が送付されてこない(期間経過後30日以内に報告)。
- マニフェストの交付の日から180日(特別管理産業廃棄物も180日)以内にE票が送付されてこない(期間経過後30日以内に報告)。
- 運搬担当者氏名、運搬終了年月日、処分担当者氏名、処分終年月日、最終処分を行った場所等の記載が無いもの又は虚偽の記載がなされたものが返ってきたとき(記載が無いものの送付を受けた日又は虚偽の記載があることを知った日から30日以内に報告)。
- 処理業者から、収集運搬又は処分を適正に行うことが困難となり、又は困難となるおそれがある事由が発生したとして通知を受けたとき。(通知を受けた日から30日以内に報告)
事業者が講ずべき必要な措置の例
- 委託した産業廃棄物が処分されずに放置されている場合にあっては、委託契約を解除して他の産業廃棄物処分業者に委託する
- 処理困難通知を発出した運搬受託者又は処分受託者が処理を適切に行えるようになるまでの間、当該受託者に新たな処理委託を行わない
措置内容等報告書の提出先・書式
6 マニフェストに関する報告書について
産業廃棄物の排出事業者(中間処理業者を含む。)は、前年度(4月1日から3月31日まで)のマニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付等の状況に関する報告書を事業場ごとに作成し、6月30日までに都道府県知事等に提出することとされています。
産業廃棄物管理票に関する報告書について
7 電子マニフェストについて
電子マニフェストとは、情報処理センターが運営するネットワークを利用して、排出事業者・収集運搬業者・処分業者がマニフェスト情報を報告・管理するシステムです。このため排出事業者は、産業廃棄物の処理を委託する場合、紙マニフェストか電子マニフェストのどちらかを選択することができます。ただし、電子マニフェストを利用するためには、排出事業者・収集運搬業者・処分業者の三者が加入している必要があります。
(1) 電子マニフェストの普及促進にご協力ください。
(1) 国の目標
平成30年6月に閣議決定された第三次循環型社会形成推進基本計画において、電子マニフェストの普及率(利用割合)を令和4年度に70%に拡大することが目標に掲げられたことを踏まえ、同年10月、環境省からこの目標を達成するためのロードマップが策定され、官民連携して取り組んできました。
電子マニフェストは、排出事業者や産廃処理業者にとって情報管理の合理化につながることに加えて、廃棄物処理システムの透明化や不適正処理の原因究明の迅速化を図る狙いがあります。
(2) 特別管理産業廃棄物多量排出事業者への登録義務化(令和2年4月1日~)
令和2年4月1日から前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の発生量が年間50トン以上の事業場を設置している事業者は、当該事業場から生じる特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の処理を委託する場合、電子マニフェストの登録(電子情報処理組織による情報処理センターへの登録)が義務づけられました。前年度における特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の発生量が年間50トン以上の事業場を設置している事業者については、翌年度に電子マニフェストの登録が必要です。電子マニフェストの普及促進にご協力をお願いいたします。
(2) 電子マニフェストの導入の利点
(1) 事務の効率化
- パソコンや携帯電話から簡単に登録・報告が可能
- 排出事業者による管理票の保存が不要
- 廃棄物の処理状況の確認が容易
- 管理票データの加工が容易
- 事務効率化による人件費の削減
(2) 法令の遵守
- 管理票の誤記・記載漏れを防止
- 排出事業者が処理委託した廃棄物の処理終了確認期限を自動的に通知し、確認漏れを防止
(3) データの透明性
- 管理票の偽造を防止
- 管理票情報を第三者である情報処理センターが管理・保存
(4) 管理票交付状況の行政報告が不要
- 電子マニフェスト利用分の管理表交付状況は、情報処理センターが報告するため、排出事業者の報告が不要
〜電子マニフェストの利用方法について〜
電子マニフェストの申し込み・お問い合わせは下記へどうぞ
財団法人日本産業廃棄物処理振興センター<外部リンク>(情報処理センター)
〒103−0012 東京都中央区日本橋堀留町2-8-4日本橋コアビル2階
Tel 03-5816-8147 Fax 03-5816-8132