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日本語指導が必要な児童生徒への指導、支援については、特定の担当教員だけでなく、学校全体で組織的に対応していくことが求められます。
そこで、群馬県では、「在籍学級における通常の支援」を第1層、「在籍学級における入り込み指導」を第2層、「在籍学級以外での取り出し指導」を第3層として整理し、対象となる児童生徒が、どの場所でも安心して学び、そのよさや強みを十分に発揮できる環境を整えるため、各層の役割と連携について示しています。

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日本語指導が必要な児童生徒の学習環境を整えるうえで、最も重要視したいのが、この第1層です。
第1層では、「日本語が十分に理解できないから、在籍学級で学べない」と考えるのではなく、「どのような環境や支援があれば、学年相当の学びに参加できるのか」という視点に立ちます。
言語や文化的背景、学習歴等を「強み」として生かし、学級の一員として活躍する。
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第1層の支援だけでは、学習活動への参観が困難であると認められた場合に行う支援が、この第2層です。
在籍学級の担任または教科担任以外の支援者が在籍学級に入り、個別の支援を行います。
在籍学級における多様な学習形態の学びに参加する中で、必要となる日本語能力を磨いたり、母語の力を生かしたりしながら、教科等の学習内容を着実に身に付ける。
これらの手立ては、在籍学級における学習参加を妨げないよう、児童生徒の実態、支援ニーズを踏まえ、支援濃度の調整をすることが必要です。
第1層、第2層の支援のみでは十分に学習成果が期待できない場合、在籍学級以外の教室に児童生徒を取り出して行う支援が、この第3層です。
第3層は、取り出し指導と呼ばれ、各学校で行うには「特別の教育課程の編成・実施」が必要です。
第1層、第2層は在籍学級の児童生徒がいる中で行われる支援ですが、第3層では、1人もしくは少人数で学習することが多いため、個に応じた指導を進めやすいのがメリットです。
ただし、在籍学級の児童生徒との関係性や所属意識に配慮し、取り出して行う時数は必要最小限に留めることが重要です。
自らの母語や母文化が尊重されているという安心感を持つとともに、在籍学級の学習活動や学校生活に生かせるよう、着実に日本語の力を身に付ける。
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第1層から第3層までの支援はそれぞれバラバラに行われていては十分な成果が期待できません。
そこで、複数の関係者をつなぎ、組織的な対応をすることが求められます。
個別の指導計画は、日本語指導を必要とする児童生徒の実態、目標、指導内容、支援の手立て等が整理された文書です。
特別の教育課程を編成する場合には必ず作成する必要がありますが、群馬県では、特別の教育課程の実施に関わらず、日本語指導を必要とする全ての児童生徒について作成することを市町村教育委員会にお願いしています。
それは、個別の指導計画が、組織的な対応を進めるための強力なツールとなるからです。
指導者や指導場所、形態に関わらず、常に適切な指導、支援を受けるには、個別に設定された目標やそれに係る指導方針、指導内容等の共有が必要です。個別の指導計画は、職員の協働体制を整えるために必要となる情報が整理されているため、組織的な対応に必要な情報共有の基盤となります。
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令和8年度より、MEC(多文化共生教育コーディネーター)が巡回する学校では、ケース会議を行っています。
ケース会議の役割は、関係する職員が指導方針や目標設定を協働的に検討するとともに、第1~3層に関係する職員の役割分担を明確にし、切れ目のない支援を実現することです。また、日本語指導が必要な児童生徒の成長を見取り、支援濃度を適切に調整していくことも重要な視点です。
ケース会議に参加する職員は、各学校の実情によりますが、管理職、在籍学級の担任、日本語指導担当、母語支援に関わる職員、学年主任、生徒指導主事、進路指導主事、養護教諭等が想定されます。
第3層である取り出し指導で学習したことを第1層の在籍学級において発揮することで、日本語指導が必要な児童生徒は自信を深めるとともに、日本語を学ぶ意義を実感しやすくなります。
そのため、ケース会議を待たずに各層の担当者が日常的に連携していくことが必要となります。
集住地域では、時間割表を共有し、第1層である在籍学級と第3層である取り出し指導の学習内容を相互に生かせるような実践が行われています。
日本語指導の必要な児童生徒は、在籍学級で本来の力を発揮するには、様々な支援を必要することがあります。そこで、取り出し指導において効果のあった教材や支援の手立てについて共有しておくことも重要な視点となります。この場合は、例えば、教材の工夫や支援の手立てが伝わるように、児童生徒の一人一台端末等を用いて学習の様子を写真で記録すると、担当者間の共有の時間をある程度削減することができます。